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1話

感想や意見などを募集中。

評価してくれたら嬉し過ぎて泣きます。

「あ?此処何処?」


定番のネタとかどうでもいい。

ていうか、天井がない。


目を覚ますと辺り一面真っ白。

仰向けの身体を起こし、周りを眺める。


やはり何処を見ても真っ白。

気が狂いそうな場所だな。

いや、既に俺は狂っているのかもしれん。


さて、俺はどうすればいい?

何処を見ても白しか映らない世界。

これは現実なのか夢なのか...。


うん。もうこれしかないな。


(おやすみ〜。)


何もない。することもないなら寝るしかない。


「いや、寝ないで下さいっ!」


「うるさっ!?」


寝ようとしたら、耳元で大声がしたでござる。


「何で寝るって結論になるんですか!?おかしいでしょう!!?」


することないんだから仕方が無いだろ...。

てか、誰?


目の前にかなり高そうな着物を着た、黒髪でおかっぱ頭の幼女がふよふよと浮いていた。


武○術か?


「とりあえず、此処何処なんだ。こけし。」


「こけし!?」


だって田舎の婆ちゃん家にあったこけしにソックリだし。


つか、何故俺の考えた事わかんだよ。妖怪サトリか。


「わ、私には天照という立派な名前があります!こけしでもサトリでもありません!!

心が読めるのは神力です!」


心を読めるなんて凄いな神力。

というか...アマテラス?それってーー


『ちくわ大明神』


「誰だ、今の!?」


「え?どうかされましたか?」


「い、いや。何でもない。」


なんだったんだ今の...。

まぁ、そんなことどうでもいい。


「お前、引きこもりの神様か。」


「ち が い ま す !!!」


えー、だって引きこもってたじゃん。天の岩戸に。


「あれにはちゃんとした理由があるんです!私をニートの神様みたいに言わないで下さいっ!!」


それはすまんかったな。

それにしても、天照って実際は幼女なんだなぁ。それにこけしに似てる。


「あーもう!あー、もうっ!!」


いかん。煽り過ぎた。

あのー、天照さん。なんか赤いオーラみたいなのでてますよ?


メッチャ暑いです。


怒った幼女ってどう宥めればいいんだ...。

自分でやっといてなんだが、凄く面倒臭いです。


「兎に角、私の話を聞いて下さいっ!!」


「アッハイ。」


うん。大人しくしておこう。


「まず一つ目に言いたいのは、貴方は殺されました。」


直球だなおい。

え?俺誰に殺されたのよ?

恨みを買う覚えはーーうん。ありますね。

しかし殺される程の恨みだったのかよ...。


いくら浮気現場の写真とか盗撮データとか諸々一式を気付いてなかった母さんに渡したからって...。

自業自得だろうよ。親父ェ...。


「いや、貴方は何してるんですか...。父親の自業自得でも貴方が率先してやることではないですよね?」


ゴメン親父...。面白半分だったんだ。


だからって1人息子殺すのかよ...。


「まぁ、貴方を殺したのは父親ではないのですが...。」


「あれ?んじゃ誰よ?」


他に恨みを買うことしたかな?


部長に雑巾の絞った水でお茶を密かに入れたり、部長が落とした風俗店の名刺を誰もが見えやすいように机の上に置いてあげたりしただけだぞ。


あ、あと部長の浮気現場を偶々目撃した時の写真を引き出しの中に入れてあげた位かな。


「陰湿っ!?

ていうか部長さんを集中狙いじゃないですか!!?何をやってるんですか!?」


しょうがないんだ。

色々と事情があったんだよ。


「はぁ...。因みに部長さんでもないですよ。

貴方は邪神に命じられた死神によって魂を狩られてしまったんです。」


......どういうことだってばよ。

え?邪神?死神?

何故に俺は狩られたのよ!


「実はその...貴方の魂が邪神の好みのど真ん中だったらしくて...。」


「は?好みだから俺殺されたの?」


「貴方の魂を手元に置いときたかったみたいなんです。

殺害は止められませんでしたが、貴方をこれから守ることはできます!!」


いや、俺は既に死んでるのに守るってどうすんのよ?

あ、これ小説でありがちな転生ってやつになんのか?


「そうです。守れなかった私達、神の責任でもありますので、邪神が手を出せない異世界に貴方を転生させます!」


やっぱりか。

これって所謂チートとかハーレムとかそんなんでしょ?


チートは欲しいがハーレムはいらん。

何故かって?

まぁ、チートはどうせモンスターとかいるだろうし戦闘能力は必須。

ハーレム?面倒。

ただそれだけ。

性欲なんて風俗で解消すればいい。

異性とずっと一緒とか好きなことできんし、金がかかる。

いらん厄介事が増えるだけだ。


「では邪神が貴方に手出ししにくいようにする為に私の加護を授けます。」


天照が俺に手をかざす。

すると俺の頭上にキラキラと赤い光が降り注ぐ。


この光、地味に熱いんだが...。

俺燃えないよね?


「燃えませんよ!最高位の太陽神である私の加護なんですから、少しは我慢して下さい。」


「アッハイ」


熱い。

加護ってこんなに時間掛かるの?

早く終わってほしいんだが。

あ、なんか段々熱さじゃなくて気持ち良くなってきたような...。







「...。これで終わりましたよ。

加護は少し時間が掛かってしまうので...ちょ!?どうしたんですか!?

なんで身体が痙攣してるんですか!!?」


ハッ!?い、いかん。

開いてはいけない扉が開いてしまうところだった。

こんな辱めを受けてしまうとは...。


「くっ...。殺せ!」


「いや、貴方もう死んでますよ!?」


あ、そうだった。

これから転生するんだったな。HAHAHA。え?さっきの痙攣?

ナニヲ言ってるんだ。

痙攣とかビクンビクンしてたとか、そんなことはなかった。

何もなかったんだ。いいね?


「アッハイ。」






「では、加護の付与も終わったので、異世界に転生させますね。」


ようやくか。

邪神に狙われて死んだとか、意味わからん死因だったが、新しい人生は真面であってほしい。


ん?あれ?

小説とかって大抵スキルとかなんとか決めたりするんじゃなかったっけ?


俺、加護貰っただけなんだが...。


「転生先は街の近くに致しますので。それでは、良き人生を。」


いや、大丈夫だろう。うん。

俺は神様信じてるぞ!


......大丈夫だよね?

面倒臭いことにならないように神に祈るしかないな。


あ、祈る相手目の前じゃん。


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