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第48話 起きた

 気が付くと学園の廊下にいた。周囲は静かで誰もいない。

 自分の教室に行き扉を開けるとあの少女がいた。


「ねぇキミは誰なの?この前はなんで無視したの?」


 質問するが少女は答えない。何となくそうだろうなとは思っていたけど謝るぐらいはしたらいいのに。


「ねぇ」


 少女はいつの間にか目の前にいた。驚いて転んでしまう。


「いや驚かないでよ」


「ごめん。それより何でここにいるの?魔物に殴られたはずだけど」


「さぁ?まぁ戻るなら早く戻った方がいいよ。魔物はオペラに殺されたけど魔人になって生き返ってはあちこちで勝負持ちかけてる」


 スクリーンが現れると魔人と街の様子が映し出される。

 魔人だけでなく、壊れた壁から入ってきた魔物が祭りに来た人を襲っている。


「どうして魔物が街中に…しかも街のあちこち壊れてる」


「魔物が入ってきてる壁も街が壊れてるのは魔人がそこら中で戦ったせい」


 教室の扉に手を掛けるが動かない。


「開かない」


「何してるの」


「皆を助けに行きたいのに扉が開かない」


「話が終わってないから開かないよ。用が済んだら開くから」


「じゃあ早く終わらせて」


「ここは外とは時間の流れが違うから焦んなくていいよ。ここに1時間いても外だと1秒とかそんなだよ」


「ここにしばらく居ても問題ない?」


 「うん」と少女は返事する。それを聞いて少し安心した。

 彼女の話を聞く前に一旦落ち着こうとする。


「それより魔物と戦った時なんで本気でやらなかったの?」


 気を落ちつかせる所を割って入られる。


「魔物もそうだけど帝国の時も本気でやってるなかったよね。帝国の時は戦う前はやる気だったのに」


 それを聞いてボクは何も答えられなかった。自分でもどうして本気でやらないのか分からないから。強いて言うならそういう気分じゃない、本気をださないといけない相手だと思えない。


「本気でやるやらないは任せるけど死なないようにしなよ。せっかく新しい体になったんだから」


「え?」


 その言葉に声が漏れる。ボクは転生した事を誰にも話したことはない。


「話は終わり。戻っていいよ」


「ちょっと待って」


 彼女が手で追い払う仕草をするとボクはいつの間にか開いている扉に飛ばされる。扉はいつの間にか開いている。

 扉を掴み耐える。


「最後に名前教えて」


「名前?名前かー。好きに呼んでいいよ。ばいばーい」


 掴んでいるのが辛くなり手を離す。手を振る彼女を見ながら扉の外に出る。


 目を開けると屋敷の天井と心配に見つめるオペラが見える。

 体は熟睡して起きた後のように疲れが取れている。


「眩しい」


「リンちゃん、良かった」


「リンさん起きたんですね」


「寝ちゃってたのかな。体の疲れが取れてる」


 起きたことに気づきベールも様子を見にきた。


「それ騎士の剣だよね。なんでベールちゃんが持ってるの」


「私の剣は折れてしまったので亡くなった騎士のを持ってきたんです」


「魔物はどうなったの」


「リンちゃんが倒れた後私とニーナさんと戦って、倒したんだけどその後魔人になって生き返って王都のあちこちで強い人に勝負を挑んでる」


「ニーナがきたの?」


「「知らない強い気配がしたから来た」って言ってました。強い気配って分かるものなのかな」


「分かる人には分かるだと思う。魔人だけど。それ寄り生き返った魔人はどこにいる分かる?」


「戦うのはダメだよ。魔物の攻撃で倒れたのに次は死んじゃうよ」


「大丈夫、今度は本気でやるから」


「いや理由になってないよ!それにどこにいるか分からないし」


「そうだった」


 探すにしても広くて時間がかかるし魔物もいる。魔人みたいに気配をかんじる事ができるなら大まかな位置は分かるのに。オペラちゃんも言ってたけど強い気配って何だろう。


 気配を感じる事ならできるけど、気配で強い弱いを判断する事なんてできない気がする。


 考えこんでいると何かがここに近づいているのが分かった。確かめるために屋敷の出口へ走る。


「リンさん一人でいくのは危険です」


「ベールちゃんも気づいたの?」


「2人こっち近づいてきてます。少し離れた位置にも2人」


 扉を開けると、魔人とシェリーが空中をしながら戦っている。


「あれってシェリーだよね」


「間違いなくシェリーさんですね」


 魔人の風魔法を余裕の表情で受け止め回し蹴りする。


 戦いを見ていると息を切らしながらオペラが追ってきた。


「2人とも急に走らないでよ」


「オペラさん無理しないでください」


 オペラは大丈夫と答えるが全然大丈夫そうには見えない。屋敷の出口までの距離はそこまで遠くないのに全力で走り切った後のように疲れている。


「ねぇオペラちゃんあの魔人がそうなの?」


「はい、あれが生き返った魔物です」


 3人は魔人とシェリーの戦いを眺める。戦いは一方的でこれまでの戦いで有利だった魔人が押されている。

 

 魔人の攻撃を簡単にいなし魔人を投げる。投げられた魔人は屋敷にぶつかる。

 避難していた人は突然飛んできた魔人に驚き身を寄せるが魔人は彼らに目をくれず彼女の元へ飛んでいく。

 魔人の魔力砲とシェリーの巨大な火球が衝突し衝撃と強風が起こき屋敷やその周辺の建物の屋根、瓦礫などが飛ばされる。


 リンの体が空に舞う。オペラとベールが慌てて手を取る。


「軽いんだから飛ばないように気をつけて」


「そんなに軽いかな」


「リンさんご飯食べますか?流石に軽すぎます」


「えっそんなに?!」


 シェリーに弾かれた攻撃が辺りを破壊する。当然、屋敷にも攻撃が当たる。天井や壁に穴が空き落ちてくる。

 

