表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

五章 異界の少女とニンゲン界を知り尽くした異界人

 しわがれた声に振り向くと、小柄の年寄りが部屋の前に立っていた。この年寄りは遊馬も、さくらも知っていた。


「校長!」

「え? お、長!」


 サミが驚いて、声をあげる。ハズも目を丸くした。それに続いて、遊馬もさくらも知り合いなの? と目を丸くする。


「サミ、ハズ。お久しぶりじゃのう」

「は、はい、長! 久しぶりです。元気でいらっしゃいましたか」

「長、なにゆえここに?」


 ハズが質問すると、長と呼ばれた校長は皺が寄った目を細めた。


「そうじゃのう。わしは、異界から人間界に来て、現在この学校の校長をやっておる」

「「コウチョウ?」」

「異界から来てって、校長って異界の人だったんですか!?」


 サミとハズは首をかしげ、遊馬は驚き、さくらは声を裏返して言った。


「いっぺんに来るとは。いやはや、質問に答えるのはめんどくさい」

「「ええええっ」」

「しかし、孫のようなサミの質問はいくらでも答えよう!」

「それ、ひいきですよ! 長!」

「ありがたき幸せです。長」


 校長は満足そうに頷いた。

 サミがぺこんと頭を下げる。そして、顔を上げ、にこりと営業スマイルのように笑った。


「それでは、失礼ながら、質問させて頂きます」

「うむ。何でも、来い!」

「あの、あたし達は、何故ここにたどり着いたのでしょう?」

「ふむ。それは、わしが計ったからじゃ」

「計った?」

「うむ。わしが、少しでも長く孫のように愛したサミと多くいるためじゃ。まあ、ハズは、サミのために一緒にしただけのおまけじゃ」

「お、おまけって」

「ちなみに、伊藤遊馬と下条さくらにであったのは、単なる偶然じゃ。まあ、これも、何かの縁じゃな」


 校長が「フォッフォッフォッ」と高らかに笑った。


「あの、長。それで、あたし達はどうすればいいのですか?」

「何を今更。もちろん、ここで生活じゃ!」

「ええっ! でも、俺らここの事何にも知らないよ!」

「うるさい! いいんじゃ。学校の手配はわしがする。後は、部屋割りなんじゃが……ちょうど足りんのじゃ……。よし、伊藤遊馬はサミと。ハズは下条さくらと共に暮らせ」

「「「ええええええええっ」」」


 校長が満足そうに頷くと、サミ以外は悲鳴を上げた。


「ちょっと、待ってください! 校長! いくらなんでも、僕とサミは男女です!」

「それが何か?」

「ここは、女子は女子同士。男子は男子同士の方がいいんじゃないんですか!」

「いや、それでは、上手く打ち解けられないじゃろう」

「はあ? 俺は、こんな男とは暮らしたくねー! だったら、俺とサミ。下条とあいつでいいだろう!」

「黙りなさい、ハズ」


 三人が口々に言うが、それも虚しく終わった。結局三人とも諦める。サミは一人で、その光景を見つめていた。

 しばらく、沈黙が続くと、校長は薄い紙を取り出し、サミとハズに渡した。


「これは、この学校で暮らすために必要な事じゃ。絶対に読むように。後、名前はサミとハズではなく、日本の名前にすること。長ではなく、校長と呼ぶこと。サミはある程度、ニンゲン界について知っておるから大丈夫じゃが、ハズ、しっかり勉強するように」


 校長はゆっくりと見渡すと、一人で頷き、四人の返事を待たずに部屋を出て行った。

 サミ達は、ただ黙るしかなかった。

ふー。テストが終わり、一安心です。。。

話がベタな方向ですみません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