14話 臨時休校
魔物が街に現れた次の日、学園は臨時休校になり寮から外出禁止された学生たちは暇な時間を過ごしていた。
「外に出ちゃダメなんて言われてもやることないんだよなー。魔法で遊ぼうかな」
魔法で遊んでいるとノック音が聞こえる。リンは扉を開けるとベールがいた。
「リンさん今お時間いいかしら?」
「大丈夫だけど」
「ありがとう。お部屋に失礼するわね」
ベールは部屋の中に入る。
「リンさんは昨日魔物に襲われていたオペラさんを助けたそうですね」
「そうだけどなんで知ってるの?」
「オペラさんが教えてくれました。『リンちゃんがあたしを助けてくれたんだー』って」
「ふーん」
「それで学園長が貴方に表彰を与えるそうです」
「要らない」
「……え、要らない?」
ベールはリンの言葉に疑問形で返事をする。
「それはどうしてですか?」
「どうしてって言われても要らないものは要らない。友達を助けただけなのにどうして表彰されるの?」
「下手したら命を落とすかもしれないのにそれにも関わらず貴方は友達を助けた。だから表彰されるのです」
「受け取らないとダメですか?」
「ダメです」
面倒だなぁと思いつつも後日表彰を受け取ることにした。
「それと銃は今回のような事態でない限り使わないほうがいいと思います。それでは失礼します」
ベールは話を終えると部屋をでた。
「表彰されるの面倒だなぁ。人前に立ちたくないんだけど。お腹減ったしストックしてたお菓子食べよう」
リンはストックしてあったお菓子をただひたすらに食べた。
男子寮で男子たちが臨時休校と聞いてはしゃいでいた。
「おいお前聞いたか?今日休みだってよ」
「マジで?」
「マジマジ!それで今みんなで遊ぼうって話してるんだけどおまえくるか?」
「もちろん遊ぶにきまってるだろ」
「オーリーとテオスの2人もくるか?」
「トロワくんごめん。ボクはまだ怪我が治ってなくて」
「ボクは本を読みたいからいいかな」
「わかった。もし遊びたいたくなったら言ってくれ」
トロワは数人の男子と共に寮の共同スペースにいった。
「ボクも遊びたかったなー」
「テオスくん怪我しちゃってるから仕方ないよ」
「そうなんだけどさぁ…」
「読書なんてどうかな?実は最近面白い本を見つけてそれにハマってるんだ」
「どんな本なの?」
「この本だよ」
テオスが質問するとオーリーは自分の手に持っていた本を見せる。
「内容は『多次元世界』について語られてるけどほとんどが著者自身がみた他の世界の景色について述べてるだけだね」
「それ面白いの?」
「もちろん面白いよ。著者の方がみたものを書かれてるだけとはいえ、他の世界について知れるんだよ?」
オーリーは興奮して顔を真っ赤にしていた。
「もし読みたくなったらボクに言って。この本何冊もあるから」
「あ、ありがとう。機会があったら貸してもらうね」
テオスは本に興味を持ったが休みたくなったので自室に戻り、オーリーはそのまま本を読む。
本を読み進めるとある文章が彼の目に留まる。
''尚、わたしがみた数多の世界の内のいくつかは彼女たちによって滅ぼされているだろう''
「彼女たち?滅ぶ?どういう意味なんだろう?」
オーリーは疑問を抱いたがあまり考えず本を読み続けた。
更新が遅くなってしまいすみません。