何もやりたくない病
生徒会のみんなが誕生日会を開いてくれたから一週間ほどが経ち、今日は年の瀬。大晦日の日となっていた。
「うあー何もやる気が起きないー」
年末ということもあってか、何もやりたくない病が発症していた僕はゴロゴロと横になりながら唸っていた。
「……瑠衣。だらしがないからそういうのは辞めなさい」
僕のそんな姿を見て、呆れたような表情で皐月さんはそう言って来た。
「だってーだってー」
僕は尚、駄々をこねる子供のようにその場で床を叩いた。
「はぁ……全く困ったものね瑠衣は……折角私の部屋に来たと言うのにそれじゃ何の意味も無いじゃない……」
皐月さんは大きな溜息を吐くと、僕の隣に座った。
「んー? 皐月さんどうかしたんですかー?」
僕は皐月さんの言っている意味がよく分からず首を動かしてそのまま皐月さんの膝に収まった。
「……うーん。まぁ、これでも良いか……」
皐月さんは一人で納得してしまったようで、そう言いながら僕の頭を撫でてくれた。
「ははっ……くすぐったいですよー」
僕は急に頭を撫でられて少しだけ驚いてしまい、皐月さんの膝の上で暴れる事になってしまった。
「ちょっと瑠衣? そんなに暴れないでよ……」
皐月さんは顔を真っ赤に染めながら、慌ててそう言って来た。
「良いじゃないですかーどうせ誰も見てないですからー」
僕はそう言いながら起き上がると、皐月さんに覆いかぶさるようにキスをした。
「……んっ!」
急にキスをされた皐月さんはかなり驚いているようで、目をぱちくりさせていた。
「ふふっ……そんな表情の皐月さんも可愛いですね……逃がしませんよ?」
僕はそう言いながら皐月さんの顔をまるで犬のようにペロペロと舐め始めた。
「きゃ……そっそこは……ダメ!」
皐月さんは僕にされるがままになっていた。
「あ……」
僕は皐月さんに夢中になっていたせいで、部屋に皐月さんのお母さんが入って来ていた事に気が付かなかった。
「……」
皐月さんのお母さんは僕の方に視線を向けると、ニヤニヤとした表情をした後、お盆に乗ったお菓子と飲み物をそっとテーブルに置いて部屋から出て行ってしまった。
「……あははは……」
僕は苦笑いをする事しか出来ず、その後しばらくの間皐月さんに説教をされる事になったのは言うまでも無い。




