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呼応  作者: 師走
39/40

39

意気地なしの青蛙すら

軽蔑するくらいの

汚いコートを羽織った男一匹が

ある日突然目から涙をほとほと落として

成程!成程!と

そればかりを言っている


凱旋門に、丁度陽の光は差し込んだか………

ナポレオンに、踏みつけにされた者たちの呻きが

低く、低く響いている

あっ、肉体よ、肉体にたぎる、眩しいくらいの憎らしさよ


干からびてしまった私の胸中を

抱き締め、撫で回すのは

やはり同じ哀しさを背負った裁判官である

彼は何も言わない、されど無言は沈黙ではない

私はまた、彼によって死刑にされた幾人かを想って

いたたまれなくなるのだ

私だって罪人だ!!


出歩く先々、パン屋しかない

一様にオレンジの照明をつけて

ショーウィンドウに並べた白パンの中にはクリームなど仕込んで

イエスにでもなったつもりだろうか

パンを飢えた人々に配る……そして受け取る人々は

既に神など失っているのに

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