俺の恋愛模様だ!お前ら見ろ!
誤字報告をいただきました!ありがとうございます!最終確認をしていたのですが何ヶ所もあったみたいです。今後はさらに抜かりのないように気おつけます!
よう!俺の名はガラネル・アランだ!16歳だ!貧しい貴族の一人息子だ!貧しいと言っても貴族ということに私は誇りを持っている。さて、突然だが俺にはかれこれ10年恋をしている想い人がいる!幼き頃に婚約を約束したハープネス・ローラという女だ。だがつい先週、言われたのだ。
「私とアランが婚約者っていう話なしにして欲しい。私の勝手でごめん」
思い出すだけで悲しいしなんかよく分からんが胸が痛い!とりあえずだ、俺はもう一度振り向かせてやる!そう決めたのだ!
「と言っても、どうしたらいい?将来の部下兼親友のラブユよ」
食堂で食事を終えて部屋に戻る途中、思わず問いかける。
「僕ってそんな立場だったの!?とりあえず何があったか教えてくれると助かるのだが」
こいつはダーリン・ラブユ。俺の部下兼親友だ。なんだかんだ言って面倒見が良く、中等学園の時からの付き合いだ。
「もし自分に婚約者がいたとして、そいつに婚約の件はなしにしてくれと言われたらどうする?」
「あー、なんか察しがついてきたような気がするよ。んーと、僕ならまず事情を聞くかな」
事情を聞くか。たしかに事情は聞いていなかった。さすが部下兼親友だ。困った時のラブユだな!
「って部屋過ぎてるよー?」
「ちょっとまってくれ。今考え事をしデベチャッ」
何かにぶつかり思わず尻もちを着く。顔を上げるとドアが開いており、その隣に長いピンク色の髪にこれでもかってほど整った少女が立っている。ローズだ。
「あ、ちょうど良かったじゃん!ローズさんアランが話があるんだって」
ピンク色の瞳を見つめる。だが彼女は視線を逸らすと後ろに振り返り走り出してしまう。
「あっ、ちょっと待て!」
なんとか腕を掴み、逃げられる前に確保する。
「は、離して」
ローズは俯きながら弱々しくつぶやく。
「話がある。俺の部屋、すぐそこだから来てほしい」
俯いたままの彼女をまっすぐと見つめ、返事を待つ。だが返事をしたのはローズではなく……
「すまない。ローズちゃんは私の婚約者なんだ。体に傷を付けてもらっちゃ困る。その汚らしい手を離してくれないか?」
気がつくと彼女の腕を握る手に力が籠っていた。すぐさま手を離すとそこには跡が残ってしまっていた。
「ローズ、ごめん。すまないが俺は彼女と話がしたいんだ。婚約者だがなんだか知らんが……婚約者?」
ふと、おかしなことに気づく。こいつが婚約者?どこかの成金クソ野郎が?
「あぁそうだ。ご挨拶しよう。リブル・アリソンだ。親はリブル区の」
「そんなことは聞いていない。ローズ、これは本当なのか?」
そう問いただすと小さく頷いている。だがその顔は晴れていない。ローズの意思では無いように伺える。いわゆる事情とやらが関係しているのだろう。
「デブル・ダヨンとか言ったか?お前に決闘を申し込む」
「ーーリブル・アリソンだ!!」
決闘。それはこの国にとってもこの学園にとっても重い意味を持つ。
「俺が勝ったらローズは俺の女だ!負けたら俺の人生くれてやろう」
ローズなしで俺の人生はない。ローズが居ないなら俺の人生はどうなってもいい。
「ふむ、いいだろう。私が勝てばお前は馬車馬の如く働かせるか国外追放して一生ローズちゃんは私のものに」
思わず胸ぐらを掴む。壁に相手の背をぶつけ睨みつける。
「ローズはものじゃない!ふざけんなよ!!」
頭に血が上る。どうにかなってしまいそうだ。
「離してくれたまえ!決闘をすると決めたんだ。ここで争う義理はないだろう。明日の午後一時、第一決闘場で会おう。行っていいよローズちゃん」
全身に込めていた力が抜け、脱力感に襲われる。だがそこで少しだけ振り返ったローズと目が合う。そのローズの目はどこか悲しげで……。
