僕は誰のもの?
――――――
「それで俺たちはいつまで見せつけられていれば良いんだ?」
二人の時間を楽しんでいた僕たちに対し、ユウの冷たい言葉が突き刺さった。
「……じゃあ逆に聞くけど何でいるんだよ? 邪魔しないでよ」
僕はまるでリスのように頬を膨らませた後、ユウの腕に噛み付いた。
「うわっ!? 噛みつくなよ! って言うかそれはこっち台詞だー!」
ユウは慌てて僕を引き剥がすと腕を確認した。
「あーいいなー私もルイに噛みつかれたーい」
楓ちゃんはと言うと、僕にあの話をしてから遠慮してくる事が少なくなって来た気がする。
「こらっ! ダメよ。瑠衣は私のものなんだから」
今にも襲いかかって来そうな楓ちゃんを皐月さんは慌てて止めていた。
「……皐月さんのものか……いい響きだ……」
普通であればいい言葉ではないような気がするが、僕の為に皐月さんがそう言ってくれた事に対して僕はあ何とも言えない感慨深さを感じていた。
「全く……これじゃあただのクラブ活動じゃないですか……良いんですか? 能登先生?」
僕たちの様子を見ながら、大きな溜息を吐くと九重先輩は能登先生に視線を向けた。
「……ん? あぁ……何だって? すまない聞いてなかった」
能登先生はと言うと、珍しく何やら作業をしていたようで集中していた様子だった。
「あ……大丈夫です……何か邪魔をしてすみません……」
九重先輩は直ぐに状況を察すると、諦めて再度溜息を吐いた。
「さてと……おふざけはこのくらいにして……バレンタイン何てどうですかね? 割と盛り上がると思うんですけど……」
僕は皐月さんと戯れながらも案を考えていたので、案の一つであるバレンタインをベースにしたイベントを提案した。
「……瑠衣……いつの間に考えていたのよ……全くそんな素振りを見せなかったじゃない……」
皐月さんは僕が案を考えているとは思っていなかったらしく、心底驚いた表情をしていた。
「まぁまぁそんな事はどうで良いじゃないですか……やりましょうよバレンタイン」
僕はそう言いながら半ば強引に、二月のイベントをバレンタインをベースにした催しに決めた。




