第2話 着ぐるみ合体・ファースーツユニゾン!
無事にエメトスの成層圏を抜け、宇宙航路を進むゴー・ビヨンド号。
ケットとビヨンドが交代で戦艦の操縦をして、キャシーはレーダーなどを確認し例の貿易船撃沈事件の犯人と遭遇しないように祈っていた。
だが平穏は長く続かなかった。
「後方から高速接近!」
キャシーが叫ぶ。
モニターに映るのは――
宇宙戦闘機三機
ケットが歯を食いしばる。
「追手です!」
ビヨンドは操縦桿を握る。
「歓迎するぜ! そうこなくっちゃな!」
戦闘開始。
早速戦闘機と宇宙戦艦の間でまばゆいレーザーが飛び交う。
ゴー・ビヨンド号は旧式だが、武装面が充実しており火力は高い。機動力も選管にしては小型の部類に入るため速力は早い方である。だが戦闘機の機動力が上だった。
「くそ、振り切れない!」
キャシーが叫ぶ。
「近くに宇宙ステーションがあるわ!」
「よし、逃げ込む!」
「その前に、こうです!」
どうにか近くに逃げ込めそうな宇宙ステーションを見つけ、全速力で向かいつつケットは宇宙戦艦の砲撃システムを操作し後方にぴったりくっついていた戦闘機たちに不意打ち気味に強力なレーザーとミサイルをプレゼントした。
それにより3機とも見事に撃墜、無事にゴー・ビヨンド号は宇宙ステーション内の港に入り、損傷などがないか確認したうえでビヨンドはステーションの管理人と話をした後内部に入る。
ステーション内部は惑星の自然環境をビオトープとして再現したエリアがあり、ケットはそれを見ながら羨ましそうにしていた。故郷は緑が少ないらしい、ビヨンドとキャシーはそんな彼の姿を見ながら周囲の景色を見て楽しんでいた。
だがそこには待ち伏せがあった。
現れたのは狐型獣人のハインダー・ビボン
「待っていたわ。そして、何故あの国王の元にいるの、ケット!」
茂みの中から現れたビボンは、手にした鞭を振るい3人の前に堂々と立つとケットにそう言い襲い掛かる。
ビヨンドはホルスターに格納していた銃で応戦する。だが獣人の身体能力は高い。確実に当たるはずの弾丸は虚空を切り裂くだけで、ビボンの素早い動きと鞭により銃を吹き飛ばされ、キャシーとケットも応戦するが彼女の巧みな動きについていけてなかった。
このままではまずい、ビヨンドたちはそう思った。その時ケットがビヨンドにある提案を出した。
「ビヨンド、力を貸します」
「どういうことだ」
ケットは腹のジッパーを下ろした。
「中に入ってください」
「は?」
「早く!」
「お、おう、しかしどんな体の構造をしているんだ」
ビヨンドは半信半疑で飛び込んだ。
次の瞬間。
ケットの体が光る。
巨大な黒猫戦士へと変化した。
「これが……」
ケットの声が響く。
「キグルミンス星人の力。着ぐるみ合体です!」
ケットの説明する能力は、キグルミンス星人のみの存在する他者を自身に着させることで発動するパワーアップ手段であった。黒猫戦士と化したケット&ビヨンドは、普段の数十倍の力を発揮しあり得ない速度でビボンに肉薄し目にもとまらぬ速さで連撃を繰り出した。
壁に吹き飛ばされたビボンは、その圧倒的な力に抗えず膝をついたのであった。
ファースーツ・ユニゾン、それはキグルミンス星人同士では使えないため次第に忘れ去られていた物であったが、ケットは自身を助けてくれたビヨンドの恩義に報いるため、この力を思い出し使うことにいしたのであった。
ビヨンド&ケットはそうしてハインダー・ビボンを戦闘不能に陥らせた。だが彼女は気を失う前に、力なくあることをつぶやく。
「……お願い、マルクレスを……止めて……」
そうして彼女は気を失った。
「やれやれ、待ち伏せされていたとは、情報が筒抜けなのか」
「かもしれません。早く届けないと、面倒になります」
「仕方ないわね、補給済ませたら早くいくわよ2人とも」
ビヨンドたちは急いで追加の物資を手に入れると戦艦に詰め込み、宇宙ステーションを離脱したのであった。




