11話 銀竜
「ガウ!」
最初に動いたのはスカイウルフだ。
電光石火の速さで銀竜に近づき、爪を振るう。
振るわれた爪は飛ぶ斬撃となり、銀竜に当たるが、銀竜にダメージがない。
俺も翼から粒子を吹き出し急上昇。『貫通』を使い首に撃つ。
ドォン!
「ちっ!」
だが、当たったとはいえ鱗が一枚割れかけただけで大したダメージじゃない。
どんだけ固いんだよ!
「ガアアアア!」
銀竜は雷を周囲に降らせ、俺達に攻撃してくる。
俺達は回避に専念して雷を躱していた隙に、銀竜は爪に雷を纏わせて攻撃力してくる。
「うお!?」
辛うじて避けたが、翼が焼き切られ、バランスを崩して落下する。
「ガウ!」
すると暖かく柔らかいものが俺の落下を阻止した。
「……スカイウルフ。乗せてくれるのか?」
「ガウ」
「ありがと……さあて、やりますか!」
「ワオーン!」
スカイウルフにまたがり、俺は翼を消してリボルバーに粒子を纏わせる。
「うるさいけど我慢してくれ」
「ガウ!」
スピードではこっちが上だ。
スカイウルフが縦横無尽に走り回り、銀竜を翻弄している間に俺はリボルバーを長大な砲にして、狙いを定める。
狙うは一箇所。俺が割った鱗の場所にもう一度ぶち込む!
俺はスカイウルフの動きに合わせて狙いを定める。
銀竜が俺達に背中を向けた瞬間、
ドオオオオン!!
引き金を引き撃つ。
だが、
「くそったれ!」
銀竜は予測していたのか、光弾は躱された。
そして次は自分の番だと言わんばかりに銀竜が大きく息を吸う。
「ブレスが来る。避けろ!」
「ガウ!」
スカイウルフは銀竜の射線に入らない様にジグザグに動く。
「ガアアアア!」
だが、吐き出されたブレスは予想と違い、光線が雨の様に無数に降り注ぎ俺達を襲う。
「そんなのありかよ!?」
俺は咄嗟に粒子を集めて盾にして、光の雨を受け止める。
光の雨が止んだ瞬間、盾を消したが既に銀竜の姿はなかった。
「どこ行った?」
俺は上下左右見回すが、銀竜の姿が見えない。
だが、これだけは確信して言える。また仕掛けてくる。
「ガウ!?」
「見つけたのか?」
スカイウルフが遥か上空を見上げる。
俺も上を見上げると、そこにはブレスを溜めていた銀竜がいた。
「かわーー」
躱せと言おうとした瞬間、嫌な予感がして下を見る。
ーーブレスの射線には、冒険者達が竜と戦っていた。
再び銀竜を見ると、ニヤリと笑った気がした。
「クソがああああ!」
俺はリボルバーに粒子を纏わせ、長大な砲を作り、『貫通』を使って引き金を引く。
ドオオオオン!!
同時に銀竜も光線のブレスを出した。
俺の光弾と銀竜の光線が重なった射線。
光弾と光線がぶつかった瞬間、大爆発が起きた。
大爆発が起き、煙が晴れるとそこには全身火傷で辛うじて立っているスカイウルフだけだった。
それを見て銀竜は確信した。
あの人間は死んだと。
後はこの狼を殺せばお終いだ。
「そう思うよな」
「ガッ!?」
気付けば、人間が背中に乗っていた。
「ジャケットがあって助かったぜ」
バンは爆発した瞬間、粒子の翼で飛び立ち、最短距離でダメージ覚悟で爆炎の中に突っ込み銀竜の背中に近づいた。
危険な賭けだったが、耐火性のあるジャケットのお陰で死なずにすんだ。
まあ、それでもジャケットは見る影もなくボロボロで、全身に火傷を負ったが。
「もう終わりだ」
俺は長大な砲を形成し、砲口の先端を割れかけた鱗に押し当て、最後の気力を使い『貫通』を使い引き金を引こうとした。
たが銀竜もそうはさせじと体を振り回し、首をよじり口から上空にブレスを出そうとする。
さっきの様に光線の雨を降らせるつもりか!
「このやろっ!」
俺は粒子を茨状にして竜に巻きつかせ、振り落とさされない様にしがみつく。
そこにスカイウルフは残った力を振り絞り銀竜に突貫。銀竜の首にかぶりつく。
銀竜は一瞬動きを止め、スカイウルフを振り落とす。
だが、その一瞬が銀竜に致命的な隙を作った。
俺は引き金を引く。
ドオオオオン!!
ゼロ距離射撃は俺と銀竜の首を吹き飛ばし、地上に落下していく。
竜と地上に落ちていく中、俺の意識がなくなった。
「バン!」
マルグリットが『転移』を使ってバンを抱き止める。
そして再び『転移』。バンを地上に降ろす。
ちなみにスカイウルフも同じ要領で地上に降ろした。
地上では竜の討伐は終わり、怪我人の治療などを行っていた。
バンとスカイウルフに意識はなく、全身酷い怪我をおっていた。
「回復薬を早く!」
冒険者達からありったけの回復薬をもらうとバンとスカイウルフに降りかける。
だがこれだけでは駄目だ。
「エレ! ミイを連れて来てくれ!」
「了解っす!」
エレが『浮遊』を使って高速で去っていく。
ミイの『治癒』なら回復薬よりも効果があるはずだ。
「死なせないからな! 私を未亡人にするなよ!」
マルグリットは回復薬を掛けながらバンとスカイウルフの応急処置を行った。
次回「天殺」




