表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン&ガンマン  作者: コウ
5章 『魂の解放者』と『大増殖』
52/97

6話 襲撃

 『白薔薇』との同盟が発表されて数日。


 流石に大手ギルドや冒険者からの申請もなくなり、俺はデスクワークから解放された。


 そして、今日から準備を整えてダンジョンの探索に行く。


「さあ、行くわよ」


 俺達は街の外に出て以前使った4層に行く転移陣の中に入る。


 円状に立てられた幾何学模様が刻まれた石が光り、俺達は光に包まれ以前来た4層の廃城の地下にいた。


「ここからどうやって5層に行くんだ?」


 ふと、思ったことを情報通のマイに聞いた。


「……城の最奥、玉座の間に入り口がある」

「玉座の間ね……どうやって行くんだろ?」

「……さあ?」


 そこは知らないのか。


「ま、行けば分かるでしょ」

「そうだな」


 俺達は玉座の間を探して通路を歩き始める。


「ガルルルル!」

「グレイ?」


 廃城を探索している最中、グレイが唸り出す。


 しかしモンスターの時と様子が違う。敵意というより警戒しているみたいだ。


「どうした?」

「ガル!」


 何かいる?


 グレイにモンスターか聞こうとした、その瞬間、


 ーーヒュンッ


「きゃっ!?」


 前半から矢が飛んで来たが、幸い誰にも当たる事なく石の床に弾かれる。


「アウルム!」

「はい!」


 レンの声に察してアウルムが前に出て盾を構える。


 この矢は木で出来ている。モンスターの攻撃とは思えない。


「誰だ!? 冒険者同士の私闘は禁じられている! 姿を現さないのか腰抜け共!」


 俺は大声を上げて挑発してみる。


「バン!? 何を?」


 相手は人間で、しかも複数だろう。


 じゃないと、矢を放ったりしない。


 カラン


 すると、今度は足元に回路が刻まれた核石が投げられた。


 これと似たような物を、ティアの武具店で見た事がある。


「――まずい!」


 俺は咄嗟に核石を篭手で掴み吸収。発動を阻止する。


「――ちっ、死んどけよ」


 黒ローブと仮面を被った奴等が俺達の前に現れる。


 数は……20人はいるな。声からして1人は男。


「なんで俺達を狙う?」

「……」


 だんまりか。


「ロゼ!」

「ああ!」


 ロゼが『石壁』を出して通路を塞ぐ。


「な!?」


 これで暫く襲ってこない。


「逃げるぞ!」


 俺達は来た道を戻り、複雑に入り組んだ廊下を走る。


 「追え!」と言う声が後ろから聞こえる。


「ひー!」

「なんでー!?」


 4つ子達も必死になって付いてきているが、余裕は無さそうだ。


「どうすんの!?」


 走りながらレンが俺に聞いてくる。


「奴らは諦めずに追ってくる! 逃げるしかないだろ!」

「転移陣に戻るのは?」

「駄目だ。配置的に転移陣を知ってて待ち伏せしていた。今頃転移陣にも行ってるだろうさ」


 俺ならそうする。

 

 と言う事は……『明けの明星』の関係者か?


「おしゃべりはいいが、今頃『石壁』は消えてるぞ!」

「マジか!?」


 『石壁』はロゼがある程度離れると消えるのか。


 こうなったら迎撃するしかないな。


「いたぞ!」

「もう来たか!」


 『石壁』が消えて、追っ手が近づく。


 バンッ!


