6話 結婚騒動
2日後。
『ディアール』からトラブルも無く、『フォルト』に帰ってきた俺達は家に帰り、マルグリットとお世話のメイドのリンの自己紹介と、『白薔薇』のミリアとティアと一緒に事の顛末を説明した。
そして……。
「バン」
「はい」
俺はカナに言われる前に、談話室の床に正座をする。
「バンがモテるのは知っているけど、お嫁さんの私にだまって結婚ってどうゆうこと?」
「いや、けっしてカナを蔑ろにした訳ではなくて……」
俺はカナに一生懸命弁明をしている時、外野は。
「まさかバンがマルグリット様とミリアさん、ティアさんと結婚するなんて……」
「ああ、驚きだ」
「しかもギルドに入るなんて……すごい展開になってきましたね」
「ははは! 新入りだがよろしく頼む! 別に敬語は使わなくていいぞ!」
マルグリットはすぐにメンバーと仲良くなり。
「メイド長のノアです」
「エレです」
「リンです。公私共によろしくお願いします」
メイド集団はお互いに自己紹介をして、
「……私達、とんでもないギルドに入ったんじゃ?」
「もうなにがあっても驚かない」
「僕達、やっていけるかな?」
「がんばろう!」
4つ子は部屋の隅でひそひそ話をし、
「まったく、ここは騒がしいのぉ」
「……同意。けど、嫌じゃない」
エルフの幼馴染はギルドの光景を遠くから眺め、
「ワン!」
1匹は楽しそうに尻尾を振り回していた。
ああ、何時もの光景だなぁ。
「バン? 聞いてる」
「はい!」
俺はカナに足が痺れて動けなくなるまで説教を受けた。
「英雄も幼女には形無しだな」
「このギルドで一番権力があるのはカナちゃんよ」
「本当か……」
マルグリットはレンの言葉に戦慄を覚えた。
◇
翌日。
昨日は色々一悶着あったが、俺の足を犠牲にようやく解放された俺。
はぁ。精神的に疲れた。
「それで、何時ダンジョン探索に行くんだ?」
マルグリットはウキウキしながら聞いてくる。この戦闘狂め。
「まずは冒険者登録しないと駄目でしょ?」
「おお。そうだった!」
どうやら忘れていたらしい、手を叩いて頷いていた。
こうして俺とマルグリットは協会に行く事になった。
「スチームサイクルで移動するから掴まって」
「スチームサイクルか……初めて乗るな」
まあ、移動は大体車だろうからな。
俺はバイクに跨り、後ろにマルグリットが乗り込む。
俺の腰に抱きつき、胸の柔らかさが背中に伝わる。
「どうした?」
「い、いや……行くぞ」
俺は照れを誤魔化してバイクを発進させた。
「んふふ」
マルグリットにはバレバレだったが。
「おおー! 風が気持ちいいな!」
マルグリットがはしゃぎながらも走行し、協会に着いてマルグリットが登録している最中に、協会長のマリナに呼ばれた。
「マルグリット様とミリア嬢、ロガーティア殿との結婚にギルド加入とは、まったく、話題に事欠かないな君は」
もう知っていたのか。この調子じゃ商隊にいた誰かが言いふらしているな。
「俺の所為じゃないです」
不本意にも、いつも俺は巻き込まれてばかりだ。
「まあ、君のトラブル体質には同情するよ」
「いい加減普通の冒険者として活動したいんですけどね」
「……記憶を戻すためか?」
……知っていたのか。
「なに、これでも協会長だ。冒険者達の情報も入ってくる」
「そうですか」
「だが、ダンジョン攻略者は願いが叶うという話しは眉唾物だぞ?」
「知ってますが……それしか方法がもう無いんで」
病院も駄目だったし、俺には藁をも掴む思いでやっていくしかない。
「そうか……それで話が変わるが、護衛中にスカイウルフに遭遇したとか」
「ええ。怪我していたので治してたら飛び立ちましたが」
「ふむ……」
「そこまで大事ですか?」
「いや、スカイウルフ自体悪獣じゃないので問題ないが、あのスカイウルフが怪我をしていた件が気になってな。あれはかなり強い」
だろうな。俺もあの巨体を見て強いと思った。
「近々何か起きるかもしれないので、協会としても調査しておきたい」
「俺達にも依頼を?」
「いや。『飛脚』がする。あのギルドは協会が創った直属のギルドだからな」
なるほど。だからギルマスと仲良くしているのを時々見かけるのか。
「後聞きたいのは、結婚式は何時やるんだ?」
