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二番煎じ

 この季節になると、巷ではハロウィンというわけのわからぬ祭りが行われるようだ。全くいまどきのもんは、安直に何かのブームに乗ろうとして困る。

 ウチの町はそんな安っぽいイベントに構っている暇などない。なにしろ、町は人口減少の一途を辿っていて、近年はカラスのほうが町を歩き回っているような状態だ。この問題を、我々は可及的速やかに解決しなければならないのだからね。


「町長、その件に関してですが――」

 会議に参加している若い男性が手を上げた。

「沢山居るカラスを逆に利用する、という方法はどうでしょうか」

「利用するとは、どういうことだね?」

「カラスというのは、魔女の使いとして有名でしょう? ですからここを、カラスが沢山居る魔女の町と称して町おこしをするんです」

「各国の魔女を誘致でもするのか? いやしかし今の時代、魔女なんてそうそういないだろう?」

「ええ。ですからまずは手始めに、自分達が魔女になってみるというのはいかがでしょう」

「魔女になるだと?」

「そうです。頭には髪の長いカツラをつけ、つばの広い三角帽子を被って、紫や黄色、オレンジといった化粧で顔に不気味なメイクを施し、黒や紺のローブなんかを着て、みんなで町を練り歩くのです。これが広まれば、本物の魔女だって来てくれるかもしれませんよ」

「なるほど。独創的で中々良い案かもしれん。よし、そうと決まれば、早いに越したことはない。今月の終わりにでもイベントを開こうじゃないか」

「今月の終わり、ということは?」

「十月三十一日だ。巷ではハロウィンという、わけの分からんイベントが行われる日だな」


         終。

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