ダンジョン脱出
日が空いてすみません。
これから定期的に日が空くかもしれません。
ご了承ください。
「ねぇ、日和ちゃん、おかしくない?さっきはオーガたちが叫んでてうるさかったのにもう何も聞こえないわ。」
白海が不思議そうに言う。
「確かに...変ね、桐生一人であのオーガは対処できないだろうし...そういえば鬼塚たちが見えない.....
...まさか!?」
そう行って加山が走り出す。
「え!?ちょっと、どこいくの日和ちゃん!」
「ん?あ!おい加山どこいくんだ!?そんな急ぐ必要がある何かがあったのか!?」
白海と上代も後を追う。
「ガウン団長!」
加山が叫ぶ。
ちなみに団長はガウンという名前だ。
「ん?加山殿、どうしたのだ?そんなに慌てて。」
「鬼塚たちがどこに行ったかわかりますか?」
「ん?鬼塚...居ないな、まずいな、だとしたらまだ奥に...」
団長が振り返る、すると走ってこっちに向かってくる白海と上代、そして離れたところから誰かが来たようだ。
「誰だ!?」
ガウンが叫び、剣を抜く。
「おれですよ。ガウン団長。」
それは鬼塚と佐伯と葉山の3人だった。
「おい!桐生はどうした!?迎えに行ったんじゃないのか!?」
加山が叫ぶ。
「ハハッ迎えにいくかよ、あんな無能。まぁ助かったぜあいつが犠牲になってくれたおかげでオーガ達も突き落とせたからな。」
鬼塚達が笑う。
「おい、待て鬼塚、まさか桐生ごと奈落に落としたわけじゃないよな?」
上代が聞いた。
「あ?当たり前だろ?あのままだとよくて数人、
下手すりゃあ大半がやられてたんだぜ?無能の命一つで済むなんてお得じゃねぇか」
鬼塚が楽しそうに言う。
「...ッ!鬼塚く「穂花!落ち着きなさい。上代も落ち着きなさい。これでわかった?桐生が学校でどんな立ち位置にいたか。気付いてないのはクラスでもあんたくらいよ。...穂花、今は落ち着きなさい。」...うん。」
「そんな、...まさかおれは、桐生を見殺しに?」
白海が辛うじて堪えた。
上代は気付かなかったことに罪悪感を抱いているようだ。
桐生は上代がいじめを暗黙しているのかと思っているが、実は本当に気付いてないだけなのだ。この誤解が今後どれだけ響くのか、それはまた別の機会にしよう。
「...そうか、陛下には桐生殿は囮となって皆を守ったと伝える。それがせめてもの償いだ。
鬼塚、次同じことをすれば騎士団長として然るべき対応をすると知れ!」
ガウンはそう言うと先は進んだ。
「チッまぁいい、これでゴミはいなくなった。次同じことをすればって言ってたが、あいつほどの無能はもう居ねえよ、他の奴らは少なくとも騎士と同等かそれ以上の実力はあるんだからなぁ」
「あぁ、だが仕方ないとはいえサンドバッグがないのは辛いなぁ...あいつなんだかんだ一ヶ月は耐えてたからなぁ」
「確かにな、まぁおれらもそろそろ真面目に訓練しようぜ、上代は無理だが他の奴らに抜かれるのは勘弁だよ。」
鬼塚達はそう言いながら歩いていった。
「...どういうこと?桐生君がサンドバッグってどういうことよ!?ねぇ!!」
白海が叫ぶ
「うっ、知らないわよ、私だってキレるの我慢したんだから、ってか上代。早くいくわよ」
「...ああ、...おれは何てことを...」
上代は罪悪感でいっぱいな様子だ。
白海はまだ頭の整理が追いついていないところに、サンドバッグのことが聞こえてきて、怒りと悲しみで混乱しているようだ。
「とにかく、サンドバッグの件については他言しないこと、あの感じだと、城の兵士もグルね。二人とも気をつけて。」
そう言って3人の会話は終わった。
そしてダンジョンの外を目指した。
これからしばらく主人公しか出てきません。
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