サファイアの海を、駆ける天馬とこころの泉に
南へ向かう
ツバメの風をきる翼に
遥かに広がる
海はサファイアのように
夏茜が描く
ひと筆書きの時を
追いかけて
秋茜もまた景色の中に
とけゆく風の
色に染まりゆくように
第三楽章へと
向かう季節の中で
ワレモコウの花が
大地から空を
そっと、眺めるとき
道を彩り
咲きゆく想い草
青いリンドウの
花が奏でる
秋のプレリュード
天馬が駆けゆく
サファイアの空に
色取月の
夜空に響きわたる
季節の足音は
ペガスス座の星々
宙に青と紅の
煌めきを
燈していくように
心が駆けゆく
サファイアの宙に
まるで宙の
泉から湧き出すように
新たな空へ
現れ出る天馬の星座
言の葉もきっと
心という
泉から湧き出す
幾つもの滴のように
天満月が
照らす海を見つめて
海もまた
時に青く遥かに
時に紅く照らされて
言葉で表せない
ものも多いけれど
言葉があるから
つながるものも、きっと
言葉にならない
その一滴ずつを
心の泉に
大切にあたためながら
出逢う言葉の
その中に
こころを、感じていけたら
星座や花に
名前という言葉を
紡いだ古人の
こころに、想いを馳せながら
南の空へ向かう
天馬の羽ばたく翼に
広がる星の
海は煌めくサファイア
第三楽章へ
向かう季節の中で
大地から空を
そっと見つめる瞳に
明日へと
続く道に咲きゆく
想い草の
一つひとつが
奏でる未来のプレリュード
色取月の
サファイアの海を
駆ける天馬と、こころの泉に
サファイアは、9月の誕生石で、ラテン語の「青」に由来し、石言葉は「誠実」「慈愛」です。天満月は満月、色取月は9月で、プレリュードは「前奏曲」のことです。
夜空へ駆ける天馬の姿のペガスス座は、9月頃から南の空高くへ上ります。「ペガスス(星座はラテン語で、英語読みはペガサス)」は、古代の「泉」が由来とされます。
ワレモコウ(吾亦紅)は、9月頃から真っ直ぐな茎に紅い穂をつけ、花言葉は「感謝」「憧れ」です。「想い草(思い草)」は、諸説ありますがリンドウの別名で、花言葉は「誠実」です。
季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。