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ダンジョン&ガンマン  作者: コウ
5章 『魂の解放者』と『大増殖』
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10話 浮遊

 エレが新しく加わったことにより、彼女との連携を確かめるべく、俺達は4層の転移陣がある関所に向かう。


 門番に許可証を見せて転移陣の中に入り、4層の地下室に着いた。


「こんな所があったなんて、知らなかったっす」


 エレは呆然と転移陣を見る。


「……所で、なんでメイド服なの?」


 そう、エレの服装は何故かミニスカメイドにハルバートと言った、ダンジョンに相応しくない装備だった。


「しょうがないじゃないっすか……メイド長の命令で」


 ノア、何時の間にメイド長になったんだ?


「これでもこのメイド服、いい素材使ってるんでそこら辺の鎧より丈夫っすよ」


 ノアはメイドに何させようとしているんだ? あと、どうやって作った?


「それじゃあ、再度確認ね」


 レンが出発前と同じ説明をする。


「まずは4層で連携の確認ね。フォーメーションは円陣で私とミイ、メイが中心でメイは『鼓舞』で全員にバフを掛ける。アイ、マイが後方で援護。ロゼとアウルムが私達を守りつつ迎撃、バンとグレイ、エレが遊撃ね」


「うち、がんばるっすよー!」


 今はノアの監視がない為、素が出てるな。


「じゃあ、行きましょう」


 俺達は廃城を出て、森林に向かう。


 暫く探索していると、狼型が5体、上空は蝙蝠型が3体のモンスターが出てきた。


「上は任せるっす!」


 エレが言うと、宙を浮かび上がり、上空にまるで尾ヒレで泳ぐように向かう。かなり速い。


 これがエレの『浮遊』か。


 エレによると、空を泳ぐよう移動するらしい。半魚人ならではの使い方だ。


「エレ! アイとマイのサポートもあるから無理するな!」


「了解っす!」


 俺はエレンに忠告しながらモンスターにライフルで連射。


「ワン!」


 グレイも剣を口に咥えてモンスターに突撃する。


 俺とグレイで地上のモンスターを倒した後、上空を見る。


「おわっ!?」


 上空ではアイとマイのギフトで援護をして貰いつつも、苦戦しているな。


 バンッ! バンッ! バンッ!


 俺はライフルでエレを援護する。


 「おおー! 凄いっすね!」


 モンスターを撃破した後、エレが空から降りて賞賛する。


「うちのギフトで援護できる人がいなくて単独でやっていたので、これならいけるっす!」

「それはよかった」


 実際、空からの奇襲は俺かアイとマイしか対応できないし、3層のモンスターのように耐性がある奴は困ったからな。


「『浮遊』は何処まで飛べるんだ?」

「10m位までっす。あと、1人だけで持ち運びはむりっすね」


 うーん。核石の節約の為にも空で運んでもらおうと思ったが、上手くいかないか。


「単独ではどう戦っていたの?」


 エレの会話に気になったようで、レンが聞いてくる。


「大体上から攻撃するか、低空飛行で斬りつけてましたね」


 なるほど、上空からチクチク攻撃か、低空でヒット&ウェイの戦略か。


「……エレにやって欲しいことがあるけど」

「なんすか?」


 何か思いついたのか、レンがエレに頼みごとをした。


 


「9時の方からモンスターが4体来るっす! 猪型!」

「分かった」


 ドォン! ドオン! ドオン!


 俺はリボルバーを抜き、『貫通』で猪を撃ちぬく。


「次、12時の方向! 飛行型が3体」

「まかせて!」

「……準備できてる」

「……今!」


 アイとマイの火の玉と氷柱が飛んできたモンスターを倒す。


「1体はうちに任せるっす!」


 残りの1体はエレのハルバートで叩き切った。


「順調ね」

「ああ」


 レンがエレに提案したのはこうだ。


 『浮遊』で上空から地上を観測し、敵の情報を俺達に伝えるアタッカー兼観測主だ。


 エレが見えない場所はグレイに任せ、他はエレに観測してもらえる。


 これで完全な情報網ができた。


「モンスターの姿は見えないっす!」

「ありがとう! 降りて休憩して!」


 エレがゆっくりと地上に降り、レンが水を渡す。


「どうもっす」

「エレがいて助かるわ」

「いやー、うちも『浮遊』の使い方があったなんて……ただ、空を泳ぐだけのギフトだったんで助かります!」


 エレもギフトの使い道を模索していたようだった。


「さて……そろそろ時間だし帰りましょうか」


 時計を見ると、5時を回っていた。


 今日は日帰りの予定だからいい頃合だな。


「うし、帰るか」

「上空偵察は任せるっす」

「ワン!」


 ほんと、頼りになる斥候だよ。


 俺達は廃城に戻り、地下室の転移陣に入り地上に戻る。


「お帰りなさいませ」


 街に戻り、家に帰ると、ノアが出迎えてくれた。


「ノアの部下が気に障るような事はしませんでしたか?」


 何時からエレはノアの部下になったんだ?


「メイド長! うちはちゃんと役立ってました! ねえ皆さん!?」

「うん。役立ってたよ」

「助かった所もあったし」


 全員がエレをフォローする。


「皆さん……ありがとうっす!」

「まあいいでしょう……所で」


 ノアの眠そうな目が見開き、エレを凝視する。


「言葉遣いをちゃんとしろと言ったはずですが?」

「……あ」


 エレは完全に忘れていたらしい。呆然とノアを見る。


「もう一度、メイドとして勉強しなくてはなりませんね……皆様、失礼します」

「ア、アレは……アレだけは嫌ですー!!」


 エレはノアに引きずられながら、悲鳴を上げて玄関を後にした。


「アレって……何されるんだろう?」

「……知らないほうがいいわよね」


 数時間後、死んだ目をしたエレがノアと丁寧な言葉と仕草で給仕をした。


 何があったんだ? ほんとに

次回「白薔薇」

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