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呼応  作者: 師走
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読みました

読みました、ピーナツ

私は少し引き伸ばされたーーわけです、パン生地のようにね

どうぞお構いなく、ええ、私はすぐに行きますので

それでさ、先週頼んでおいたあの郭公だけど……

聞こえない?聞こえないたって聞いておくれよ

あ、やっぱりそうか、どうもこっちが間違っていたらしいな。で?

ははあ、逃げたか、そいつはいい、死体になってそろそろ落ちてくるでしょうな

ねえ、ぶくぶくと太ってるんじゃない、そんな言い方よせよ、ただね、君たちがあんまり可哀想だから……

ああああ!電波だ!また電波のせいなんだ、おい、相棒、ここからさっさと出ようっ、なんだいこの、映画館ときたら!

ポップコーンが床にうっすら溜まって白白しておるのは重々承知、それをこう踏み潰して踏み潰してね

耳が痛い、心がうるさい、はは、多分私のボキャブラリーが限界を迎えているんだ

なあ相棒、返事しろ相棒、なあ相棒、相棒なんてどこにもいないわな


まっくら森で風が唄うのは知っていた。

けれど私は承知ができない。

まっくら森でリンゴが落ちるのは知っていた。

だけれど私は承知ができぬ。

まっくら森で殺戮は……ない。

まっくら森は安穏かしら?違う。

まっくら森は充実…していない。

私はからかわれているのだろうか。

私と対立することを、まっくら森は理解していない。

そのくせ誇らしがっているようでもある、それ見たことか!

こけるんだよなあ、酔っ払ってしまったら。

仕方ない、絆創膏も消毒液もここにあるわけはないのだ、放っておいて寝てしまえ。

まっくら森は……、おおお、夜が明けぬ。承知、承知。


今日はいいことがあります。


ブラウン管テレビの砂嵐が漂っている。

扉を開けると、そこにはシラミがいる。猫が横たわって腹を見せている、そこから何か出ている。う

お婆さんが丁寧にお辞儀をした。赤い色褪せたアワセを着ている、土下座だ、土下座をして、セメントの硬いところへ額を→これ以上は言いたくない。

彼は虐げられていたから仕返しをした。わずかな仕返しであるから、誰も気づかないだろうな。

本能に噛み付かれて走っている樹々は、あのバラモンの焚き火にやられる。

狐に騙されていた、というので無罪放免になった、私の叔父は、達磨のような眼をしていたが、元気かしら。手紙を送ったら、土産を持ってきて、hmm.

誘惑するくらいなら、そのポケットに入れてくれ、群青

綿菓子の中身のないことが気に入ってたというに、最近は入ってるんだ。


美しいカンペを、尖った三角定規が緩めたせいだ

几帳面な筒井先生が、ネクタイを間違えたせいだ

戦争が起こったのだ

人が死んだのだ

犯罪が正当化されたのだ

ハレルヤ!


スルメイカに尋問官になって僕の悩みを聞いてもらいたい。

悩みとは実にこうです「最近は、私の胴体が前のめりになって、前のめって、足が追いつかないのです。追いつかないので、先に胴が進んでいくのです」。

スルメイカはこう言うね「実に結構。胴は先に進んでいくのです」。

そしてスルメイカは幼女に喰われる、びっくりして眼を見張る私の前で、頭から足先までバリバリとね。

「ふーう」と幼女は言う。「あんまりおいしいものじゃないわ」

「あんまりおいしいものじゃないわ」。私はきっと彼女に求婚するだろう。


震えていたら、慰められるものだと思っていた。

でも、鏡の前に立ってみたら、これがちょっと見ただけではわかんないのね。


つまり、頼もしい身体をして、今日と明日とを同じように見つめていたい。


合併症。欠乏と偽拡充の、合併症。中身の伴わない極楽浄土。段ボールで切り貼りされたキリスト。落下する、落下する。


スペクター、スペクトル、スペクタクル。とてもついていけませぬ。


ジョウロで花に水やりしたはずなのに、いつの間に体を大きくして、こんなふうに寝転んで作文などしているのだろう?サルビアは元気にしてるだろうか。


また会いたい。次に会う時には、私も少しは好かれるカッコをしてきますので。

周りの人たちが眉をひそめて笑う、そんなことのないように。

さようなら、ではその時まで。


確かに、自由だった。


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