「ローズ!!どんな事情があるかは知らないが俺は十年も恋をしてるんだ!生半可な気持ちじゃないからな!!」
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親が婚約者を決めたと言った時、私はとても反対しました。私の中で婚約者は決まっていました。親も婚約とかの話はしなかったのでアランと話をしていつか親に言おうと思っていました。だけども決まってしまったこと。それを投げ出すということは自分の家名に傷をつけるということです。王族であるハープネス家はそんなことは許されません。許されるわけがないのです。
「どうしたんだい?ローズちゃん」
ぞわっとします。アリソンさんと私は並んでソファに座っているのですが、だからと言って耳元で話しかけるのはやめてほしいです。でもこれがアランだったらって思うといいなって思ってしまいます。もう16にもなるのにどこか子供っぽくて、服は汚してばかりで、体には傷ばっかつくって、それなのに紳士的で優しくて信念は真っ直ぐしている男の子です。彼は人気者で女子にはよくモテます。この前もラブレターをもらっていて、それを見る度にちょっと妬いたりしちゃってます。ごめんなさい。でも私にはもう叶わない話なのです。幼い頃に交わした婚約を断ってしまいましたから。
「すみません、体調が優れないので部屋に戻ってもよろしいでしょうか?」
「ちっ、ならば早く行け」
こういう所が嫌です。これが一生続くのでしょうか?耐えられる気がしません。また今夜も枕を涙で濡らしてしまいそうです。そんな時です。彼と出会ってしまいました。
「話がある。俺の部屋、すぐそこだから来てほしい」
部屋がそこにあるのは知ってます。今度、こっそり遊びに行こうと思ってたから。でも私は今、彼に合わせる顔が無い。
「ローズ、ごめん。ーーーー。」
その言葉が頭に残る。謝られたのは腕を強く握ったせいで跡が残ってしまっているからだ。だが、今となってはこれが心地よくも感じてしまう。そんななかで彼は言いました。決闘を申し込むと。その声や言い方は紳士的だけでなく大人な彼でした。初めて見た彼の一面です。でもそのあとすぐに感情的になってしまいましたが。やっぱりまだまだ子供でした。でも私のために感情的になってくれたって思うと胸が痛いです。
「ローズはものじゃない!ふざけんなよ!!」
彼は私が言いたいことを全部言ってくれます。それだけで嬉しいのです。そんな彼は私の背中に向かって言いました。
「ローズ!!どんな事情があるかは知らないが、俺は十年も恋をしてるんだ!生半可な気持ちじゃないからな!!」
私は十一年も恋をしているって言ったらどんな顔をするんでしょうか。こんなときなのに想像しちゃって笑みがこぼれてしまいます。しかし想像はあくまでも妄想です。彼はちっちゃい頃、蚊すら殺せない優しい人だから。だからこそ私のために剣なんか震えるような人じゃない。
(明日はせめてアランが怪我しませんように)
そう祈りながらその場を去るのでした。
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さて、どうしたものか。部屋に戻ってから一時間が経った。さすがに一時間も経つと冷静さを取り戻していた。
「おーい、上司兼親友!大丈夫かー」
ノックもせずに入ってきたのはダーリン・ラブユ。
「変な名前だ」
「心の声漏れてるよってそんなことじゃなくて作戦はあるのか?あと木剣ってどのくらい握ってた?」
「作戦はない。木剣は授業とちっちゃい頃に教養でやってたが傷つけるのは嫌だし剣を使った護身技しか授業の話は聞いてないぞ。あ、ちっちゃい頃のやつ期待しても無駄だぞ!一回やってから嫌だって気づいて、あとは全部逃げ回ったからな!」
そう言って笑い飛ばしてやるがラブユは「はぁ」とため息をついて呆れた様子だ。
