袋の中身は……
――――――
「結局食べられないんじゃないの……どうするのそれ?」
皐月さんの言いつけも聞かずに、さっき挙げた全ての粉物を買って来た僕はその多さに絶望していた。
「……これ買おうなんて言ったの誰ですか……ありえないんですけど……」
僕は完全に現実逃避をして首を振っていた。
「……流石にそれは苦しいんじゃないかしら、瑠衣」
僕が完全に現実逃避をしていると皐月さんは呆れたようにそう言って来た。
「……うぐぅ……」
僕は皐月さんにそう言われ、ぐうの音もです項垂れる事しか出来なかった。
「まぁ、それが瑠衣らしいと言えば瑠衣らしいんだけどね……」
皐月さんは呆れながらも、微笑みながらそう言って来た。
「そうですね……ユウにでも押し付ける事にしますか……しょうがないしょうがない……」
僕は気持ちを一気に切り替えると、そう言って沢山の粉物を袋に詰めながらそう言った。
「……出来れば見なかった事にしたいのだけど……聞いても良いかしら?」
皐月さん僕の行動を見ながら、恐る恐ると言った感じで僕にそう言って来た。
「……ん? どうしたんですか皐月さん?」
僕はギュウギュウになった袋を振り回しながら、皐月さんにそう返した。
「……いや……何でもないわ……気にしないで……」
皐月さんは僕を見ながら身震いをすると、首を振りながらそう言って来た。
「うーん? そうですか……早く来ないかなーユウ」
僕は首を傾げながら、皐月さんにそう返すとニヤニヤしながら袋を振り回していた。
「……標的が私じゃなくて本当に良かったわ……剣持君には申し訳ないけど犠牲になってもらいましょうか……」
皐月さんは何やら安堵しているようで、ほっとした表情をしながらそんな事を言っていた。
「うーん? 皐月さんもしかしてこれ食べたかったんですか? それならそう言ってくれれば良いのに……」
僕は何やらしきりに僕の持っている袋の方に視線を向けて来たので僕は袋を差し出しながらそう言った。
「い、いやお腹が空いていないから遠慮しておくわ……」
皐月さんは急に慌てて後ずさると必要以上に首をブンブンと横に振った。
「……そうですか……それは残念です。やっぱりユウに食べてもらう事にします」
僕は少し残念だったが無理をしてまで食べさせる理由は無かったので、約束の時間まで大人しく待つ事にした。




