表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン&ガンマン  作者: コウ
5章 『魂の解放者』と『大増殖』
50/97

4話 魂の解放者

 あの後、廃城を探索して地下の転移陣を見つけた。


 円状に並べられた石に幾何学模様の描かれた転移陣の中に入ると、転移陣が光り、気付けば同じ様に石が円状に並べられた草原にいた。


 草原からは『フォルト』の街並みが見える。


「街の近くにこんな場所があったなんて……」

「……とにかく、帰りましょ」


 俺達は街に戻り、4つ子とパーティーを解散する。


 ギルドを作るかは、後日話し合うことになった。


 俺達は誰も喋らず、家に着く。


「おかえり」

「……ただいま」

「……どうしたの?」


 カナは俺達の様子に気付いたのか、怪訝な様子で聞く。


「なんでもないよ。ちょっと疲れてさ」

「そう……ノアお姉ちゃんの手伝いしてくる」


 カナは心配そうに俺達を見るが、何も聞かずにノアの手伝いに行った。


「談話室で話そうか」

「そうね……」


 俺達は談話室に行き、椅子に座る。


「……どう思う?」


 ロゼが切り出すが、誰も答えない。


「考えている通りじゃない?」

「じゃあ、オレ達は()()()をしていたってか!?」


 レンの言葉に、ロゼが怒鳴るが、誰も言えなかった。


「他の冒険者は知っているのか?」

「知らないでしょうね……上層部以外は」


 色々な情報が入ってくる上層部なら知っててもおかしくないか。


「これからどうする?」

「「……」」


 ロゼの問いに、レンとアウルムは答えられなかった。


「俺は探索するぞ」

「バン!?」


 俺の言葉に、レンは驚愕する。


「貴方、自分が何を言っているのか――」

「俺の話を聞いてくれ」


 レンの言葉を遮って、俺は帰りに考えていた仮説の説明を始める。


「俺の考えはこうだ……多分、モンスターは元人間や動物だ」

「なら――」

「だけど、何かの原因でダンジョンに取り込まれてモンスター化した。廃城のモンスターを見たろ? ある程度意思のあるモンスターだったが、俺達が指輪を渡した結果消えた」

「……それで?」

「この屋敷の幽霊騒動を思い出してみろ。カナが言うには消えたらしい。それと似てないか?」

「……なるほど。私達はモンスターになった人達を解放していたと?」


 アウルムが察して俺の仮説を引き継いだ。


「多分、核石で実体化した魂が自我を持たずに襲い掛かってくるんだ」

「……オレ達は殺しているんじゃなくて、魂をダンジョンから解放しているって訳か」

「仮説だけどな」


 じゃないと、4層の廃城やモンスターの件が説明できない。


 まあ、そう思わないとやっていけないてのもあるが。


 しかし再出現するって事は、相当の数の魂が囚われているのか、解放出来てないのか。


 いずれにしても、モンスターになってない時には安らぎがあると信じたい。


「遺物も案外、ダンジョンに取り込まれた武器や道具なんだろうな」

「なるほど……」


 俺の説明が終わり、全員考え込む。


「そう思うことにしましょう」

「レン?」


 何かを決意したようにレンが言う。


「私達はモンスターを倒していく、核石を手に入れて囚われている人達を解放する。私達はそれで稼ぐ。一石二鳥じゃない」

「そうですけど……」


 アウルムは複雑そうにレンを見る。


「そうだな……真相は誰にも分からない。そう思ったほうがいいな」


 ロゼも決意を固めたようだ。


「そうですね……今までと同じ様にやっていきましょう」


 アウルムも覚悟を決める。


「なら、私達はこれからもダンジョンを探索する。生きる為と、ダンジョンに取り込まれた人達を解放するために!」

「「「おー!」」」


 俺達が決意を固めて拳を上げる。


「……どうしたの?」


 カナが談話室に来て俺達の行動を見ていた。


「な、なんでもない……」

「そう……元気でたね」

「そうか?」

「うん……ご飯だよ」

「分かった……行こう」


 俺達は飯を食いに食堂に向かった。


 ◇


 数日後。


「それで話と言うのは……」


 アイ達4つ子パーティーを家に招き、食堂で対面した。