「俺の予想通りで良かったよ!!とりあえず第四決闘場借りられたからそこで今から特訓だ!」
それからラブユが相手となり何度も練習を重ねる。ラブユは教養で割と本格的にやっていたらしく、素人目から見ても中々のものだった。だがしかしそこはアランの才能だろうか、本能で振るっていたアランは負けず劣らずで中々の上出来だとラブユが言っていた。俺ともなれば当然の事だ。その中でも授業で習った、剣を使った護身技は割と役に立ち、アランの武器ともなっていた。そしてそれとは別にラブユから教えてもらったことがある。相手のアリソンについてだ。アランと同じく、教養で本格的にやっており、剣の大会でやり合ったこともあるらしくなかなかのものだと言っていた。そんなどうにもならない情報を手に入れつつ、夜はぐっすりと眠り、気づけば本番前となっていた。
「ーーふぅ」
一つ呼吸をして落ち着きを促す。使うのは鉄の鞘に収められた個人用の木剣である。これは学園に入る時、授業で使うためと配られたものである。それを腰に鞘ごと収めると会場に向かって歩き出し、スタジアムに出る。
「アランさまぁぁぁぁぁぁ!」
「アラン負けんじゃねぇぞぉ!」
「アランさまがんばってくださぁぁい!!」
「アランのくそいちずぅぅぅ!」
「リア充しねぇぇぇぇぇ!」
「アランさまふぁいとです!!!」
いやおい待て悪口言ったやつぶっとばす。それとは別に何だこの観客は。
ーー空いている席がないほどに人がいるのだ。
「アランどうやらみんなこの決闘のこと知ってたみたいだー!」
そう叫ぶラブユの言葉を聞いて納得する。それでもこの盛り上がりは嫌な感じがしない。むしろ、ふつふつとやる気がより湧いてきている。そして視線を正面に戻し、目を凝らすとそこにはローズの姿がある。
「ローズ!お前を救いに来た!ただそれだけだ!」
今日だけは人を助けるために剣を振るうことを許して欲しい。
「随分な事だ。哀れなお前の姿をこんなにも見に来てるなんてなぁ」
遅れてやってきたアリソンは悪役みたいなセリフを付け加える。
「ブー」
「ブー」
「ブー」
「なんでお前みたいなやつがぁ」
「ローズさんと羨ましいぞぉ」
「ブー」
うん一部のやつらもっと言っていいぞ。
ーーアランの登場の時と違い、ブーイングの荒らしが沸き起こる。
「随分嫌われてるんだな」
「こいつらが私の良さを知らないだけだ」
言葉を交わしお互い見つめ合う。そして最後にやってきた審判員が二人の間に立つ。それを合図にお互いが木剣を抜くはずだった。ーー会場がざわめく。そしてどこからか批難の声が上がり始める。
「おいっ!鉄剣なんて卑怯だぞ!」
「ちょっと審判!」
「どーゆーことなの!?」
審判の方を見ると顔を歪めている。なるほど、買収されている。
「なにか文句でも?」
「いーや、男の勝負だ。望むところだ」
それだけ言うと審判が構えの姿勢をとる。そして……。
「始めっ!」
合図が上がったと共にお互いが一歩踏み込み仕掛ける。だが勢いよく振り降ろされたアランの木剣に対しちょっと驚きを見せるがそのままアランの木剣をアリソンが弾き返す。木と鉄じゃやはり重みが違う。
「あまり剣を握らないと聞いたが?」
「友と運命と才能さ」
かっこよく言ったが友はラブユ、運命は授業、才能はそのまま俺の才能のことだ。
アランの渾身の第一打を弾き返えされたことはかなり精神的にきている。だがその戸惑いに牙を向くように斜め下から豪快に切り上げてくる。それを打ち返しはせずにギリギリのところでバックステップを取り、躱す。だが相手はその勢いを殺さずに蝶のように身を回転させる。さらに勢いをつけた横のなぎ払いが迫ってくる。それを木剣で受け止め、痺れがやってくる。それを苦痛に思っている暇はない。相手は受け止められ軽く弾けた勢いを使い、逆に身をひねり返し再び剣技を繰り出してくる。隙の無い剣技に活路を見いだせず、アランは防戦一方となって追い込まれていく。それだけではなくどんどんと壁に追い込まる。次第には切り傷を負いはじめていく。最初は浅かった傷が次第に増えていき、深い切り傷に変わっていく。この剣戟は誰がどう見てもアリソンの優勢だった。むしろこれを剣戟と呼べるのか悩むほどだ。ついには相手の剣技が止む頃、アランは壁に背を預け座っていた。