 それに気づいたシェリーは場所を変えようとしたが魔人が周囲を大きな竜巻で閉じ込める。

 竜巻に魔法を放つが圧倒な風の威力には消えてしまう。

 

 渦が竜巻へと押し飛ばす。渦から抜け出し手から炎を出す。

 魔人は炎へ飛び込む。炎を風で引き寄せ炎を纏った風の球にし炎の中へ放った。放たれた球は炎を抜けシェリーに向かう。

 燃えるこぶしで球を殴ると爆発する。魔人とシェリーの放った魔法が衝撃した時よりも強い衝撃が起こる。

 リン達は防御魔法を唱えようとした瞬間、水の壁と光の壁が衝撃を防いだ。


「ニーナさんと誰ですか?」


「あっ、この前の。えっとマリアだっけ?」


「合ってますよ。ここにいると危ないですから離れて」


「ほらこう言ってるし中に戻ろうよ」


「いやだ。戦かうのがダメでもせめて殴られた分はやり返させて。いいよね?ありがとう」


「何も言ってないよ!」


 リンは魔人を探す。空で戦っていた2人はいつの間にか降りたのか空を見ても見つからない。



 一度はシェリーに傷を負わせた魔人だが優位にたつことはできず圧倒され自身が死ぬのも時間の問題だった。


「ちょっと手こずったけど終わりだね」


「そうだな」


 魔人は満足したような顔をしている。


「死ぬっていうのに嬉しそうだね」


「そりゃあここに来て強い奴と戦えたんだ。満足だ」


 シェリーがトドメを刺そうとした時、リンが魔人を殴る。殴られた魔人は彼女と一緒に近くの建物に飛ばされる。


「あっ……どうしよう。シェリーに気づかなくて思っきり殴っちゃった」


 怪我させてないか、後で怒られないか。そんな事を考えてるシェリーは起き上がる。


「いたた…殴るのはいいけど周りをよく見ようね」


「ごめんなさい」


「リンちゃんの一撃で魔人は死んだよ。パンチ1発で魔人を倒すなんて凄いね」


「変異種だった時に言われた本気でやれって。でも本気の出し方が分かんないから思っきり殴った。殴られた分の仕返しって意味もあったけど」


「変異種に殴られたのによく大怪我しなかったね。魔人も倒したし屋敷に戻ろう」


 屋敷に戻るとユウリとマリーがいた。シェリーはリカールに魔人を倒した事を伝えた。


 リンはユウリに詰められていた。


「リン、何で魔人と戦いにいった?何で友達の忠告を聞かなかった?相手は魔人だ。変異種の攻撃受けて意識失ってたのに何で勝てると思った?」


「えーと、勘?なんか負ける気がしなかった」


 ユウリは頭を抱える。


「あのな命をもうちょい大事にしろよ。死んだら終わりなんだぞ」


「そうだね。死んだらね」


「次からは気をつけろよ。次があるのも困るけど」


「怒られるた後に聞きづらいんだけど、連絡したのに何で気づかなかったの?」


 質問すると目線を逸らながら小声で話す。


「声小さくて聞こえない。もう少しはっきり言って」


「いやー、楽しくメシ食ってて気づかなかった」


 銃をユウリに向ける。


「おい待ってくれ。わざとじゃないんだ。許してくれ。それにその時、マリーやリカールだっていたんだ。あいつらだって同じだろ」


「2人には連絡してないからいい。でも連絡したのに気づかないのはダメでしょ。最初からユウリ達がやってれば魔人になる事もなかったのに」


「それ言われると何も言えない」


 ユウリの通信機にグリシャからの通信が入る。王都に残っていた魔物は全て倒したと連絡が入った。その事をリカールに伝えた。


 日が上り街を照らす。屋敷周辺以外の建物はほぼ残っていなかった。

 ニーナは皆を怖がらせちゃうからといい帰った。シェリーも仕事をするために森へ戻った。


 魔人と魔物が倒された事を聞き避難していた人達が外に出てくる。


「なあ魔人と魔物は倒したのか」


「ああどっちも大丈夫。彼らが倒してくれた」


 彼らはリン達に感謝を伝え帰っていったが1人の少女が残っていた。


「帰らないの?」


「お父様、その子は騎士の方が預かっている子です」


「ならその騎士に来てもらった方がいいか。その騎士がどこにいるか知ってる?」


 少女は涙を流しながら首を振る。


「そこを預かってた騎士なら死んでるよ。オペラを探してる時に1人の騎士から聞かれたんだ。近くで女の子を見なかったかって。それなりにかっこいい顔してた人なんだけどその人?」


 少女はうなづいた。


「そうか。悲しい事聞いてごめんな。良かったら俺ん家で住むか?」


「リカールさん、すみません。この子私が預かります。こういった子の保護するのも教会の仕事ですから。それに教会には彼女と同じくらいの子がいるので彼女も安心できると思います」


「こう言ってるだけどどっちがいい。俺ん家か教会か」


「お姉さんの方にする」


「マリアこの子をよろしく」


「任せてください。失礼します」


 リカールは歩いていく2人を見送った。


「さてリン、オペラ、ベールお前らも疲れただろうから一旦休め」


「やった早く寝よう」


「その前にお風呂に入ろうね」


「えー嫌だ」


「お風呂に入った方がよく寝れますよ」


「お風呂に入ろう」


 リンは屋敷の中へ走っていき2人も走る。

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