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まるで恋文でも貰ったかのような

――――――


 あの日は登録だけで、他の事は後日ということで能登先生の部屋から出ていくことになった。そして数日が経った今日、皐月先輩が直接僕の教室に訪ねてきた。

「おい瑠衣、何か外に生徒会長が来ているみたいだぞ? お前に用事があるんじゃねーの?」

 隣からユウの声が聞こえてくる。その声の後、廊下の方を確認するとそこには確かに僕を見ている皐月先輩がいた。

「ごめん、ちょっと行ってくるね」

 僕はユウに一言そう残すと皐月先輩のいる廊下へと少し駆け足で向かった。

「先輩どうかしたんですか?」

 僕が皐月先輩に近づいて声を掛けると、一瞬だけ目を見開いていつもの無表情に戻った。

「……」

 皐月先輩は無言のまま僕に紙を差し出してきた。その紙には今日の放課後生徒会室で生徒総会の為の会議があるからキミにも来てくれといった内容が直筆で書いてあった。僕に紙を渡し終わると皐月先輩は身を翻して自分の教室へと戻っていった。僕は只々皐月先輩の後ろ姿を見ている事しか出来なかった。その際いつも賑わっている廊下がとても静かになっていたのが印象に残ったが先輩から渡された紙が手紙というわけではないのに……まるで手紙でも貰ったかのように僕の胸の鼓動は早く脈打っていた為、気にしている余裕はなかった。その後チャイムが鳴った事にも気がつかず、先生に怒られたのは言うまでもない。

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