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後輩(ぼく)と先輩(かのじょ)の恋物語  作者: 白城縁
十一月 紅葉狩り
61/126

その身体の何処にそんなに入るのか

――――――


「もぐもぐ……美味しい……やっぱり来て正解だったよ……本当はユウちゃんと来る予定だったんだけどね。あの感じじゃ誘うに誘えないでしょ?」

 楓ちゃんはカフェに着くなり、当初の目的のジャンボパフェを注文して舌鼓を打っていた。

「もぐもぐ……確かにこれは美味しいね。今度は皐月さんの事を連れて来よっと……」

 僕も楓ちゃんと同じようにジャンボパフェを注文して、その美味しさに感動していた。

「さっきの店員さん……随分と……驚いた表情を……してたね。どう……してかな?」

 楓ちゃんは不思議そうな表情でそう言いながらも、食べるスピードは全く落ちていなかった。

「……確かに……どうして……だろうね……それに……さっきから……他のお客さん……からの視線も多い……気がするし」

 僕も同じように食べながら、楓ちゃんに言葉を返した。

「……ふぅ……美味しかった。これだけ美味しいともっと食べたくなるね?」

 楓ちゃんは僕より一足先に食べ終わって、僕の食べているパフェを見ながらそう言ってきた。

「食べる? 楓ちゃんが良ければだけど……」

 あまりにも僕の食べているパフェを熱い視線で見ていたので、僕は苦笑いをしながらそう言った。

「……良いの? やったー」

 楓ちゃんはそう言うや否や僕からパフェを受け取ると、あっという間に平らげてしまった。

「……凄いね楓ちゃん。流石の僕でもそんな早さじゃ食べられ無いよ……なるほどこの視線は楓ちゃんに対するものだったんだね」

 僕は楓ちゃんの食べるスピードに、周りのお客さんが驚いていると勝手に思い込んだ。

「うーん。別に普通だと思うんだけどなールイだって私とほとんど変わらないじゃん。ルイの分が来るのが遅かっただけだよー」

 確かに楓ちゃんの言う通り、先に一つしか運ばれて来なかったので、楓ちゃんに先に食べてもらっていたが、楓ちゃんの食べるスピードはそんな言葉で片付けられるような感じでは無かった。

「まぁ、それは良いとして……もしまだ食べ足りないようなら追加注文しても大丈夫だよ」

 僕はあれだけの量のパフェを平らげたと言うのに、満足しきっていない表情をしていた楓ちゃんにそう言った。

「本当に良いの? でも流石にジャンボパフェはあれだから……そうだな、このジャンボ餡蜜にするわ」

 少し申し訳無さそうな表情をしていたが、注文しようとしている品を見ている限り、遠慮はしていないようだった。

「はははっ……好きなだけ食べると良いよ」

 僕はそんな楓ちゃんが微笑ましく感じていた。

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