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短編とかその他

力押しには力押しで

作者: リィズ・ブランディシュカ





 力がないと嘆いた人々は、答えを見つけた。

 力さえあれば、いいのだと。




 この世界には、虐げる者と虐げられる者がいる。

 俺達は虐げられる者だから、地べたに這いつくばって生きていなければならない。

 しかし、虐げる者は天空にある城で悠々自適に過ごしているのだろう。


 やつらをこの地べたに落としたい。

 空を飛ぶための羽をむしって、みじめにしたい。


 けれど、どんなに願ったって、それを叶えるための方法がなければどうしようもない。


 でも、ある日俺達は手に入れた。


 強力な武器を。


 空を飛ぶ、あの忌々しい羽虫を打ち落とすための、手段を。


 谷底の、さび尽きた鉄のコンテナの中で。


 どうしてそれがあったのか分からないけれど、俺達はその武器を使う事にした。


 すると、その一撃は強力だった。

 撃ち落されたち羽虫達は一瞬でバラバラになっていった。


 もっと苦しむ姿を見たかったのに、それが叶わないのが不満だ。


 でも、いい。


 俺達の頭上でうるさくとびまわる虫なんて、いないに越したことないんだから。


 そのうち、羽虫達はもっと上の方に逃げていった。


 それで、二度と俺達の前に姿を現す事がなくなった。


 ざまぁみろだ。


 もしまた来るようなら、打ち落としてやる。





 虐げられる者達から、思いがけない反抗をうけた者達は、空の果てでわずらわしい思いをしていた。


 虐げる者達が遠い昔に落とした砲台が、拾われてしまったようだ。


 しかし彼らは不快感をしめすだけで、慌てはしない。


 技術の進んだ今なら、あの砲台よりもっと威力の強いものがあるからだ。


 すぐに勢いついた地上の蟻たちを一掃できるだろう。


 力がある。

 だから負けはしない。




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