 俺は振り向きざまにライフルで追っ手の戦闘を撃つ。


 追っ手は倒れ、ドミノ式に後方ももつれる。


「流石!」


 どうも、と言いかけた時だった。


 ――カラン


 気付けば、前方にも追っ手が1人、筒状の物を投げてきた。


 嫌な予感がする。


 俺は慌てて筒を広い投げ返そうとしたがすでに遅く、筒から煙が出て、俺はもろに顔に食らった。


 その瞬間、意識が遠のいていく。


「全員、煙を――」


 吸うな。と言おうとしたが、俺は倒れて意識を失った。





「バン!? 起きて!」


 レンが煙を吸ったバンを起こそうとするが、一向に目を覚まさない。


 筒からでた煙は範囲が狭く、煙は持っていたバンにしか届かなかった。


「全員眠らせるはずだったが……安物はやっぱ駄目か」

「ちっ、梃子摺らせやがって」


 追っ手達が前後に挟みレン達を追い詰める。


「英雄様もこんなんじゃ形無しだな!」

「黙れ!」


 ギャハハと笑う襲撃者にロゼが怒鳴る。


 ロゼとアウルム、グレイが襲撃者達の先頭に立ち、アイとマイがギフトを使う準備をする。


 真ん中に眠っているバンと、戦えないレンとミイ、そして『鼓舞』を使うメイだ。


「は、この人数で勝てるかよ!」

「なあ、こいつら上玉だし、俺らで遊んでから殺さねえ?」

「いいねえ!」


 襲撃者の声と反応から全員男だと分かり、レン達はぞっとする。


「こいつらっ!」

「ロゼ!」

「ああ!」


 ロゼは『石壁』を襲撃者の前に出す。


 だが――。


 ドオン!


「無駄だ!」

「な!?」


 いとも容易く、『石壁』は壊された。


 襲撃者は、回路が刻まれた核石をお手玉のように片手で投げては取るを繰り返す。


「発破!?」

「ご名答」


 発破の回路が刻まれた核石は、主に鉱山で使われ取り扱いも厳重の筈だ。何故か襲撃者はそれを持っていてレンを驚かせた。


「最初に投げたのもそれね!?」

「おう、何故か爆破しなかったがな……さて、話も終わりだ」


 襲撃者の1人が合図して、各々武器を取り出す。


 武器は見ただけでも分かる高性能の物ばかりだ。幸いダンジョンウエポンの類では無さそうだが。


「さあ、パーティの時間だ!」


 リーダーらしき男が合図をして、襲撃者達が襲い掛かる。


「ちっ」


 レンとアウルムも交戦するが、人間相手の殺し合いは初めてだ。動きに精錬さが無い。


「キャイン!」


 グレイは模擬戦で慣れているが、戦っている最中、クロスボウの矢が足に刺さり、動けなくなった。


 アイとマイもギフトで援護するが、襲撃者にまったく効いてなかった。


「なんで!?」

「耐熱、耐冷の装備だ! 効く訳ねえだろ!」


 襲撃者は用意周到に準備して『魂の解放者』を襲った。


 計画的な犯行だ。一体誰が?


 ドオン!


「ぐあっ!?」

「ロゼ!?」


 そして、『石壁』を盾に応戦していたロゼだが、発破の核石で吹き飛ばさる。


 幸い大きな怪我は無いが、戦闘は無理だ。


 アウルムの方も苦戦している。もう手は無い。


「ああ……」


 あまりの事にレンの頭が真っ白になる。


 ここまでなの?


 あいつらに玩具にされて、殺されて、それで終わりなの。


 全員が絶望に顔を歪ませる。


 4つ子は特に酷い。全身が震えている。


 これから起きることに、恐怖を感じているからだ。


「さあて……お楽しみはこれからだぜ」


 襲撃者は勝利を確信している。


 仮面の下でも分かる。下卑た顔をしているに違いない。


「……神様」


 ミイが神に祈る。助けてくれと。


「今から俺達がお前らの神様だ」


 襲撃者がレン達に手を伸ばした時、


 バンッ!


「……え?」


 聞き慣れた発砲音と同時に、胸から血を流した襲撃者が呆然と立ち尽くし、やがて仰向けに倒れて絶命した。


 誰もがその光景に驚き、動きを止める。


「バン!?」


 事態を把握したレンが喜んでバンを見るが……。


「……え?」


 そこに立っていたのはまさしくバンだ。


 だが、何時もと様子が違う。


 眼は暗く、この世を怨んでいるかのようだ。


 何より、バンから猛烈な()()()()がした。

次回「片鱗」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