「どうした、降参か?」
木剣は真っ二つに折れていた。切られた部分は見事に綺麗だった。
「所詮こんなものか」
言葉は耳に入ってくるが返す気力がない。天を見上げるように顔を上げる。そこにはローズの顔が見える。いつの間にかローズがいた席の方まで追い込まれていたようだ。だがその痛々しい姿に苦痛でも感じたのか、ローズは眉を顰め顔を逸らす。
「ローズさん、顔を逸らしちゃいけないよ。アランは君のために戦っているんだ」
いつの間にかラブユがローズの隣に移動してきていた。移動してきただけでなく何かを抱き抱えている。だが視界はゆらりゆらりとしており、焦点が定まらない。
「すぅぅぅぅぅぅぅ、アラン!!!まだ諦めちゃいないだろ!立てよ!!好きな女の前で座ってんじゃない!!!」
怒号が聞こえてくる。一体なんなんだ。お前には分からないくせに。ーー十年も好きだった女に、婚約を誓いあった女に見捨てられる悲しさ。好きな女に別の婚約者がいるとわかった時の悔しさ。それでもまだ俺が入り込めるとわかった時の嬉しさ。そして今、目の前の状況の絶望さ。ふざけるな。嬉しいことなんて四分の一だ。辛いことや悲しいことの方が多いじゃないか。なら、もう諦めるのもありなのではないか。十年も恋した女を追うのはもう止めーー
「ア、ラ、ン!」
誰かが声を上げた。俺の名を呼ぶ声を上げた。
『ア、ラ、ン!』
誰かの声が重なった。俺の心を震わせた。
『『ア、ラ、ン!!』』
誰かの声は重なるだけにとどまらずスタジアム全体に広がって行った。その声達は俺の心をこれでもかと震わせている。
『『ア、ラ、ン!!!』』
「ーーーーアラン!立って!!立ちあがれバカアラン!!!」
ローズが叫んだ。
好きな女が叫んだ。
ここで戦わずしてどうする。
俺は貧しい貴族の一人息子。
それでも貴族の誇りを持っている。
名はガラネル・アラン。
「ローズを救う男だ!!」
そう言って勢いよく立ち上がった。
「アラン!これを使ってくれ!」
そう言いながらラブユが抱えていた物を落としてくる。ーーそれは見事な鞘に収まった一つの剣。その剣を持ち上げる。木剣と圧倒的に重みが違う。それだけでこれがなんなのかが分かった。良い部下兼親友を持ったものだ。
剣をーー鉄剣を鞘から抜き出す。
「ま、まってくれよ。それは危ないんじゃ……ないか」
「俺はお前が鉄剣を使っても、審判が買収されていても文句は言ってないぞ!」
鉄剣を構える。ずっしりとしているが妙にしっくりくるものだ。
「ちっ、舐めるなよ!」
同時に一歩踏み出す。アリソンは先程と同じ豪快な振り上げ。対するこちらは単純明快、力任せの振り下ろし。
『カキンッ』
木剣ではならない音が会場に鳴り響く。そして弾かれたアリソンは鉄剣に持ってかれ、後ろに何歩か下がったあとに思わずしりもちをつく。それを好機と見たアランは間を詰めながらなぎ払いを放つ。立ち上がったばかりのアリソンは防御を余儀なくされるがその防御さえ簡単に弾かれる。再びアリソンは後ろに後退していくこととなる。だがしりもちはつかなかったのが功を制し、次のアランの攻撃を受け流すと攻撃へと転じる。
ーー戦いは先程と違い、剣戟とはまさしくこのことという程にまで凄いものになっていた。アランとアリソン。どちらも一歩も引かない中、アランが言い放つ。
「所詮こんなものか」
余裕の笑みか、はたまた最後の言葉と決めたか。口元を綻ばせながら誰かのセリフを真似る。それに対して激怒した様子のアリソン。
「舐めるなよッ!」
