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3話

洒落にならんな。

良く倒せたと自分でも感心するわ。


改めてジックリと倒した熊を眺める。

うん。物凄く、大きいです。


毛皮を触ってみると肌触りが凄くいい。

毛が一本一本が丈夫で頑丈だ。


流石ファンタジー。

こういう毛皮で防具とか作れば良さそうだな。


「しっかし、こういう時って剥ぎ取りか?わっかんねー。」


剥ぎ取りなんか某狩りゲーでしかやったことねーよ。


初めて命をかけて倒した記念の魔物である。

毛皮だけでも手に入れたいんだが...。


キュピーン!

閃いた!!


バールの先端を熊に突き刺して。


「解体せよ。」


あら不思議。

これだけで肉、牙、毛皮に解体される。


うわー。ちょー便利だよー。


ん?何この丸っこい石?

あぁ、ファンタジー定番の魔石ってやつか。


解体した素材はアイテムボックスに入れておこう。


念じればいいって便利だよね。


そして、指輪の嵌った右手を見ていると違和感に気付く。


あれ?俺の服って黒かったっけ?


こけしや邪神の所に居た時はでは、部屋着だった白いTシャツとグレーの短パンだったはず。


しかし、どう見てもおかしい。

邪神の加護でSAN値を削られたせいか?


視界にチラッと写った着衣に違和感が。

認めたくない。

ただの誤認であってほしい。


しかし、現実は非情である。


俺が着ているのは、黒を基調とし、フリルなどのアクセントは白で彩られ気品と可愛さを醸し出している。


何処からどう見てもゴスロリです。本当にありがとうございました。


いや、ありがたくねぇよ。


ゴスロリだし、ミニスカだし、黒と白の縞々ニーソにニーハイブーツ...。


何これ完璧じゃん。

いやもう、なんだこれ本当になんだこれ...。


いや、まだだ。

更に嫌な予感が頭をよぎる。


本音で言えば確認したくない。

しかし俺自身のことなのだ。


確認しなくてはならない。


バールを近くに聳え立つ巨木に突き刺す。


「......鏡となれ。」


巨木を鏡に変え、自身を写す。

そこに写るのは...。


肩甲骨にかかりそうな程長く、艶やかで美しい黒髪。


瞳は潤んでおり、赤と金のオッドアイ。

ややつり目がちだが、眉が若干下がっている為、何処かだらしなさを醸し出している。


そして、小さな唇はしっとりと濡れていて、ルージュなどを使っていないのに艶やかかつ可愛さがある。


完璧な美少女であった。


現代日本なら間違いなく外見だけでもトップアイドルになれる。


「今更気付くとか...。声すら変わってんじゃねぇか。」


身長も以前より低くなっている。

以前は169程だったが、今現在は恐らく150くらいだろうか。


19も低くなってやがる...。


なんなの?どうしてこうなった...。


ゴスロリ美少女ってなんだよ...。


目が覚めて樹海。

そして熊と遭遇。

逃亡失敗で戦闘。

気付く暇ねぇよ。


どうしてこんなことに...。


輝きと後悔だけしか思い出せない。

あぁ、これが俺の...絶望。


...巫山戯ている場合じゃないなーー


待て。

待て待て待て!!

び し ょ う じ ょ !?


アレが...無くなっているのか?

生まれて23年間共に過ごしてきた相棒が...。


恐る恐る確認する。

今まで性欲は風俗がどうたらこうたらと言っていたが、行ったことはない。


相棒を使用したこともない。

一度も経験なく、相棒が消滅したなどとは考えたくない。


ブラック企業で殆ど休みなしで働き、休日は疲れて寝るだけを繰り返し。

魂を邪神に狩られ、異世界に逃避行したらゴスロリ美少女になり相棒が未使用で消滅。


もしそうなら俺は死を選ぶぞ。


そして結果は...。








あった。

相棒は以前のようについていた。


いや、以前より立派になっていた。


「良かった...。いやマジでこれだけは救いだわ。」


嬉しさの余り涙が出てくる。










そして、元々履いていたボクサーパンツはスパッツに変わっていた。


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