3話 遭遇(2/18修正)
「グレース、1人でなーにしてるの?」
「なんだエリスか。ちょうどみていたところだ」
「なにを?」
ハァっとため息をつく。
「世界の様子だよ」
「世界?最近よく見てるよね。なにかあったの?」
「もうそろそろいいしれない」
「えっほんとに?!でもこの前みたいに全然楽しめないかもしれないからあまり期待しないでおこうかな」
「そうならないように少しテストしている」
「ふーん。それじゃあ後で結果を教えてね」
エリスはスタスタと立ち去った。
「内容とかは聞かないんだな。まぁいいか。さてとこの2人はこいつをどうするのか楽しみだね」
アルラウネは触手をウネウネとさせながらこちらを見ている。ボクは恐怖でその場から動けずにいた。
「リン走れ!私がコイツを足止めする」
強引にバイクから降ろした直後アルウネラに向かってバイクを直進させた。
「お姉さんこわーい。けどそんな乗り物なんか聞かないよ」
腕を伸ばしバイクを受け止めそのまま投げ飛ばす。
「マリー!」
「あの姉さんより自分のことをきにしたらどう?」
後ろから声が聞こえる。
「いつの間に」
その場から離れようとするが触手で拘束される。
「近くでみるとやっぱり美味しそう。それこそさっき食べた奴らより」
「まさかあの街にボク以外いなかったのは」
「そうよ、あたしが全員美味しくいただいたわ。そしてあんたもそうなるのよ」
ハエトリソウのような触手がボクに伸びる。死を覚悟した時マリーがボクの目の前にいたアルラウネを蹴り飛ばした。
「あんたよくもやってくれたわね。あれ借り物だから壊したらダメなのに壊れちゃったじゃない。一体どうしてくれるのよ!」
文句を言いながら相手を殴り続ける光景が目に映る。それからしばらくした後彼女は死んでしまったのか全く動かなくなってしまった。
「はぁ。本当にどうしよう。とりあえず壊れたバイクとこいつを持っていて説明しよう。そうすれば多分なんとかなるかもしれないし」
不安そうな表情で壊れたバイクにアルラウネの亡骸を乗せた。
「よしトラブルもあったけどようやく入れる。それじゃあ行こうか」
「う、うん」
ボクはこの先マリーを怒らせないようにしようと誓い、ボクたちは帝国に入った。
「いやー驚いた。まさか拳だけで倒すなんてねぇ。結構強めに作ったんから少しだけショック。テストの方はぎりぎり合格かな」
「グレース。テスト終わった?」
「丁度いいタイミングできたねエリス。テストはぎりぎりだったけどもういいんじゃないかな?」
「ほんとに?」
「うん。だけどもう少しだけ待ってね」
「はぁーい。そうだ。他の3人にも伝えてくるね」
「ありがとう。アタシも楽しみだなぁ」
そんなことを呟きながらエリスはモニターから離れた。