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ダンジョン&ガンマン  作者: コウ
8章 ギフト教と蜂起
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12話 蜂起⑦

「クンクン……ワン!」

「ここか」


 グレイに連れられて辿り着いた先は街の一角にある倉庫みたいな小屋だった。


 周辺を青いシスター服を着た女が5人見張っている。間違いないようだな。


「グレイ、右の2人を頼めるか? 俺は左の3人をやる」

「ワン」


 俺は雑嚢から消音の腕輪を出して右腕に着ける。


「行くぞ」


 俺とグレイは飛び出して急襲。


 パシュパシュパシュ


 弾丸は3人の信者の胸、喉、額に当たり、悲鳴を上げることなく即死した。


「ワン」

「そっちも済んだか」


 残りの2人も首から血を流して倒れている。これで警護は倒したな。


 俺は小屋に近づき窓から中を窺う。


 青いシスター服の信者達が10人、それぞれ休憩しているみたいだ。マルグリットの姿は見えない。


「本当にここか?」

「ワン」


 グレイがそう言うならそうか。


 となると……地下だな。


 だが、あの人数のギフト持ちの相手と戦うのは骨が折れる。


「少々乱暴だが、しょうがない」


 幸いここは倉庫区画のようだし人もいない筈。後で全部ギフト教の所為にしておこう。


 俺とグレイは小屋から離れて篭手から粒子を出してリボルバーに纏わり着かせて、長大な砲にする。

 

 ドォォォォンッ!!


 『貫通』と粒子を纏った光弾は、小屋に着弾、小屋を木っ端微塵にした。


 中の信者達は何も分からずに死んだに違いない。


 見るも無残に廃墟になった小屋に入り、俺は地下室を探そうとすると。


「何があったのですか!?」


 地下から黒いシスター服の女性が出てきて……眼が合う。


「……あ」


 バンバン!


 俺は間髪いれずに発砲。黒いシスターの両肩を撃ち抜く。


「あ、ああああああああああっ!!?」


 悲鳴を上げて再び地下に転がり落ちる信者。


 俺は開けっ放しの地下室の入り口に入り、階段を下る。


「バン!?」

「マルグリット……見つけた」


 そこには縛られていたマルグリットがいた。


 俺はマルグリットの拘束を解くと、マルグリットが俺に抱きつきキスをする。


「来てくれると信じてた!」

「無事でよかったよ」


 俺はあやすようにマルグリットの背中をポンポンと叩く。


「所で、『転移』で逃げられなかったのか?」

「ああ。あの大司教とか言うやつのギフトの所為でな」


 マルグリットは忌々しげに、痛みでうずくまる大司教と呼ぶ女に視線を向ける。


「あいつは『無効』のギフトを持っていた。それで『転移』が出来なかったんだ」

「なるほど」


 『無効』か。ギフト使いの天敵のようなギフトだな。


 ……まあ、本人に戦闘能力は無さそうだが。


「さて……おい、大司教とやら」


 俺は銃口を大司教に向ける。


「ひっ!?」


 大司教の顔が恐怖に歪む。


「お前達の人数と、配置は?」


 そう言って、銃口を大司教の頭に押し付けた。




「枢機卿が全員で3人。大司教はそいつ1人。司教は5人。信者が100人か」


 俺達は大司教から情報を吐き出し、気絶させて縛り上げて今回の構成人数を再確認する。


 だが、人数と構成、拠点だけで信者のギフトは知らないらしく、聞き出せなかった。


 しかし枢機卿のギフトは分かった。『洗脳』のギフトを持っているのは最後の枢機卿だ。


「しかし、よりによって領主の別邸を拠点にするとは……」


 思い入れもあるだろう。マルグリットは悔しそうな顔をする。


「しかも『洗脳』で操られている冒険者が殆ど。目的はダンジョンの独占にバンとカナの身柄とはな」

「マルグリットには協会に顔を出して無事の報告をして欲しいんだが」


 マルグリットに一通りの説明をして情報を共有して、マルグリットに話をする。


「分かった……だが大丈夫か?」

「枢機卿は2人倒したし、後は『洗脳』のギフトを持つ1人のみ。枢機卿も司教と信者と一緒に別邸だ」


 場所さえ分かれば後は倒すのみ。


「洗脳された冒険者達にゲリラ戦を仕掛けているミリアたちを戻して拠点を襲撃しよう」

「それしかないか……」


 俺とマルグリットは大司教を引きずって地下室を出た。


 ◇


「どうなっているのよー!?」


 枢機卿の1人、ビビは領主が使っていた豪華な部屋で報告を聞き悲鳴を上げる。


 計画は上手くいっていた。殆どの冒険者は『洗脳』して操り人形にし、領主の一人娘も誘拐。後は『聖人』と『聖女』の確保だけの簡単な仕事だった。


 それなのに枢機卿の2人は倒され、マルグリットも奪還された。ビビの『洗脳』は強力だが、洗脳が多いほど簡単な命令しかできず、そこを狙われて協会に立てこもっていた『白薔薇』と『飛脚』が反撃。各個撃破される始末。


 今ギフト教は追い詰めていた連中から追い詰められていた。


「忌々しい!」

「ビビ様、これからどうします?」


 報告に来た『共有』のギフトを持つ司教が聞いてくる。


 『共有』のギフトは対象の視界や聴覚を共有して相手の行動を監視できるギフトだ。


 『共有』を持つ司教が洗脳した冒険者の視界を共有して街を監視していた為、直に今の事態が分かった。


 このままではこの拠点に冒険者達が来る。


「洗脳した冒険者を集めて協会を襲撃するわよ」

「え?」

「その間に『聖人』と領主の娘を洗脳するわ。2人さえ確保すれば後はどうにでもなる」

「し、しかし……ビビ様の安全が」

「私達にもう選択肢はないの! 急ぎなさい!」

「は、はい!」


 ビビの怒声で慌てて部屋を出る司教。


「今に見てなさいっ!」


 ビビの目は怒りで満ちていた。

次回「蜂起⑧」

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