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自分は誰にもなれないけれど、誰も自分にはなれないだろう

作者: ぱるち

自分の必要性を見出せない人

日常に飽き飽きしてる人への何かしらのヒントになりますように。

海斗は悩んでいた。


特にこれと言って何もない日常に。

特にこれと言ってなにかが得意なわけでも好きなわけでもない。


母と父はすっごく仲が良いわけではないが、話はするしたまに旅行に出かけたりもする。


姉もいて、姉は優しくておっとりしている。兄弟仲はそう悪くはない。


だからこそ、海斗は悩んでいた。


自分は本当はいなくても良いんじゃないかって。


母は自分が修学旅行に行って帰ってきたときに

「もう帰ってきたの?!」と言っていた。


父はある日

「海斗姉のように勉強しなさい。

〇〇高校に行きなさい」と言った。


姉は

「海斗っていてもいなくても静かだからわかんない」と言った。


自分がいる意味を見出せなかった。



 ある日ふとカップルの動画を見ていた。

好きな歌の後に自動再生されたものだったから、特に気にせず、ただ“羨ましい”とそう思いながら見ていた。


 自分を好いてくれて必要としてくれる人がいたらどんなに毎日が楽しくなるだろうか。


そう思って、そこにいた彼氏さんを自分と置き換えてみた。


でも想像できない。

当たり前だろう。今さっき初めて見た人の代わりなんて自分ができるわけがない。


…でもこの人も自分の代わりはできないだろう。


 一時期あまりにも姉と自分を親が比較するものだから、いっそ姉になりたい。と強く願ったことがある。

そうしたら比較されないのに。と。


でも自分は姉のようにゲームで敵を倒すことはできないだろう。そもそもゲーム機の使い方すら知らない。


同様に姉は自分にはなれないだろう。

姉は自分のように金管楽器を吹くことはできないのだから。


そこで海斗は“そうか”と頷いた。


自分が他の誰にで見なれないように、他の人も自分の代わりにはなれない。きっとどこか違うところがある。一番身近な姉ですらそうなのだから。


自分は自分だから自由に思った事をやれる。

もちろん、やり過ぎて怒られることもある。

でもそれは、自分の母や自分の父が自分の事を心配してくれているが故だ。


 数日後、海斗は姉に聞いてみた。


「姉ちゃん、もし俺がいなかったらどうする?

俺が今とは違う性格とかだったら。」


すると姉はおかしそうに笑った。

そのあとすぐに優しい笑みを浮かべて

「海斗が海斗だからこうやって仲良くできてると思うよ。めっちゃ自己中とかだったら嫌だなぁ…」

と答えてくれた。


どうやら俺は俺でいいらしい。


自分の代わりには誰も、絶対に誰もなれないのだから。


そう考えれるようになってから、海斗は日々の中に少し、ちょっとした楽しみを見つけることができた。


学校帰りに海斗はこっそり自分のお小遣いで

“パキラ”という植物を買った。

そしてそれをこっそり窓際に置いた。


毎日毎日ちゃんと水をあげることが最近の日課になりつつある。


これもまた海斗が海斗だからできることなのかもしれない。

わかりづらいところなどがあったら教えてください!(>_<)

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