校内一周ツアー開催!?
「嫌ですよ、何でそんな事しなきゃいけないんですか? 僕は生徒会に戻ります、まだ仕事残ってますし……」
僕は少しずつ後退りしながらその場を離れようとしたがそれを許しては貰えなかった。
「ちょっと待てよ瑠衣。騎馬の上に乗っていれば良いだけだからさ、それに会長に良いところ見せるチャンスだぜ?」
後退って行くうちにいつの間にか後ろにいたユウに肩を掴まれていた。
「何でこんな所にユウとその他大勢がいるんだよ」
肩を掴まれてユウだと気付いた僕は振り向く事なく言葉を返した。
「何で俺以外に誰かいる事分かったんだ? 振り向いてねーのに本当可笑しな奴だな」
ユウは驚きながらも、半ば呆れているような口調でそう言った。
「あれっ……普通分からない? 誰が後ろに立っているとか……僕だけなのかな?」
僕も不思議そうな表情をしながらユウに言い返した。
「まぁ、何でも良いんだけどな。さぁ、練習練習。会長に良いところ見せる為にも頑張ろうぜ瑠衣」
ユウは僕の言葉なんてさして気にした様子は無く、半ば強引に僕の手を引っ張ってグラウンドの空いてる方に向かって歩き出した。
「ちょっ、勘弁してよー、絶対に参加なんてしないんだからねー」
僕はジタバタしながら文句を言ったがユウの力には敵うわけもなく、あれよあれよという間に僕はユウたちで構成された騎馬の上に乗せられていた。
「さぁ始めるぞ、瑠衣。お前は軽いだろーから俺たちが走り回って相手を撹乱する役目をしようと思ってる。お前は上に乗ってるだけだから楽チンだろ?」
体育倉庫前から部室棟へ向かい、体育館の前に辿り着いたかと思えば、更に勢いを増しグラウンドへと縦横無尽に駆け巡っていた。あまりのスピードに僕は気持ちが悪くなってしまった。
「うっぷす……きもじわるい……」
そんな動きに僕は耐えられるはずもなく、危うくユウ達の上で昼に食べた物を吐き出す所だった。
「おい、ちょっと待てよ瑠衣、頼むから俺達の上で吐かないでくれよ? すぐに保健室に連れてって待ってくれー」
僕が気持ち悪そうにしているに気付いたのか、ユウ達はスピード緩め方向を切り替えて、保健室に向かった。
 




