2話 転生?(2/23修正)
うっすらと意識が冴えてきて目をあける。
「ここは?」
スラム街のような思える光景が目に映る。周囲をを見渡すが誰もいない。
「誰もいない?」
ボクは荒れた道を歩き出す。ふと通りにあった鏡をみる。そこにボロボロの布切れを1枚は羽織った白髪の幼い少女の姿があった。
「…え?」
鏡に写った自分の姿に困惑する。見間違いかもしれないと思い再び鏡を覗く。
「見間違いじゃなかったのか。それにしてもどうなってるんだ?ボクは死んだはずじゃ?もしかして転生したの?」
いくつか疑問があるが考えても分からないのでとりあえず歩くことにした。
「少し歩いたけどボク以外の誰とも出会ってない。もしかして何かあったのかな?」
そんな事を考えていると1人の女性がバイクに乗ってやってきた。
「こちらマリー。先程魔物の襲撃があった帝国遠郊のスラム街で生存者1名確認。」
「了解。生存者を保護して戻ってきて」
「わかりました。そこの貴方大丈夫?」
どうやら女性は誰かと話しているようだった。話し終わったのか女性は手を差し出す。
「一応大丈夫です」
「よかった。とりあえず一旦ここから離れよう。まだ魔物がいるかもしれないから」
女性はボクをバイクに乗せるとバイクを走らせた。
「離れるってどこに行くの?」
「今から帝国の都市部に戻る。そこで君を安全な場所に預けたあと私は部下と一緒にスラム街を襲った魔物を討伐する。」
「その魔物ってなに?」
「人を襲う危険な生き物の総称だよ」
「沢山いるの?」
「あぁたくさんいる。例えばオオカミに似た魔物やイノシシに似た魔物、それから植物の魔物なんかもいるんだ。そういえば君たちを襲ったのはどんなやつだったか分かるかい?」
そんな質問をされても答えられない。だって外見は少女でも中身は転生して間もない男子だから。
「ごめんなさい。物陰に隠れてたからみてないです。」
「そうか。あっ!」
「どうしたんですか?」
「自己紹介がまだだったね。私はマリーって言うんだ。よろしくね。君の名前は?」
「リン……」
何となく頭に浮かんだ名前を口に出す。
「リンちゃんって言うのか。よろしくね。おっそろそろ着くよ。」
そう言うと奥の方を見るように指を指す。ボクは指を指す方向が気になり見てみると大きな建物のようなものが見えてきた。
「あの大きな建物は?」
「あれは帝国の中心部にある時計塔だね。正直大きすぎると思う」
「ふーん」
話をしているうちに帝国の門番へ着いた。マリーは本来ならいるはずの門番がいないことに気づいた。
「なぜ門番がいない?」
「だ、誰か助けてくれー」
自分たちの後ろの方から男の声が聞こえた。振り向くと男が下半身が植物のつぼみの様になっている緑色の少女の魔物に襲われていた。マリーが男性を助けようとしたがあったという間に殺されてしまった。
「アルウネラが何故こんなにも所にいるんだ。こいつは本来植物が多いところにいるはずなのに。」
男を殺したアルラウネはこちらの存在に気づきジッと見つめた後に口を開きこう言った。
「君たちの方が美味しそう」
彼女はペロリと舌を舐めた。
-----〈挿絵〉-----
不定期更新になってしまいますがよろしくお願いします。
挿絵は絵師さんに依頼しました。文章と違うところがあるかもしれませんが気にしないでください。主人公のイメージイラストとして見てください。