1章、邂逅
遅くなりました!!当分こっち書いてます!!
簒奪達は一斉に爆音がした方向を見た。そこには逃げ惑う者、腰を抜かせて座り込む者となにやら銃火器系を持っている黒ずくめの奴らがいた。
「ちぃ!強盗か!?」
簒奪は直ぐに固まったままの響歌達を逃がすべく行動を起こした。
「ここは危ない!早くにげるんだ!」
「え?お兄ちゃん?何が起きてるの!?」
「わからない!!でもここにいるのは危険だ!だから早く!」
簒奪が逃げるよう促すが、突然の爆発と銃声で腰を抜かせてしまっているためその場から動こうとしない。そうこうしているうちに逃げ始めている人たちの群れがこちらに走ってきた。
ダラララララララララ パンパン
幾つかの銃声が聞こえて逃げている人たちの内、20人ぐらいが弾に当たり倒れた。
「逃げちゃだめだよ〜。君たちは人質なんだから。ん?そこの君達、い〜ね〜。逃げないんだか逃げられないんだかはいいとして捕まえやすいことには感謝だよ」
「おう!おとなしくしておけよ?そうすれば命だけは助けてやるから」
フルフェイスマスクをしていたため性別まではわからなかったが、声だけで判断するなら最初のやつがゆったりした女系の声、二人目がどこか威圧感がある男の声だった。
「(ちぃっ!遅かったか!)・・・みんな、ここは従おう」
簒奪は捕まる前に逃がしたかったのだがそれは叶わなくなったので、心の中で悪態つきながらも犯人たちに従うよう言う。響歌達は突然の連続で頭がついていっていないが、とにかく従ったほうがいいというのはわかったのかおとなしくついていく。
(どうにかしてこいつらを潰せないだろうか。せめて姉さん達さえいなければ!)
簒奪は連れて行かれてる間ずっと逃げるための算段を立てていた。最悪響歌たちには正体をバラす覚悟でいた。そんなことを思っていると捕まった人たちが沢山いる広場に連れて行かれた。
「ここに座ってねー」
銃の先で場所を指して言った。座ると響歌が簒奪にこそっと聞いた。
「簒ちゃん、どうするの?」
「とりあえずは様子を見るつもり。最悪正体がばれてでも助ける。それに多分この時間なら俺の仲間が見回りしているはずだから助けに来てくれるだろう」
そんな話をしていると、強盗たちが人質に聞こえるようにおおきな声で話し始めた。
「俺たちは見ての通り強盗だ!要求を流してもらうために携帯を持ってるやつは拡散しろ!」
そう言って携帯などでいろいろなサイトに投稿させた。
(ざざ、ボス、そこから右上の店をばれないように見てください。全員います。)
簒奪はばれないように右上の店を見てみると、装備と仮面をつけた仲間がいた。
(よし。じゃあ1分後に行動を開始する。全員一斉に暗幕玉を投げるんだ。そうしたらそのままナイトヴィジョンゴーグルをして敵を無力化してくれ。)
強盗たちが話している間にあっという間に1分が過ぎた。その瞬間何かが飛んできて黒い煙がもくもくと吹き出した。これは簒奪が作った特製の煙玉で、視界が極端に悪くなりこれまた特製のゴーグルをつけるとその煙が見えなくなる仕組みだ。そんなことを知らない強盗たちは皆一斉に驚く。
「うわ!?な、何だ!!ぶほ!!」
「何も見えぐわっ!!」
「ひいぃぃ!!げふ!!」
何も見えていない強盗とそれを手に取るように見えている制裁の剣では結果なんて見えきっていた。しかしそれは強盗がただの人間だったらの話だが。
「はあぁーーーー!!」
簒奪たちを連れてきた女系の声のやつが気合の入った声で何かしらの文字を使って煙を晴らした。
(!?やっぱり文字持ちがいやがったか!現象的には風系を起こす能力みたいだが。)
