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祭り終わりの朽ち果てた、ねぶたの残骸が
私たちの目の前に、果てしなく転がっている
「飴玉をください、以前くれたのは、無駄になってしまったから」と、庭で野良猫が言っている
だが、飴玉などない
青空へまだらに浮かぶ白い雲から、性が降り注ぐ
あるいは青い、あるいは黄色い
そして人々は傘を差す
濡れてはたまらないから…
そうして読書だけが私を救ってくれる
その行為は無言を許すのだし、また時間をいくらか消し飛ばす
けれど本のページに終わりが来るように
その救いの手も定期的に千切れるので
私は引き上げられつつあったその高みから、墜落して
ドロドロした地面へ激突する
「私が変えて見せます」総理大臣が言う
されど、お前に何が、できると言うんだ
「小さい声を、聞いて見せます」
されど、私の声がどうして、届くと言うんだ
「誠に…」
誠に、遺憾です。それでいいのだ