「いや、俺成人していないので、今は婚約関係です」
結婚の阻止は諦めたが俺は自称15歳だから結婚できないし。結婚は成人の18歳からだ。
「そうか……まあ、レント様の事だから盛大にやるだろうな」
「俺としては慎ましくやりたいんですが」
「無理だな」
そうですか。
「まあ、3年後を楽しみにしているよ」
「はあ」
「スカイウルフの件は調査が終わり次第連絡する。何かあったら頼むぞ」
「期待には答えますよ」
そう言って俺は協会長室から出た。
「バン、終わったぞ!」
中央ホールでマルグリットが待ちわびたかのように俺に近づき、俺に会員証を見せる。
「あとギルド加入申請をするだけだ」
「分かった。付いていくよ」
堂々と俺の前を歩くマルグリットはそのスタイルと美貌でやはり目立つ。
男女問わず見惚れるものが殆どだ。
中にはナンパする勇気ある者もいたが、一蹴されて。
「私はバンと結婚する婚約者だ」
と、大勢の前で宣言した。
ホールにいた冒険者達がどよめく。
ああ、また面倒な事になった。
「おい『巨獣殺し』、何時結婚したんだ!?」
「というか結婚できる歳だったのか!?」
「出会いはどんなだったの?」
「気になるー!」
「ええい、どけ!」
俺はマルグリットの手を掴むとその場を走って逃げた。
「意外と人気者のだな!」
「あれはゴシップ好きなだけだ!」
俺は周囲の人ざかりを付き抜け、ギルドの加入を受付のカルラに申請する。
等のカルラは領主の娘とあってカチコチに緊張していたが、
「マ、マルグリット様……受付がすべて終わりました」
「おう! ご苦労!」
「ひゃ、ひゃい……」
マルグリットは会員証を受け取ると、そそくさと玄関に向かう。
「バン、行きたい場所があるんだ。連れて行ってくれ」
「それはいいけど……」
俺はバイクで指定された場所に向かう。
そこはこじんまりとした酒屋みたいだった。
「ちょっと待ってろ」
マルグリットは1人で店に入り、酒瓶を何本か買って戻ってきた。
「酒を飲むのか?」
「ああ。これはバンでも飲めるジュースもある。今日はこれで宴会だ!」
まあ、ギルドに新たなメンバーも加わったんだ。それもいいかもな。
こうしてバイクで家に帰る途中のマルグリットの笑みには気付かなかった。
「それじゃあ、新しいメンバーに乾杯!」
「「「「かんぱーい!」」」」
俺達『魂の解放者』とティア、ミリアも加わってマルグリットのギルド加入の打ち上げを開始する。
ノアとエレ、リンも料理を作りながら打ち上げに参加し、美味い料理に舌鼓をうちながらジュースを飲む。
他のメンバーはマルグリットが買って来た酒を飲みご満悦だ。
「バン。これも飲め」
マルグリットが渡した飲み物は甘い香りがする。
「私のお勧めだ。なに、酒じゃない」
「そういうなら」
俺はマルグリットから渡されたジュースを飲む。
ドロっとした飲み物だが、甘さはしつこくなく飲みやすい。
「これ美味いな」
「だろ! どんどん飲め!」
俺はマルグリットに勧められるがままジュースを飲み干す。
そうして宴会も酣と言った所で全員が酒で潰れて倒れ、カナも部屋に戻り、俺も体が異様に熱くなって体が動かなくなりその場に座った時に、俺の前にティア、ミリア、マルグリットが立つ。
「アムリタの効果がやっと現れたみたいだな」
「な、何を……?」
「バンが飲んでた物は唯のジュースじゃなく、媚薬効果もあるのじゃ」
ティアが俺に説明した。
「お、俺を嵌めたのか!?」
この3人、他のメンバーに強い酒で潰させ、俺を動けなくさせたやがった。
「今から私達をハメるのはバン……連れて行きましょう」
「ま、待て、話せば分かる!」
「話はベッドの上でゆっくり話そうじゃないか」
俺はマルグリットにお姫様抱っこをされて、俺の寝室に向かう。
俺をベッドに運んで、俺を脱がして全裸にする。
「さあ、楽しもう」
そう言ってマルグリット達も服を脱ぎ出した。
マルグリットの彫刻をも思わせるプロポーションと美貌、ミリアのスレンダーな肢体。ティアの股間には男なら見慣れた物がついていながら、女性の様な容姿が顕になる。
マルグリット達は舌なめずりをしながら俺に近づく。
「あ、ああああー!?」
こうして俺は朝まで搾られることになった。
次回「何でも屋」




