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皐月先輩の為に……

――――――


「うっぐ……もぐもぐっと、でどーして僕は引っ張られている訳?」

 僕はクッキーをもぐもぐと食べながらユウに訊いた。

「それは会長が困ってんだから当たり前だろ? お前は手を貸さないつもりか?」

 ユウはさも当たり前のように僕に向かって訊いてきた。その様があまりにも似合っていた為、僕は笑った。

「そっかーでも僕には向かない作業だったからね。ユウに任せちゃえば良いと思ったんだけど、僕はどっちかってーと事務系の方が得意だからさ」

 ユウは少し意外そうな顔をしながら僕に

「意外だな会長の為なら何でもやりそうなのになお前は」

 そう、言ってきた。

「考えても見てよユウ。ユウが一人で笹を採りに行けば僕は皐月さんと二人で生徒会室でお茶出来るんだよ。何でそんな面倒な事しないといけないんだよ」

 僕がさも当たり前のようにユウにそう言うと、あぁ成程といった表情をしていた。

「さて笹を採りに行くか瑠衣。ここまで来て採らずに帰るわけにはいかないだろ」

 ユウは急に話題を切り替えて僕に言ってきた。

「そうだね、仕方ないここは役割分担をしよう。笹を選ぶのは僕。切るのはユウ、そして運ぶのもユウだ」

 僕はその場を仕切るようにユウに命令した。

「おう了解した。っておい完全に俺の方が仕事多いだろこれ」

 始めの方は僕の言葉に納得していたが直ぐに僕の方が明らかに仕事が少ない事に気付いたようだ。

「ちっ気付いたか……でも考えても見てよ。全員分の願い事を掛けられる笹を探すんだ、簡単な事ではないよね? だからこれは対等なんだよ」

 もう一度ユウを納得させるために口からでまかせを言った。

「そっそうなのか、笹の事は詳しくはないからな。分かった瑠衣が居なければ見つけるのに時間が掛かるかも知れないからな」

 ユウがそう言った瞬間、僕はユウに見えないようにニヤリと笑った。

「それなら探しに行こっか、おっきな笹を……」

 正直笹の事なんて全く知らなかったが何とかなる気がしてならなかった。まぁ実際に何とかなったのでそうとしか言えないのだが……

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