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後輩(ぼく)と先輩(かのじょ)の恋物語  作者: 白城縁
十二月 クリスマス
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合法的に抱きつく方法

 紅葉狩りから二週間ほど経ち、外はすっかり寂しくなっていた。

「それにしても今年は雪全然降りませんね」

 僕は生徒会の書類整理をしながら、隣にいる皐月さんにそう声をかけた。

「確かにそうね……でも去年もこんな感じだった気がするし年末くらいには振るんじゃない?」

 皐月さんは特に気にした様子はなく、普通にそう返してきた。

「あれっ? あんまり興味ない感じですか?」

 僕はあまりにも素っ気のない感じだったので首を傾げながらそう訊いた。

「うーんそうね……正直あんまり冬は好きじゃないわね……」

 皐月さんは顎に手を当てながらそう言ってきた。

「そうですか……僕はどっちかと言うと冬の方が好きですけどね……」

 僕は少し残念そうにそう返した。

「あら? どうして? 冬は寒いだけじゃない……」

 皐月さんは少し意外に思ったようで驚いた表情をしていた。

「だって皐月さんとくっついていられるじゃないですか……」

 僕はそう言いながら皐月さんに抱きついていた。

「なるほど……そう言う事ね……って納得すると思った? 瑠衣の場合年がら年中抱きついてくるじゃない……」

 皐月さんは呆れたようにそう言いながらも僕の腰に手を回してくれた。

「あのーお二人の時間をお楽しみのところ悪いんですけど……これお土産です」

 僕たちがそんな風にいつも通りイチャイチャしていると恐る恐ると言った感じで九重先輩が声をかけてきた。

「九重先輩どっか旅行でも言ってきたんですか?」

 僕は皐月さんに抱きついたままで九重先輩にそう訊いた。

「それは凄くショックだな。確かにボクがキミたちと生徒会役員として過ごした時間は短いけれど、いるかどうかも気がつかなかったなんて……」

 九重先輩は半泣きの状態でそう言ってきた。

「あはは……冗談ですよ冗談。確かに一緒に居た時間は短いですが、僕は九重先輩の事仲間だと思ってますよ?」

 半泣きになっている九重先輩を見て、笑いながらそう言った。

「水野君……いや、瑠衣。ありがとう、ボク凄く嬉しいよ」

 そう言いながら九重先輩は後ろから抱きついてきた。

「失礼しまーす……ってこれ一体どう言う状況なんだ?」

 丁度良いのか悪いのか、このタイミングでユウと楓ちゃんが生徒会室へと入ってきた。

「僕にもよく分からないんだけど、楽しいから良いんじゃない?」

 僕はそう言いながらニコニコしていたが、皐月さんは終始頬を膨らませたままだった。

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