「あなたたち制裁の剣ね?もうダメじゃないの。私たちに邪魔をしたらあなたちを殺さなくちゃいけなくなるでしょう」
「く!だがお前一人ならなんとかなるんだよ!」
「いまだ逃げろ!こいつ一人なら4人がかりならなんとか持ちこたえられそうだ!」
〝調〟がそう言うと捕まっていた人質達が一斉に逃げ出した。その人波に紛れて簒奪達も似げることにした。
「姉さん達!早く逃げよう!今なら逃げられる!」
「そ、そうね。早く行きましょう!」
響歌が賛同してくれたおかげで皆スムーズに出口に向かって走り出した。しかし運悪く簒奪達をつ構えたもう一人の方が倒れていたはずなのに起きてしまった。
「不意とはいえ俺をダウンさせるとはなかなか強いな。しかしやられた以上はこちらも全力で行かせてもらう!はぁ!」
男が叫ぶと体から放電した。それが出口の上の壁に当たって崩れてきた。
「(もう一人文字持ちがいやがったのか!)まずい!?瓦礫が降ってくるぞ!早く抜けるんだ!」
しかしそんなことを言ってもどうにもならないものがある。瓦礫は簒奪の前を行く愛歌達の上に落ちてくる。それに気づいた響歌、桜はそれぞれ恋歌と愛歌、紅葉と月夜を突き飛ばした。簒奪は突き飛ばすことによって完全にアウトコースにいる二人を全力で後ろに引っ張る。
「「危ない!!」」
「お姉ちゃん!?」
「姉さん!?」
「お姉えちゃん!?」
「桜さん!?」
なんとか潰されることはなかったが、がらがらと落ちてくる瓦礫で完全に道が閉じてしまった。安全を伝えるためにいち早く声を上げる。
「こっちは大丈夫だ!聞こえているなら悪いが父さん達に連絡を取ってくれ!犯人はおそらく〝風〟と〝雷〟の系統の文字を持ていることもな!」
「わ、わかったよ!気をつけてね!」
4人が走っていく音を聞いたので、次の行動に移ることにした。
「・・・ふぅーー。確か桜といったか。正直あの状態では余裕がないから行動を起こそうと思うのだが、今から起こることを他人に話さないでくれるか?」
あの状態とは仲間達のことだ。風系一人ならなんとかなると思ったが、雷系お含めた4対2ではさすがに部が悪すぎると思ったからだ。
「あの状態で、とはどういう意味だ?今のうちに逃げるのではないのか?」
「どうもそんなこと言ってられないみたいなんだよね。いつ二人を人質に取られるかわからないし。」
二人の部分でどこか噛み合ってないと思った桜は逃げようと言おうとしたが、響歌の言葉に遮られた。
「行くのね?・・・気をつけてね」
「ああ。ちょっと行ってくる。何。すぐ戻るよ」
そう言うと簒奪は隠し持っていた装備をつける。その装備を見た桜はやっと頭の中で話が繋がった。
「そう言うことか。君が〝大義賊〟だったわけか」
「・・本当はバラしたくなかったんどがな、こんな時だ。しょうがない」
「今はそれで納得しよう。あとでたっぷり説明せてもらうからな」
どこかおちゃらけた感じに簒奪もつっかえが露れたような気持ちになった。
「《電球》!」「《壁風》!」
風が前衛をやり、攻めあぐねている敵に電気の玉を当ててダウンさせる。なかなかバランスの取れた戦い方だった。
「このままじゃやばいなぁ!」
そろそろ4人とも耐えられなくなってきたところだ。
「「そろそろのようね(だな)。決めさせてもらうわよ(うぞ)?《電風》!」
幾重にも重なった風にでんきが含まれており、触るだけで吹き飛んで痺れて動けなくなってしまう。しかしそれは普通だった場合だ。4人にはまだきついかもしれないが簒奪なら余裕だ。簒奪は電気をまとった風を、拳の風圧で進行方向を変えてしまった。
「《拳刃式制圧の型、一凪》。おそくなったな。もう大丈夫だ」
2月の18日が最後って・・・ご迷惑をおかけしました。
頑張りますよ!!