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ダンジョン&ガンマン  作者: コウ
5章 『魂の解放者』と『大増殖』
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12話 大増殖

 『白薔薇』と『魂の解放者』は転移陣で地上に帰還し、協会に真っ直ぐ向かう。


 しかし、協会内も慌しく、職員が忙しそうに作業していた。


「協会長に合わせて」


 メリナが近くに居た職員に話しかける。


「すみません今急いで……あ、貴女は!?」

「急いで」

「は、はい! お待ちください!」


 職員が走って行き、直に戻ってきた。


「会長が会われるそうです。案内します」


 俺とミリアは会長の執務室に通され、難しそうな顔で書類を睨んでいたマリナに会う。


「どうした? 今は緊急で――」

「4層でモンスターが大量発生した」


 マリナの言葉を遮り、ミリアが報告する。


「何!?」

「廃城で見たことないモンスターが大量に出て、月が割れて大量のモンスターが落ちてきた」

「4層もか!?」


 マリナは驚いてミリアの報告を聞く。


「バンから聞いた。『大増殖』の兆しがあるって」

「ああ。……その通りだ。『飛脚』からも報告が入った。2層、3層で『大増殖』が起こったとな」


 2層と3層もか!


「今は関所を閉鎖して、ダンジョンに冒険者達を集めている」

「『大増殖』のモンスターはどんな動きをするんですか?」

「どの層でも地上を目指して上ってくる」


 マジか。


「『大増殖』を止める方法は?」


 方法があるならいいが。


「ない。モンスターを駆逐するしかない」


 やっぱりか。


「しかしあの大群ですよ?」

「そこだ」

 

 マリナは俺達に目を向ける。


「冒険者達は1層で迎え撃つ」

「1層で?」

「あそこの道は狭いからモンスターの動きも制限される。ある程度有利に戦える筈だ」

「都市の避難は?」

「巨獣と違い、今回は城壁も役立つだろう。住民は地下に非難させる」


 街にそんな避難場所があったのか。


「大体分かりましたが、冒険者は足りますか?」


 問題はそこだ。


 ダンジョンの出入口は2箇所、街の東と転移陣だ。冒険者達を分散させるとなると全然足りないと思うが。


「それなんだが……」


マリナは悩ましげに考えこむ。


「領主の騎士団は兎も角、国軍は来てくれるし……多分、間に合う」

「それはいい事じゃないですか」


 それなのに、何故そんなに難しい顔を?


「それだけならいいんだが、ギフト教も戦力を出すといってきてな」


 ギフト教が?


「宗教団体が戦力を持ってるんですか?」

「ああ。本人達曰く、天使に至る試練の為に、天兵を組織しているらしい」


 相変わらず、何言ってるのかわからん。


「……見返りは?」


 ずっと黙って聞いていたミリアが口を開く。


「ダンジョンの無条件の利用だ」

「断るべき」


 ミリアは強固たる姿勢でマリナに言う。


「……何かあったのか?」


 武器以外興味がなさそうなミリアが、ここまで反応するなんて。


「……あいつらは、ギフト持ち以外どうなっても良いと思っている。今回も碌な事が起きない」


 なにか因縁でもあるのか、話す事はなくマリナに断れの一点張りだ。


「私だって断りたいが……」


 数は多い方がいいって訳か。


「他の協会からの応援は?」

「間に合わないだろうな……今も応戦で手一杯だ」


 だろうな。


「少なくとも4層までのモンスターは上層に上がってくる。このままじゃ手に負えない」

「何か手を考えなくては……」


 手詰まり感のある悩みに、頭を回転させる2人。


「『飛脚』と『明けの明星』は?」

「『飛脚』は物資の支援、『明けの明星』は1層で防衛している」

「とりあえず、『魂の解放者』もダンジョンに向かいます」

「『白薔薇」も」

「助かる……他に手は無いか考えておく」


 俺とミリアは応接室を出て、ギルドメンバーに説明する。


「……と言う訳で、今からまたダンジョンに向かう」

「分かったわ」


 レン達も事情が事情だ。直に動いてくれた。


「私達は他のメンバーを連れてから向かう」

「分かった」


「皆様」


 俺達は行動しようと動き出そうとした時、以前会った執事のリィスに呼び止められる。


「物資とバスの手配を致しましたので、こちらに」


 用意がいいな。


「……あの執事さん、メイド長と同じ感じがするっす」


 エレよ。やっぱりそう思うか。


 俺達はバスに乗り込み、飲食物や回復薬をレンの『収納』に入れてダンジョンに向かった。

次回「迎撃戦①」

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