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私達の…使い魔さん…なんですか！？

［ピッ…ピッ…ピッ…］

さっきと同じようにリリは扉の開閉ボタンを軽快に押して…

［ピタッ…！］

駿(ん？）

リリ(…………。

何故かリリは扉のボタン入力を途中で止めてしまった…。

駿(どうしたんだよ…？

リリ(…………。

声を掛けたものの、リリはまるで固まってしまったかのように動かなかった…。まさかとは思うが扉のパスワード的なものを忘れたとか…？そんなヘマをリリがするとは思えないが…

［くるり…］

駿(ビクッ！？)

さっきまで動かなかったリリが俺の方に急に顔だけ向けてきた…。

駿(な、何だよ…？

リリ(…駿さん…。悪いのですが…、少ししゃがんで私の後ろに居て頂けませんか…？

駿(え？いきなりなん…

［ズッガァァァァ…ッン！！！！！！！！］

駿(でぇぇぇぇぇ！！！！！！！？

まさに青天の霹靂…。轟音と共に扉が突然粉々に砕け散った。俺は反射的にしゃがんで、飛び散った破片からもリリが出したらしきシールドに守ってもらっていた。

駿(い、一体何があったんだよ！？ん？

［シュウウウウウ…］

舞い上がっていた土煙がゆっくりと薄くなっていくと、そこには３人の人影がうっすらと現れてきた。

するとひとりの女の子の怒号が響いてきた…。

？(エリィィゼェ！！！！！アンタまた私の究極なる甘美:食後のおやつを勝手に食べたわね…！！？

エリー(えー？知らないよぉ？クロちゃんが大切に取って置いた黒ゴマプリンアラモードの事なんてエリーゼぜぇんぜん知らないよぉ？(笑)

クロ(思いっきり知ってんじゃないのよ！！？しかも口元に分かりやすくクリームつけてるし！！！

エリー(は！？にゃんと！？……てへ♪失敗♪

クロ(イラッ！)

エリー(クロちゃん細かい事ばっか気にしてるとシワが増えるよー？エリーゼみたいに気楽に考えよぉよー♪ちょっとくらい良いじゃーん♪

クロ(うっさい！これで何度目だと思ってんのよ！！

何回も何回も私の食後の楽しみを奪って！！！

ことわざにもあるように…！ちょっとずつだって

塵も積もれば山本さんなんだから！！！

エリー(や、山本さん…？誰…？

クロ(とにかくいい加減我慢の限界よ！！

この偉大なる覇者の末裔である私を怒らせた罪！！決して軽いものではないわ！！！

エリー(ラング・ド・シャ…？

クロ(覇者よ！！！全然違うじゃないのよ！！？

アンタ本当に食べ物のことしか頭にないのね！！

この食いしん坊！！暴食のベルゼブブ！！！

エリー(む…！エリーゼのこと食いしん坊って言ったなー！いくらクロちゃんがラング・ド・シャでも許さないぞ！！！

クロ(何よ！？やる気！！？

クロ&エリー(ギィィィィ…！！！

［バチバチバチ…！！！］

リリ(あらら…。

駿(うわぁ…。

目の前で壮絶な口喧嘩が勃発している。しかも内容聞く限りすごい下らないことで…。

ひとりの女の子は黒髪でツーサイドアップ、目は金色のつり目でいかにも気が強そうだ。服は全体的に黒っぽく、ゴシックというかゴスロリっぽい感じだった。

今でもキーキーとおやつを食べられたことに目をさらにつりあげて怒っている。

もう一人の子は髪の色が明るいオレンジ。髪型が後ろ結びで少し長めのテールをゆらゆらと揺らしている。口元にはまだクリームをくっつけていて、それも気にせず棒つきキャンディーを咥(くわ)えている。服装は上がパーカー、下は活発的なショートパンツを履いていて、白と黒の縞ニーソを履きこなしていてる。

？(ふわわわわ！！！(泣)２人ともやめてよぉ！！！

喧嘩しちゃダメだよぉ！！！(泣)

駿(ん？

３人目の女の子が涙ながらに２人の仲裁に入る。

その子の髪の色は綺麗な薄紫色で、目を少し覆うくらい前髪が長く、後ろ髪は肩まで伸ばしている。頭のてっぺんにはちょいんとアホ毛が立っていた。

…と、また観察に集中してしまっていた。危ない、危ない…。これでは俺が観察好きの変態みたいになってしまう。

これからは少し控えるようにしよう…。

クロ(止めないでノエル！これは私とエリーゼの問題よ！！私は闇を統べる覇者の末裔としてこの暴食魔を罰さなければいけないのよ！！！

ノエル(で、でもぉ！！(泣)

エリー(安心してノエルん♪正義はカツ！！！

クロ(諸悪の根源のクセしてよくも正義が語れるわね！！！

エリー(勝ったほうが正義だもん！！エリーゼは勝つよ！！！

クロ(ピクッ…)

