表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/12

八章 デス・パンプキンと名乗る少女とデス・パイロと名乗る男

 寒気のする声に振り返ると、黒いローブが宙に舞っていた。


「なっ……デス・パンプキン?」


 ハズが小さく呟く。サミは無表情で、黒いローブを睨みつけていた。


「デ、デス・パンプキンだって?」

「嘘……」


 遊馬もさくらも、黒いローブを見た。よく見ると、黒いローブから、サミのような真紅の瞳が光っているのが見える。


「……サミ=リュードュにハズ=ナイリーターか……かなり優秀な人材ではないか」

「……マクシン=リテルね」

「おっと、これはこれは、私を知っていたんですね。いやはや、嬉しいですな」

「てめえ、舐めてんのか!」


 マクシンが不気味に笑い、ハズは吼える。しかし、サミがハズを抑えた。


「マクシン、あんた、どうしてここに?」

「おや? 人間界に来てデス・パンプキンの宿命を忘れたのですか? もちろん、決まってますよ。そこのお嬢さんの魂をいただきに来たのです」


 マクシンはローブを取った。サミが小さく舌打ちをし、そのまま続ける。


「マクシン、あんた、デス・パイロに入ったんだ」

「何?!」

「デス・パイロ?」


 遊馬とさくらが不思議そうな顔をする。マクシンは乾いた笑い声をたてた。


「デス・パイロはデス・パンプキンの人が、人間界に来てからも人間の魂を狩り続ける種族の事よ。デス・パイロはライフ・クロシーに最も狙われているの。いわば、法律違反をした違反者よ。マクシンはその中でも幹部に入るの。デス・パンプキンで知らない奴はいないわ」

「え……」

「どうです? サミ=リュードュとハズ=ナイリーター。貴方達がデス・パイロにくれば、デス・パイロはかなり大きな組織になりますよ?」

「誰が、あんな薄気味悪いところに行くんだよ!」

「薄気味悪い? ひどいですねえ。ともかく」


 マクシンは不気味な笑いを引っ込め、さくらへと目を向けた。さくらがその視線に気付いて、体をすくめる。


「そのお嬢さんの魂はいただきますよ」


 マクシンがさくらに鎌を振り上げながら、かなりの速度で向かってきた。そしてそのまま振りかざす。

 さくらは動けず、そのまま立っていた。遊馬も、マクシンの速さについていけず、立ち止まる。


 ――――ガキィィィィィィン


 今にもさくらに鎌で引き裂かれそうな時、大きな金属音が響いた。


「こっちの人に手ぇ出してもらっちゃ困るな」

「この人たちには借りがあるの」


 マクシン鎌は動きをとめた。サミとハズが鎌で防いでいたのだ。さくらが驚きながら力が抜けたようにへたり込む。遊馬は急いで、さくらに駆け寄った。


「まさか、お二人さん、人間を助けるなんていいませんよね?」

「そのまさかよ」


 サミが繰り返すと、マクシンは力を弱め、またもや、宙に浮き、乾いた笑い声をたてた。マクシンの笑い声が響く。


「貴方、デス・パンプキンなんですよ? 人間の命なんか救えるわけないでしょう。それとも、人間になったんですか?」

「てめぇ、さっきからごちゃごちゃと」

「おっ、そちらの方は……。まさかお二人とも気付いてないってことはないですよね?」

「何を?」


 サミが睨みつける。しかし、マクシンはサミから目を逸らし、遊馬を見た。


「そのお坊ちゃんが、貴方達の敵であることを」

「……」

「気付いていないのですか?」

「くそっ……」

「気付いていて、庇うなんてことありませんよね?」

「黙れっ!」


 マクシンが口々に言うと、サミはそれを制するように声をあげた。サミとハズはものすごい殺気を立て、マクシンをにらみつけた。

 マクシンが少し後ずさりをする。


「あんたは」「俺らが」


「ぶっ殺す!」

戦いシーンは次回になりそうです……。

頑張りたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