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気持ち良い女
ウチの大学の近くに、○×通りっていう、寂れた場所があるだろう? あそこには、行かないほうがいいぞ。昼の一時を過ぎると、『気持ち良い女』が出るって話だ。
なんだ? その気持ち良い女って。
知らないよ。心霊現象や都市伝説的なものだと思うが、とにかく、遭遇した奴は何も喋りたがらないくらいに辛い思いをするらしい。
ふーん。
いいか、ぜったいに行くんじゃないぞ。
その昼、
男は早速その通りへ出向いた。行くなと言われると行きたくなるのが、人間というものだ。
なるほど、ここが○×通りか……。ほとんどシャッターばかりで、確かに不気味だ。
腕時計を確認すると、時刻は昼の一時を回っている。
すると、向かいにあった小さな商店の店先に、人が立っていた。
身体つきからして若い女のようだ。
近付いてみると、女は片言の日本語でありながらも、気持ちの良いくらいに元気な掛け声で、道行く客に何かを売っていた。
「いいキムチあるよ! キムチいいよ! キムチ!」
なんだ、キムチの売り子か。
「おにいさん。味見ドウゾ!」
男は言われるがままに、それを試食した。そして思わず叫ぶ。
「辛ッ!」
終。




