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一番の特効薬

――――――


「何をしているんだ、水野君。それに近藤君だったか? こんな所に何の用だ?」

 保健室に入ると珍しく能登先生がいた。

「俺の名前まだ覚えてなかったんですか……まぁそんな事より、こいつ見てやって

下さいよ。ちょっと振り回したでけでこんなんになっちゃって……」

 ユウは半ば諦めているようで、自分の事は気にせず僕の介護を頼んでくれた。

「おーどうしたそんなに気持ち悪そうにしてどーした? はーさてはあれだな、うんあれだな」

 そんな事を言いながら僕を放置して保健室から出て行こうとした。

「ちょっと待って下さいよー気持ち悪そうにしてるの見て出て行くとか、それでも保健医ですか? まぁ、普通に何かしてくれた方がびっくりしますけど……うっぷ」

 僕はいつも通りの能登先生にほっとしながらあまりの気持ちの悪さに、言い返す気にもなれなかった。

「まぁ待て、君にとっての一番の薬を持ってきやるからそこで大人しく待っていろ」

 そんな事を言いながら能登先生は本当に保健室から出て行ってしまった。

「本当に出て行っちゃたよ……あの人。仕方無い瑠衣そこのベットで休んどけよ。その内帰ってくるだろうし、俺たちは取り敢えず帰るわ」

 そう言いながらユウ達も保健室から出て行った。

 僕は気持ちが悪かったのもありすぐに、一番近くのベットへと横になった。最近寝不足だったという事もありウトウトし始めると、保健室のドアが開く音が聞こえた。

「瑠衣! 大丈夫? 能登先生に瑠衣が倒れたって聞いて走って来ちゃったんだけど……思ったよりも元気そうで安心したわ」

 能登先生が何の治療もせずに出て行ったのは皐月さんを連れて来るためだったんだらしい。

普段の僕ならそんな事くらい簡単に気が付けそうなものだが、それに気付けないくらい気分が悪かったらしい。

「あーそういうことだったんですか……ちぇーまたあの人に貸し作っちゃったよ。それもこれも全部あいつのせいだ、はぁ……先が思いやられるなぁ」

僕は皐月さんを見て安心したのか、さっきよりもかなり気分が良くなっていた。

「あらっ、なんの話? よく分からないけど大丈夫そうね。それなら私まだ仕事残っているから生徒会室に戻るわね?」

 皐月さんはそう言うと、ゆっくりと出口へと向かい歩き出した。

「あっ待って皐月さん!」

 僕は自分が調子悪くて寝ていた事も忘れ皐月さんを止めるためにベットから飛び出していた。

 もちろん皐月さんの顔を見たくらいで治る訳も無く僕は皐月さんを押し倒すような形で床へと倒れ込んだ。

「あっ……皐月さん……キスしても良いですよね? 答えは聞きませんけど、んっ……」

 僕は何かを言おうとした皐月さんの口を塞いだ。

「んっ……瑠衣、こんな所じゃダメよっ、んー」

 息継ぎで僕が皐月さんからほんの少し離れると、少し暴れ始めた。

「ダーメ、皐月は僕の物なんだから、ゆーことは絶対だよ? まだ分からないんですか?  ほら暴れないで。大人しくしないと余計恥ずかしい思いするよ」

 僕はそう言いながら皐月さんの耳たぶに噛み付いた。

「あっ、ダメーそこ弱いの、大人しくするからそれだけは勘弁して、お願い瑠衣」

 皐月さんは抵抗するのを諦めたのか、言葉通り大人しくなり僕に従った。

「よく分かってるじゃないですか……例え歳上だろうとそんな事は関係ない。僕の言うことは絶対です」

 僕はそう言うと皐月さんの唇に自分の唇を重ねた。

「……んっ……」

 その間、皐月さんは拒む事はせず僕にされるがままだった。

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