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ダンジョン&ガンマン  作者: コウ
7章 結婚騒動と竜
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8話 暗殺

 数日後。


「……何事?」


 俺達の住む家の隣に、大量のトラックが並んで大勢の女性達が荷物を運んでいた。


 しかも女性達は知っている顔ばかり。


 『白薔薇』のメンバー達だ。


 ミリアは何か企んでるのは知っていたが、まさか拠点の移動をするなんて。

 

 確かに隣は空き家で俺達の屋敷並にデカかったが、まさか引越しをするとは。


「バン。これからよろしく」


 外でその光景を見ていた俺に、ミリアが挨拶する。


「あ、ああ。まさかここまでするとは」

「本当は私1人引っ越すつもりだったけど……あの子達が着いて行くと聞かなくてね」


 困ったように言うが、ミリアの顔は何処か嬉しそうだった。


「ギルマスをお願いしまーす!」

「ギルマス! お幸せに! 側で楽しませて下さい!」

「ギルマス悲しませたら殺すんで」


 『白薔薇』のメンバーは俺とミリアの事を応援してくれていた。


 まぁ楽しんだり、物騒な事を言う人もいたが。


 まあ、これでミリアも通いやすくなっていいか。


「……は!?」


 いつの間にか、結婚生活に前向きになっていた俺がいた。


 なんだかんだでこの生活を、楽しんでいたらしい。


 いかん。俺には記憶を戻すという目的がある!


「……と言う訳で、ダンジョン探索を再開しようと思う」


 俺はメンバーを集めてダンジョン探索を提案した。


「やっと?」


 レンが呆れて言ってきたが、俺もそう思う。


「思えば『大増殖』から色々ありすぎた」


 主に領主騒動だったがな。


「そうだな。そろそろ体も鈍ってきた頃だ」

「そうですね。私も賛成です」

「ワン!」

「「「「異議なし」」」」

「了解です」

「はは! 初めてのダンジョン探索か。ワクワクして来た!」


 全員が賛成した事により、日程を決めてダンジョン探索をする事になった。


 ◇


 その夜。


 全員眠り帰った静かな廊下に音もなく歩く侵入者。


 屋敷の構造は把握済み。対象の部屋も目処が付いている。


 侵入者は音もなく扉を開けて、中の様子を窺う。


 今日は三人の美女達とねんごろしていなく、あの時一緒にいた幼女と寝ていた。


 幼女ーーカナがいるのはやり辛いが、しょうがない。


 侵入者ーーステラはグローブを付けた指を腰に付けた毒薬の入った瓶に付け、指をバンに向ける。


「さようなら」


 せっかくいい縁が出来たと思ったのに残念だ。


 ステラは『指弾』で毒液を針状にして飛ばそうとした時、


「こんばんわ」

「な!?」


 何時からかバンが起きており、リボルバーをステラに向ける。


「何時から起きてたの?」

「ついさっきまで寝てたよ」

「……なんで起きたの?」

「んー……殺気?」

「なんで疑問系なのさ」

「で、こんな夜更けに何の用?」


 俺はリボルバーの引き金に指を掛けて聞く。


「ん~夜這いだったけど……無理みたいだね」


 寝ていたならいざ知らず、巨獣を倒した英雄に正面切って殺せるとは思えない。


 ステラは諦めて、両手を上に挙げた。


 


「で、俺を狙った理由は?」


 俺はステラを拘束して俺の寝室で尋問する。


 騒ぎを聞いて起きたメンバーも俺の寝室に押しかけた。


「私は何でも屋だよ」


 雑用から暗殺までやるのか。


「成程。依頼相手は?」

「さあ?喋らず顔も見せなかったから分からない」

「やけに素直に答えるな?」

「こうなった以上、素直に喋った方がいいでしょ?」

「状況によるな」


 俺はステラと押し問答している間に、カナの様子を伺う。


 カナは俺を見て頷いた。嘘は言ってない様だ。


「心当たりは?」

「ないね」


 うーん、どうしようか。


「取り敢えず、不法侵入と暗殺未遂で憲兵に突き出すか」

「いやー、お姉さんまだ自由の身でいたいかなー」

「何言ってんだ? 私の旦那様を殺そうとしたんだぞ」


 マルグリットが憤慨してステラに詰め寄る。


「まあまあ落ち着いて」

「旦那様は甘い!」

「ここでステラを処罰しても同じ事がまた起きるぞ」

「それはそうだが……」

「そこでステラに提案。このまま憲兵にしょっ引かれるか、俺達に協力して刑罰を軽くしてもらうか……どっちがいい?」

「後者でお願いします!」


 なら決まりだ。


 俺は作戦を皆に伝えた。



 

 翌日。


 ステラが拠点にしている酒場。ステラはいつもの様に酒を飲んでいた。


 そこに以前も来た黒ローブの人物が音もなく座る。


「依頼なら終わったわよ」

「……」


 黒ローブは喋らず手紙を渡す。


 ステラはそれを読んで胡乱げに見つめる。


「証拠ね……これでどう?」


 ステラはカバンからバンが愛用していたリボルバーをテーブルに置き、黒ローブに見せる。


 黒ローブはリボルバーをステラに断りなく懐に入れると、金が入った袋を置いてその場を立ち去ろうとする。


「待ちな!」


 そこに憲兵達を連れたマルグリット。


「そこの黒ローブを捕えよ!」

「ちっ!」


 黒ローブは舌打ちしながらリボルバーの銃口をマルグリットに向ける。


 リボルバーの扱いを知っているとなると、カナの誘拐騒ぎの時に居たな。


「なっ!?」


 だが、リボルバーが消えて、憲兵達の中にいた俺の手元に戻った。


「捕えよ!」


 黒ローブは抵抗空しく捕まる。


「くそ!」


 黒ローブを取ると、30歳位の金髪の男性の顔が顕になった。


「こいつは……」

「知り合い?」


 俺はマルグリットに聞く。


「ああ。前に私に求婚してきた男だ」




 事情を聞くと、男の名前はゾン。


『フォルト』の()上層部の息子だった。


 前領主の死後、大幅な人事異動で不正等が発覚してから役職を剥奪。落ちぶれてしまい、前々から求婚していたマルグリットに取り入ろうとしたが、俺との結婚が発表。


「それで俺を殺そうとしたのか」


 何というか、恋愛絡みならいざ知らず、自業自得でのこの騒動なら同情の余地はない。


 結局。ゾンは憲兵に連れて行かれて、後日死刑が決まった。


 そしてステラは、


「またね~」


 と言い残し、いつの間にか消えていた。


 憲兵達は血眼になって探しているが、多分見つかんないだろうな。


 ◇


「いやー面白かったな」


 ステラは路地裏を歩いてひとりごちる。


「……で、何の用?」


 ステラは振り向いて誰もいない路地に声を掛ける。


「何時から気付いてた?」


 そう言って影から現れたのは黒ずくめの若い女性。


「いやー、カマ掛けたんだけど大当たりとは」


 ステラは肩をすくめておどける。


「……まあいい。仕事だ」

「へー」


 そう言って手紙を投げ渡して受け取ると、既に黒ずくめの女性は姿を消していた。


「はぁ……お姉さんは面白く生きていたいのにな~」


 ステラはそう言って手紙を見る。


 手紙の内容を見て、ステラの表情が変わる。


「……マジ?」

次回「6層」

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