「まず、モンスターについてだけど――」


 レンが代表して、モンスターの正体についての仮説を話す。


「それで、私達はこれからも探索を続けるつもりだけど、貴女達はどうする?」

「……」


 アイ達は目配せして確認しあう。


「そういう理由なら、私達も探索を続けます。母も捜したいですし」

「分かったわ。それで本題だけど……」

「はい。ギルドの件ですね」


 アイ達は姿勢正しく聞く。


「私達は貴女達とギルドを組みたいと思っているけど……どうかしら?」

「私達も同じ事を思ってました」


 レンの話にアイ達は即答した。


「決まりね……これからよろしく」

「よろしく」


 レンとアイが握手する。


「この家の部屋は空きがあるから使っていいわよ」

「本当ですか!? 助かります!」


 やったー! とアイ達が喜ぶ。


「安宿で4人で一部屋使っていたのでありがとうございます!」

「そ、そう……」


 ギルド創設よりも喜んでいる4つ子に、レンは若干引いていた。


「それじゃあ、ギルドマスターは……」


 レンかアイと俺が言おうとした時、


「ギルドマスターはバンに決まってるじゃない」


 レンは当然の様に言い、他のメンバーも頷く。


「俺!?」

「当然じゃない。巨獣殺しの英雄さん」


 アイがからかい気味に言う。


「それはやめて!」


 まじで嫌だ!


「と言う訳で、ギルドマスターはバンね」

「……わかったよ。だけど戦闘指揮はレンがやれよ」

「わかってるわよ」


 これで一応話し合いが終わり、アイ達が引越しの準備に戻る。


 俺達は協会に行き、核石の換金とギルド結成の申請を行う。


「では、こちらに記入を」


 そう言われ、渡された書類に名前やサインを書き込んでいき、ある欄で筆が止まる。


「どうしたの?」


 レンが書類を見て、ああ、と納得する。


「ギルド名、考えてなかった……」

「そうね……」


 4つ子達もいないし、話し合ってない。どうしたもんか。


「書類の持ち帰りは出来ますか?」

「はい。大丈夫ですよ」

「すみません。後日持ってきます」

「はい……すみませんが、ギルド申請の場合、全員来て貰わないといけない規則でして」


 そうだったのか。


「分かりました。また伺います」


 俺達は家に戻ると、4つ子達は引越しを終えて食堂で昼食を取っていた。


「ほかえり」

「ただいま……カナ、はしたないぞ」


 パンを頬張りながら喋るカナを嗜める。


「ゴクン……どうだった?」

「ああ、それな。実は――」

「とりあえず、昼食をどうですか?」


 ノアがご飯をトレーに乗せて持ってくる。


「ああ。食べながら話そう」


 俺は昼食を食べつつ協会での経緯を説明した。


「そういうことね」

「協会に何時行ける?」


 説明が終わり、俺は全員に聞く。


「何時でもいいわよ」

「同じく」

「私も」

「ノアも大丈夫です」

「「「「私達も」」」」

「なら、明日行こう」


 俺は登録の日時を決め、次に進む。


「後は、ギルド名なんだけど……」


 これがなかなか決まらなかった。


「『英雄団』は?」

「絶対嫌だ」

「『バンと愉快な仲間達』」

「ふざけてる?」


 あーだこーだと意見を言い続る。


「結局オレ達の目的はダンジョン攻略だ」

「まあ、そうだけど……」


 唐突にロゼが初心に帰って言う。


「ダンジョンの攻略で稼ぎながら囚われた人を解放する。それにあやかった名はどうだ?」


 ダンジョンあやかった名ね……。


「じゃあ、これはどう?」


 カナがギルド名を言う。


「いいな、それ」

「カナちゃん、センスあるわ」

「オレもいいぞ」

「私も賛成です」

「ノアもいいと思います」

「「「「賛成!」」」」




 翌日。


 メンバー全員でギルド結成の手続きを行い。承認された。


「はい。これでギルドの結成の手続きが終わりました。おめでとうございます」

「ありがとうございます」

「『魂の解放者』のご活躍をお祈りいたします」


 『魂の解放者』。


 それが、俺達のギルド名だ。

次回「同盟」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