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呼応  作者: 師走
40/40

40

亀が、わざわざ硬い背中を持って

赤色リトマス紙の事なんか、てんでアテにせず

ただ産卵のためだけに砂地へ上がってくるのは大したものだ

浦島太郎がいなければ、すぐに嬲り殺されるくせに

君たち怖くはないの

そりゃあ君らは多少の優越感を抱いてるだろうさ

瞼があるので、嫌なものからは目をつぶれるし……

けれど、だからって産卵場を陸上に決めつけなくっても良かったのに

魚たちと、そんなに決別したかったのか

そのために、まだしも安全な、海を這い出て

痛みに耐えながら、浜をよじ登り

穴を掘って、恐る恐る産気づく

太陽の光は眩しかろう

けれど瞬きなんてするんじゃないぞ

それは、君らがやっとの思いで手に入れた

輝かしい不自由なんだから

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