鍔迫り合いになる。武器は同等。経験値の差は歴然だが、それを友と運命と才能で埋めてきたアラン。ここまで来ると、どちらが勝つかは誰にも分からない。この鍔迫り合いにお互い魂を込める。言葉はもう、交わさない。
「アランお願い、勝って!!!」
唾を飲み込むような戦いに静まり返る会場に、一人の少女の声が響く。それを聞いた少年は一歩、踏み出す。その様子を見た少年はプライドを頼りに一歩踏み出し返す。だが、そんな鍔迫り合いを制したのはアランだった。
「ッ!!!」
弾かれたアリソンは体ごと後退への道へ持ってかれる。そこへ剣技を繰り出すアラン。
ーー単純明快、力任せの振り下ろし。
咄嗟の判断による行動か、生命本能による行動か。足が浮き地面にどこも接していない、空中でのままならない体勢でアランの攻撃を剣で受ける選択をとる。だがアランの剣は止まらない。その剣を真っ二つに切りさいていく。ちょうどそのころ、地面に背をついたアリソンに対し、剣先が首に当たる寸前で動きを止める。
「ヒ、ヒィ!!」
怖気づきながらも再び立ち上がろうとするアリソンの首にピタリと剣先を触れさせる。少しの血が流れる。
「わ、分かった!降参だ!やめてくれぇぇ!!」
「ーーーーガ、ガラネル・アランの勝利!!」
勝利という言葉が出た瞬間、会場に歓声が飛び交う。これでもかという程に湧き上がった観客たちはついに観客席を飛び越え、アランの元へ駆けつけ胴上げを始める。
『『ア、ラ、ン!』』
『『ア、ラ、ン!!』』
『『ア、ラ、ン!!!』』
いい気分だ。だがこれは通過点までにしか過ぎない。未だに観客席に取り残され、呆然とした一人のお姫様に用があるのだ。それを悟ったのか、胴上げから降ろされ辺りが静まり返る。静寂の中、ローズのすぐ近くへと行く。
「ローズ」
近くに来たアランに対し、観客席の手すりに身を預ける。
「その、あの……だな、なんていうか、約束通りに勝ったからだな、その」
言葉が詰まる。今すぐにでも泣き出したいぐらいだ。それを茶化すように静かだった観客達が声を上げる。
「アラン様ー!」
「アランらしくねぇぞー!」
「しゃきっとしろー!」
「ほらほらどーしたー!」
「ローズさんは俺のものだー!」
「アラン様ぁ!!」
「ふっ」
「ふふふ」
思わず、俺もローズも笑みがこぼれてしまう。そして再び、顔を見合わせる。
「ローズ」
「はい」
「好きだ。十年もお前に恋をしているんだ」
「はい」
「俺ならローズを幸せに出来る。俺と結婚してください」
「はい、喜んで」
その瞬間ローズの目から涙が溢れる。それを見た俺も涙を零してしまう。みんなの前では我慢しようとしていたのに。ーーローズを観客席から降ろし、抱きしめ合う。
「その、まだ俺の方が結婚出来る年じゃないしもうちょっと待ってもらうことになるからさ、今はお付き合いって形になるけども」
「うん、分かってる。それでも私はいいの」
そう言いキスを交わす。大胆にも皆の前で。「ヒュー」と謎の歓声があがるも気づかない。今の2人にはお互いしか見えていないのだ。
「実はさ、私は11年もアランに恋しています」
「ーーーーえ?」
間抜けな顔を晒したアランはローズだけでなく、皆に笑われることとなったのだった。
最後に読んでいただきありがとうございました!!いつもより熱が入り、つい長くなってしまいました。思いつきなのでクオリティはーーはい。しかし恋愛ものはいいですね。羨ましくなります。本当に羨ましい限りです。それが小説のいい所なのですが。さて、そんな話は置いといて、改めてお礼をさせてください。最後まで読んでいただきありがとうございました!厚かましくなってしまいますが良ければ下の評価を押してくださるとモチベーションになりますのでどうかお願いします!他の作品にも目を通していただけると幸いです!では、またどこかでご縁がありましたらその時はお願いします!!