クロ(ふ…ふふふ…！面白ぇじゃないのよ！！！闇の力その身で受けるが良いわ！！！

エリー(望むところだぁ！！！

［バチバチバチ…！！！］

火花が飛び散っている…。

ノエル(はわわわ！！？(泣)

［ギュン…！！！ギュン…！！！］

［ズシュン！！！ズシュン！！！ズシュン！！！］

クロ(エリィィゼェ！！！！！

エリー(クロちゃぁぁぁん！！！！！

［ズガァン！！！ズガァン！！！ズガァン！！！］

ノエル(きゃああああ！！！？喧嘩しちゃダメェ！！！！！お部屋がぁぁ！！！？

［ドッカァァァァ…ッン！！！！！！］

駿(お、おいおい…。どうすんだよ…？これ…。

リリ(全く…。いつもこうなんですから…。あ…。

駿(え？

リリ(駿さん…、もう一度私の後ろに…！シールドの強度を上げます…！

駿(うえ！？止めなくて良いのかよ！？あの２人あのままだったら…！

リリ(いえ…、本当に恐いのは…。

［ズズ…！］

駿(え…？？？

クロ&エリー(え…？？？

［ユラァ…］

ノエル(ううう(泣)ぐすっ…！喧嘩しちゃあ…！

［キィィィィ…ン！！！ガシャン！！！！！］

駿(い！！？なんだあれ！！？

泣きながら３人目の女の子:ノエルが巨大なハンマーを召喚した。その小さな体に不釣り合いな巨大さが周囲の空気を一瞬にして異質な物へと変えた。

クロ(ヒッ！？ちょっ…！ノエル待っ…！？

エリー(あぁ～…。やっば～…。バリア…！

［ギ………ッン！！！！！！！！］

ノエル(喧嘩しちゃ！！！！！ダメだって言ってるでしょーーー！！！！！

華奢な女の子が巨大なハンマーを思いっきり降り下ろす…！！！！！

［ブ……ッン！！！ズッガァァァァ…ッン！！！］

クロ(ぴゃああああ！！！！！？

エリー(にょわぁぁぁ！！！！？

駿(ぎゃああああ！！！！？

リリ(おお～。

［メキメキメキィ！！！がらがらがらぁ！！！！］

ハンマーを打ち付けた衝撃で部屋はほぼ全壊…。

部屋に置かれていたんであろうベッドや机、椅子などは変わり果てた姿で散乱していた…。幸いここは地階だったようで下の階に被害が出ることはなかった。

ノエル(はぁ…はぁ…はぁ…！？ひゃわっ！！？

［がらっ！］

クロ(う…く…！(怒)

瓦礫の中からクロと呼ばれていた少女がボロボロになりながら這い出てきた。見るからに怒りの感情をあらわにしている。

クロ(アンタがぁ…、一番大事(おおごと)にしてどうすんのよぉ！！！！！(怒)

ノエル(ひゃうう！！？ごめんなさいぃ！！！(泣)

［がららっ！！！］

次はエリーゼと呼ばれていた少女が瓦礫の中から勢い良く飛び出した。

エリー(にゃはは～♪相変わらずノエルんは馬鹿力だね～♪シールド張ったのにそれごと吹っ飛ばされちゃった～♪偉い偉い♪

ノエル(嬉しくないよ～(泣)うう…！

駿(う…うう…。死ぬところだった…。あ、ありがとな、リリ。助かった…。

リリ(いえ…、それにしても流石ですね。ノエルさんの打撃は威力絶大です…。

駿(な、なあ…、あんまり聞きたくないんだけど…、

もしかしてあの３人が…？

リリ(はい…。残念ながら(？)ご名答です…。彼女達３人が…

ノエル(え？

クロ(ん？

エリー(ふにゅ？

リリ(駿さんの担当する魔法少女の皆さんです…。

駿(や、やっぱり…。

ノエル(ふぇ！？わわわ！？リリ先生！！？こ、これはそのっ…！！ちょっとした手違いで…！！！

クロ(ノエルが悪い…。

エリー(ノエルんが悪い…♪

ノエル(ふぇぇぇ！！！？

さっきまで喧嘩してたはずなのに息ピッタリで指を差し、全てをノエルという少女に託す少女２人。

ノエル(ズルいよぉ！(泣)元はと言えば２人が…

リリ(どんな理由があろうとも…連帯責任…です…。

３人のお給料から平等に修理代として当てさせてもらいますからね…。

３人(えええーーー！！！！？

当然の結果と言えば当然の結果のような気もするが３人は個々に不満を溢している…。

クロ(そんなぁ！お給料で新しい魔術書買う予定だったのにぃ！！

エリー(私はお菓子ーー！！！(泣)

ノエル(うう…(泣)う…？あ…れ…？り、リリ先生…

その人は…？

クロ&エリー(ん？

駿(う…！？

リリ(ご紹介いたします…。本日…、皆さんの使い魔として採用が決まった、宮島駿さんです…。

３人(え…！！！？

駿(あ、いや…その…、どうも…？