第1話 転生
ある土曜日の深夜、独りコンビニ弁当を手に家に向かっていた。
私、川口誠、38歳、独身。。
仕事は、プログラマー。
腕は良いと言われているが、その分仕事も多く回ってきてしまう。。
「ふぅ、土曜日まで仕事とは。。
でも、日曜日は絶対仕事しないぞ。
日曜日の朝は、あれを観ないとな。」
そう、私は、子供の頃から戦隊モノ、変身ライダーモノが大好きで
日曜日朝の放送は、欠かさず観てきたし、販売された「変身アイテム」は、
全て持っている。
まぁ、趣味っていえばそれまでだけど、本気で、「変身」やってみたいって
いつも思ってる。
「明日は、戦隊モノの最終回だから、見逃せない・・・」
なって思って、横断歩道を渡り始めたとき、光が全身を照らして、次の瞬間
私は、跳ね飛ばされていた。
アスファルトに叩きつけられた痛みは一瞬で消え、意識が薄れていく中で
思っていたのは、「最終回が・・・」
身体中の痛みで、目を覚ました。
ベッドの上なのか、天井が見えるが、見慣れない感じだ。。
あと、手足の感覚もオカシイ。
動かないって訳ではないが、何か変だ。
目の前に手をもってきてみると
「子供の手?」
身体を少し起こして、自分の身体を見てみると、
「子供だ。。」
4、5歳児くらいの子供の身体だった、
夢かと思ったが、感覚もあるし、何が起こっているのか理解出来ないままいると、
部屋のドアが開いて、メイドみたいな服の外国人の女性が入ってきた。
私を見るなり、
「旦那様、アルバート坊ちゃまが目を覚ましました!」
と、大きな声で部屋の外に叫んでいる。
すると、身なりの良い男性が入ってきて、
「アルバート、良かった目が覚めて。
大丈夫か?」
と聞いてきた。
さっきのメイドさんの言葉も、外国語っぽかったが、意味は理解出来た。
訳も分からず、黙っていると、
「アルバート、お前は雷に打たれて、1週間も眠ったままだったのだよ。」
身体中の痛みから、ベッドから出られたのは、それから3日後だったが、
その間で、少しずつ回りの状況が分かってきた。
今の私の名前、つまり、この身体の子の名前は、アルバート・マーシャルハイム、4歳。
目が覚めた時会った男性が父親で、バティアス・フォン・マーシャルハイムという貴族で
男爵だそうだが、私は、この男爵家の3男なのだそうだ。
それはそうと、
何となくだが、今、私は、どうやら以前とは違う世界に居るらしいと考えている。
今いるこの国は、レングストン王国というそうだが、そんな国聞いたことないし、
何より、一番の理由は、この世界に「魔法」が、存在するからだ。