表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン&ガンマン  作者: コウ
6章 領主と陰謀
66/97

5話 5層①

 翌日。


「さあて、行くわよー!」


 二日酔いも治り、レンは元気よく出発の音頭をとる。


 今日は前回行けなかったダンジョンの5層まで行く予定だ。


 『魂の解放者』は4層の転移陣がある関所を通り抜け、廃城の地下室に着く。


 5層に繋がる玉座の間に向かい、『大増殖』も収まり静かになった廃城を探索する。


 そして遂に、玉座の間に着いた。


 元々は豪華でだったであろう玉座の間は朽ち果てて、見る影も無い。


 精々、石で出来たデカイ玉座が奥にあるだけだ。


「さて、着いたのはいいが、何処から入るんだ?」


 ロゼは玉座の間を見回しながら誰と無しに言う。


「そこはミリアから聞いた……こっちだ」


 俺は奥に向かい、石造りの椅子に近づく。


「確かこうやって」


 俺が玉座を横に押すと玉座が動き、カチリと音がした後、床から地下に行く階段が姿を現す。


「こんな仕掛けがあったなんて……」

「元々は避難用の仕掛けだったんでしょうね」


 冒険者もよく気付いたよな。


「グレイ、頼めるか?」

「ワン!」


 グレイを先頭に、地下に続く階段を降りる。


 階段を下りた先は、下水道だったのだろうか、石造りの通路に出た。


 通路は暗く、ランタンを点けないと何も見えない。道も四方に分かれて、入り組んでいるみたいだ。


「どっちに行けばいいんだ?」


 これじゃあ、迷子になるぞ?


「ワン!」

「ん? 任せろって?」

「ワン!」

「そうか、なら頼む」

「マッピングは任せて」


 レンは自信満々に言い、グレイは地面の匂いを嗅ぎながら俺達を誘導する。


「大丈夫なんっすか?」

「最近冒険者が通ったんだろう。その匂いを追跡してんだろうさ」


 エレが心配そうに聞くので、俺は安心させるように言った。


「ワン!」

「着いたみたいだ」


 そうして下水道の終点……出口に辿り着く。


「行きましょう」


 そうして俺達は、5層に入った。




 ここが5層……なんか思っていたと違う。


 5層は洞窟や森林ではなく……普通の城下町だった。


 『フォルト』との違いがあるとするなら、中世ヨーロッパ風のデザインの建築物が並ぶ町並みだ。


 まあ、その殆どが朽ちて辛うじて外見を保っている感じだが。


「5層は広いって聞いていたけど……納得したよ」

「レン。どうする?」

「私も聞きたいわよ」


 俺達はレンにルートを聞くが、流石の彼女もお手上げ状態だ。


 となると……。


「グレイ、また頼めるか?」

「ワン!」


 グレイの嗅覚に賭けるしかない様だ。


「分かるんっすか?」


 新入りのエレは疑問視していたが、


「最近、『飛脚』が『大増殖』の調査で立ち入ってたし、ルートも知ってる筈だろ。それをグレイに辿ってもらう」

「ワン!」

「グレイも任せろってさ…じゃあ、行こう」


 俺達はグレイに先導され、5層を探索する。


 


「……なんでギルマスはグレイちゃんの言葉が分かるんっすか?」

「それはこのギルド最大の謎よ」


 ◇


 城下町…5層の探索は大きなトラブルも無く順調に進んだ。


 『大増殖』の後の所為なのか、モンスターは姿を見せず街は静まり返っている。


「……なんか、不気味よね」

「言うな」

「止めて下さいっ」


 オカルトが駄目なレン、ロゼ、アウルムは常時怯えていたが。


「廃城の時もそうだけど、宝とか置いてないな」


 ダンジョンの定番なのに。


「かなり昔からあるダンジョンだから、そういうのは粗方取られているわよ」


 レンが夢の無いことを言った。


「そっか……残念だ」

「まあ、まだ見つかってないのもあるかもね」


 そんな会話をしながら、暫くグレイの先導の元歩いていると、


「グルルル!」


 グレイが唸り声を上げる。


 どうやら、モンスターが現れたようだ。


「前方からモンスターが来るっす!」


 エレも『浮遊』でモンスターの出現を知らせに地上に降りる。


「どんなのだ?」

「ケンタウロスの様な見た目でランスを持ってるっす!」


 となると、突撃してくるな。


「ロゼ、『石壁』を適当に何枚か出して。アウルムはロゼのフォローを」

「適当ってどうするんだよ?」


 レンはロゼとアウルムに指示を出すがロゼは疑問を出して聞く。


「多分3層のモンスターと同じで『石壁』を破壊してくる筈だから、逆にそれで機動力を削ぐ。しなくてもスピードは落ちるわ。後はバンとエレで撃破して。アイとマイは後方で攻撃」


 なるほど、悪くない案だ。


「誰も反対は無い?」


 誰も何も言わなかったので、レンの作戦で決まった。


「じゃあ、皆配置について」


 ロゼが『石壁』をモンスターの通路上に何枚か出して、俺は正面、エレは上空で待つ。


 俺の隣にアイとマイが並び、後ろでミイが『鼓舞』を使いメンバーにバフを掛ける。レンとミイは建物の物陰に隠れてもらっている。


 そうして現れたモンスターは、エレの言う通り、ケンタウロス型でランスを持っているが、大きさが違う。


 俺が見てきた2倍の大きさはあり、体格に似合わず猛スピードで駆けてくる。


「来た!」


 モンスターは『石壁』ランスで難なく壊し、走り続ける。


「えいっ!」

「やあっ!」


 バンッ! バンッ! バンッ! バンッ! 


「これでも食らえ!」


 俺とアイ、マイ、エレが攻撃するが、ビクともしない。


「退避ー!」


 俺達はモンスターの突進を間一髪で避ける。


 するとモンスターは反転し、こちらに狙いを定める。


 その隙に俺はリボルバーを抜き、構える。


 モンスターが突進して来る。


 ドォン!!


 俺はモンスターの動きに合わせて『貫通』で発砲。


 モンスターの腹に風穴が開き、黒い霧になって消えた。


「これが5層のモンスターか……」


 4層までのモンスターと強さが違うな。


「改めて、深層に近づいているのを感じるな……どうする?」

 

 ロゼが真剣な顔でレンに言う。


「待って、今のモンスターはユニークモンスター」


 マイが俺達にそう報告した。


「ユニークモンスター?」

「彼氏から聞いた。5層から通常モンスターと違って強いモンスターが出るって」


 おお、流石『明けの明星』のメンバーを恋人に持つ人物。情報通だ。


「聞いてた外見と同じだから、多分そう」

「運が無かったですね」

「いつもこんなだ」


 マイの言葉にアウルムが嘆き、ロゼもうんざりして言う。


「ユニークモンスターならそんなに遭遇しないでしょ。進みましょう」


 レンが進むと決断し、俺達は探索を再開する。


 探索して暫く、モンスターと遭遇したが、4層の廃城で出た鎧型のモンスターが徘徊している位で、大した脅威では無かった。


「そろそろ野営しましょう」


 4層と同じで5層も月明かりだけが頼りだったので、時間が分からなかったが、時計を見ると10時を回っていた。


「もうこんなに経っていたのか」

「空がこんなだと、時間間隔が分からなくなるしね」


 俺達は一番外見がまともな民家に入り、野営をする。


 こうして、5層の探索の1日目が終了した。

次回「5層②」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