8話 入学試験
試験当日の朝
ボクは緊張しながら学園に向かった。
「ここが帝国中央学園。思ったより大きいなー」
想像より大きい学園を見上げる。
正門近くで試験の受付をし番号票をもらい教室に案内された。
教室に入り自分の番号票と同じ番号が書いてある番号に座った。周りを見てみるとみんな緊張してるようだった。
予定時間になり、試験官が入ってきた。
「これから入学試験を始めます。他の人の解答を見たり、他の人の妨害をしたりするなどの不正をしたらそのままを退出してもらうことになるので気をつけるように」
そう言って試験官は解答用紙と問題用紙を配っていく。
「それでははじめ!」
一斉に試験に取り掛かる。
問題の内容は、読み書き、算数、歴史、化学の4つ。読み書き、算数、歴史はほぼ毎日読書をしてたおかげで余裕だったけど、化学は思ったより難しかく難行してしまった。
問題を解き見直しをしてる間に試験の終了時間になりチャイムがなった。
「そこまで!解答用紙から手を離してください」
試験が終わったこともあり、皆ほっとしている。
「これから魔法の実技試験をやるので、ここの教室の受験生は実技試験会場まで向かってください」
この教室の受験生は実技試験を行う会場に向かった。会場は訓練場になっており、一列に的となる鎧を着た人形のようなものが並んでいた。そこに受験生が5人ずつ1列になり魔法や剣技などを打ち込むようになっていた。
「それでは実技試験をはじめます。50番から55番までは一列にならんであの的に自分の中で一番の攻撃をしなさい」
リンは55番だったので一組だった。
「各々のタイミングで始めてください」
リン以外の受験生は人形に向かい魔法を数発打ちこんだり剣技を決めたりして鎧に傷をつけた。
それを横から見ていたリンはどんな攻撃をしようか迷っていると試験官から声がかかる。
「55番の方何もしないのですか?」
「あの魔法や武器を使わなくてもいいですか?」
「構いませんよ。他の人もいるので早くやってください」
試験官が急かしてきたのでボクは人形に大して渾身のパンチを決めこんだ。
人形はものすごい音を立てながら粉々になった。
「「「「…………」」」」
試験官、そして会場の人は口を開けて固まってしまった。
「55番君はもう試験をやらなくていい。お家に帰りなさい」
試験官はボクに帰るよう指示をしたので挨拶をして返った。
施設に戻るとユウリ大佐とマリーが出迎えてくれた。
「リンちゃんおかえり。早かったね」
「浮かない表情してるがどうした?」
リンは2人に先程の出来事を伝えた。
「それで浮かない表情してたのか。リンお前多分合格したぞ」
ボクは首を傾げる。
「過去にも何度か試験の時に的や会場を壊してそのまま帰されたやつがいたがそいつらは全員合格した」
「試験が終わってないのに帰されるのは試験官がその人をもう試験する必要がないと判断した場合にのみなの。あたしも過去に経験したわ」
確かにマリーは会場ごと壊しかねない。
「まっ、今日は疲れただろうからゆっくり休め」
「うん」
リンは部屋に戻った。
数日後、ユウリ大佐から合格したことを伝えられた。