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痛恨のミス!?

――――――


 あの後屋上に放課後になるまでいて歌の練習をしていた。その事に関して担任やクラスメイトにこっ酷く叱られたのはもちろんの事だろう。まぁ、僕はそんな事を気にせず、担任やクラスメイトが準備をしている中、さっさと家に帰ったのも言うまでも無い。そんな昨日の出来事を思い出しながら僕はまた、翌日朝から屋上に来ていた。

「はぁー当日になっちゃったよ、どーしよー皐月さんにライブの事言ってないんだよなーうーん開会前に時間あるかなーうーん」

 僕は昨日の事を思い出した後、肝心な事を伝え忘れていた事に気付き大きな溜息を吐いた。

「あら早いのね、瑠衣。ところでなんでこんな所にいるの? まだ登校するには早いと思うのだけれど……」

 そんな事を考えていると丁度良いタイミングで皐月さんに声を掛けられた。

「皐月さんこそ早いですね。こんな時間にここに居るのは僕くらいだと思っていましたよ。あっそーだそんな事よりも聞いて欲しい事があったんですよ。すっかり忘れてたんですけど、僕ライブに出るんですよ……と言う事で必ず来てくださいよー約束ですよー」

 僕はそう言って、大きく背伸びをしてから屋上を後にした。後ろから皐月さんの声が聞こえていたが、取り敢えず気にせず自分の教室へと戻った。

 朝、皐月さんと屋上で話してからの数時間、最終チェックを兼ねて音楽室に篭ってCDを聴き返していた。そんな事をして気付くとホームルームの時間はとっくに過ぎ、開会の直前に迫っていた。

「あっやば……またホームルームサボっちゃったよ。あーあ流石に今日は怒られるかなー忙しかったろーに、はぁー」

 僕は誰に言う訳でもなくそう呟きながら文化祭の開会宣言が行われる体育館へと向かった。

「おい、瑠衣、何やってたんだよって……まぁ音楽室にでも居たんだろうけどさ。俺は特に気にしてねーけど、後でクラスの奴らに礼言っとけよ? お前の分の仕事まで終わらせてくれたんだからな。その代わりと言っちゃぁ何だけど、絶対成功させろよ? これは俺個人の意見じゃねーぞ。クラスの奴らからの伝言」

 体育館へ向かう途中で僕の姿を見つけたらしく、ユウは直ぐに駆け寄ってきてそう言ってきた。

 クラスの皆がそんな事を思っていたなんて全く知らなかったけど好き勝手していた自分に、そんな言葉を掛けてくれたクラスの皆に感謝の気持ちで一杯になった。

「そっか・・・皆がそんな事を思っていたとはね、借りが出来ちゃったな……いつか返すよ、この借りは。さぁ、いよいよ始まるよ? 文化祭。ユウ……張り切って行こう」

 僕達が体育館に向かいながらそんな事を話していると体育館では、既に皐月さんの開会宣言が終わり、生徒達が自分のクラスへと向かっていた。

「じゃ俺は生徒会に戻るぜ、今回は忙しいからな、じゃぁ頑張れよ瑠衣」

 ユウはそう言うと駆け足で僕の前から去っていった。

「僕もライブまであんまり時間が無いから、急いで合流しないと。それと準備も手伝わないと……」

 僕はそう呟きながら会場となる体育館に向かい再び歩き出した。

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