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七夕デート

――――――


 という事で、今日は一四日つまりは七夕そして皐月さんとデートの日という訳だ。何がという訳なのかは分からないけど、取りあえず七夕は滞りなく進行している。出店も出ていてちょっとしたお祭りのようになっている。その効果もあってか自由参加なのにも関わらず結構な数の生徒の姿が見える。これは大成功と言っても良いのではないだろうか。

「おい瑠衣……そんな所で何してんだ。会長が呼んでいるぞ」

 そんな事を考えていると隣からユウの声が聞こえてきた。

「あれっユウじゃんよくここが分かったね。隠れていたつもりだったんだけど、まぁそれはそれとして、やる事は殆んど終わってるんじゃなかったっけ?」

 そうなのだ、僕の担当していた仕事は既に片付けていたので疑問に思って訊いた。

「まぁ確かにそうだな。個人的な用事なんじゃないか? 俺は呼ばれてねーし」

 僕を個人的に呼んだという事はそういう事なんだろう。僕はユウに一言声を掛けた後物凄い勢いで生徒会室へ走った。


――――――


 生徒会室の扉に突撃する勢いで突っ込んでいった、というより、むしろ思いっきり扉に突っ込んでしまった。

「痛い……ぐすっ」

 僕は勢いよくぶつかった衝撃で顔面を強打した。

「どっどうした何事だ!?」

 物凄い音を立てながらぶつかったので、中から少し慌てながら能登先生が出てきた。

「っぐっうー」

 僕はまだ痛みが引かなかったので鼻を押さえながら蹲っていた。

「おい、瑠衣君大丈夫か、何があった?」

 能登先生は本当に心配してくれているようで僕の目線に立って言葉を掛けてくれた。

「ごめんなさい……心配掛けました。皐月さんに逢いたいが為に、勢い余って扉にぶつかっただけです」

 僕が鼻を押さえながらそう言うと、能登先生はあぁ成程といったような表情をして生徒会室へと戻っていった。

「瑠衣君、大丈夫? 物凄い勢いで突っ込んできたけど」

 能登先生と入れ替わるように皐月さんが声を掛けて来てくれた。

「皐月さーん、逢いたかったですよーお願いなんですけど痛いの痛いん飛んでけーってやて下さい」

 僕は甘えるような声を出しながら皐月さんにお願いをした。

「嫌です! と言いたい所だけど、私が原因でもある訳だし。はぁ仕方ないわね。痛いの痛いの飛んでけー」

 皐月さんはまるで子供に対してやるように僕にもやってくれた。

「えへへ、ありがとー皐月さん大好きです」

 僕は口元を緩めながら皐月さんに抱きついた。

「ちょっ瑠衣、やめなさいってここ学校よ?」

 皐月さんは特に嫌がる様子もなく軽く子供に注意するように僕に言った。

「学校じゃければ抱きついても良いんですね? やったー皐月さんに抱きつけるー」

 皐月さんが言った言葉の揚げ足を取るように少し意地悪するつもりで言葉を返した。

「ちょっそういうつもりで言ったんじゃないよ瑠衣、私は別に学校でも……」

 皐月さんは少し慌てたように言った。

「まぁ……良いですけど、そんな事よりも早くデート行きましょうよ、皐月さん!」

 僕は皐月さんに対して満面の笑みで言った

「そっそうね、もう時間もあまりないし行きましょうか。瑠衣」

 皐月さんは少し顔を赤くしながら僕に答えてくれた。

「最初どこに行きますか? やっぱりわたあめですか?」

 僕は皐月さんの腕にしがみつきながら少し興奮気味に言った。

「ちょっと瑠衣、それは貴方が食べたいからじゃないの?」

 皐月さんは少し恥ずかしそうに腕を気にしながら、ちょっと躍けて言ってきた。

「えへっバレましたー? んじゃレッツゴーですよ?」

 僕は皐月さんの腕を引っ張りながら屋台のある校庭へと向かって歩きだした。

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