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後輩(ぼく)と先輩(かのじょ)の恋物語  作者: 白城縁
十二月 クリスマス
70/126

デートのお誘い

――――――


「ところで貴方たちは一体何をしているのかしら?」

 案の定、僕を迎えに来てくれた皐月さんに第一声でそう言われる事になった。

「うーん? あれっ? 何をしてたんだっけ?」

 僕は皐月さんの声が掛けられ、まるで今正気に戻ったかのようにそう言った。

「私に言われても困るわよ……でもまぁ、丁度良かったわ。貴方たちにも用事があったのよ」

 呆れたように僕にそう言った後、ゆうと楓ちゃんに視線を向けた。

「?」

「?」

 皐月さんから用事だなんて生徒会の仕事以外では聞いた事が無かったので二人は不思議そうな表情をしている。

「実は……の……日が……らしいの。一緒に……くれないかしら?」

 皐月さんは二人の耳元でしかも小声で要件を伝えたせいで、僕の耳にはほとんど届かなかった。

「むー三人で内緒話なんてズルいですよ! 僕も混ぜて下さい!」

 急に仲間外れにされた僕は、頬を風船のように大きく膨らませながら三人に向かってそう言った。

「分りました。それじゃあ俺たちはお暇することにするぜ? まぁ、そんなにいじけなくても明日になれば分かるから楽しみにしておけ」

「了解です会長。じゃあ、また明日ね? ルイ」

 二人はニコニコしながらそう言うと、手を振りながら教室から出て行ってしまった。

「……むー一体二人に何の話をしたんですか?」

 僕はそう言いながら、皐月さんに白状させるためにじわりじわりと近付いて行った。

「ふふっ……剣持君も言ってた通り、明日になれば分かるわよ。それよりも瑠衣。帰りに買い物でもしに行かない? 最近は忙しくてろくにデートも出来てなかったし。どう?」

 皐月さんからのデートのお誘いの言葉で僕の頭の中は一気に晴れ渡ってしまった。

「!? 皐月さんとデート? 行きます行きます! 行かないって言ってももう遅いですからね?」

 僕はそう言いながら皐月さんの手を引くと引っ張った。

「もう、そんなに焦らなくても時間は沢山あるわよ」

 皐月さんにまるで子供をあやすようにそう言われ、少しだけ歩くスピードを落としたが、やっぱり楽しみ過ぎて普段よりは少し駆け足で

教室を飛び出す事になった。

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