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ダンジョン&ガンマン  作者: コウ
5章 『魂の解放者』と『大増殖』
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2話 合同探索

 数日後。


「皆、準備はいい? 行くわよ!」


 今日は俺達のパーティーと4つ子のパーティーが合同でダンジョンに潜る。


 1層と2層は連携を確認しながら特に問題なく進み、遂に3層に辿り着いた。


「ここからね」

「……大丈夫」

「うん」

「行こう!」


 4つ子は3層の攻略に張り切っているな。


「……痛ぅ」


 俺は俺で、3層に着いた瞬間に無いはずの左腕が痛む。


 幻肢痛ってやつか。


「大丈夫か?」

「ああ……行こう」

 

 ロゼが俺の様子を気に掛けてくれたが、俺は痛みを無視して3層を歩き始める。


「ワン!

「来たぞ!」


 先頭を歩いていたグレイが早速モンスターを察知して伝える。


 そして現れたのは、前も見た角が生えた大型モンスターが5体。


「任せて!」


 メイが戦旗を振り『鼓舞』を発動。


「えい!」

「やあ!」


 アイとマイが手から炎を氷を出してモンスター達を火達磨と氷漬けにする。


 だが、


「GAAAAA!」


 モンスターに全く効かず、俺達に突進してくる。


 バンッ! バンッ! バンッ! バンッ!


 俺はライフルでモンスターを撃ち、


「はああああ!」

「やああああ!」

「ワフ!」


 ロゼ、アウルム、グレイが残りを倒した。


「すごい……」


 4つ子達が驚愕していたが、彼女等が3層を攻略出来ない理由が分かった。


「3層のモンスターは物理攻撃以外効かないのね」

「やっぱり……」


 アイ達が納得する様に、3層は物理攻撃以外効かなそうだ。


「ここはバンとロゼとアウルムに任せるしか無いわね」


「「「「すみません」」」」

「大丈夫よ。ミイの『治癒』とメイの『鼓舞』だけでも大助かりだし、アイとマイのギフトも使い道があるし」


 4つ子達は謝るが、気にする事ないとレンが励ます。


「なあ、核石を何個か貰っていいか?」

「……ああ、そうね。いいわよ」


 事情を知っているレンから俺は核石を貰い、先に進む。


 そうしてレンのマッピングを見ながら進み、今日は野営をする事にした。


 保存食を出しながら、アイが『炎術』で火を起こし、鍋にマイの『氷術』で氷を作り、鍋に入れて溶かす。


「3層ではこんな使い方しか出来ないなんて……」

「言わないで……」


 アイとマイは落ち込んでいたが、こっちは助かっている。


 なんせ水の確保が容易だからな。


「所で、氷はどうやって出してるんだ?」

「大気中の水分を凍らせて使っている。水があれば『氷術』は使えるし」


 そんな会話をしながらお湯が出来、コップにコーヒー粉と砂糖を入れてお湯を注ぎ、それぞれ飲む。


「ダンジョンでコーヒーが飲めるなんてな」

「水が勿体無いしね」


 ロゼとレンが感慨深くコーヒーを嗜む。


「……そう言えば、レンさん達はなんでダンジョンに挑むんですか?」


 アイが疑問に思っていたのか、休憩の合間に聞く。


「バンは記憶がなくてね。それで攻略を目指しているわ」

「「「「え!?」」」」


 アイ達は驚愕するが、レンは話を続ける。


「残りの私達は稼ぎの為ね。仕送りしたり」

「そうなんだ」

「貴女達は?」


 レンも四つ子達にダンジョン探索をする目的を聞く。


「私達は、母を探してるんです」


 聞けば4つ子達の母親は冒険者だったらしい。


 しかし、『メキド』のダンジョンに挑むと連絡が来て以来、音沙汰がない。


「もう1年前の話だけど」

「それは……」


レンは沈痛な面持ちで聞く。


「分かってるわ」

「それでも諦めきれなくて」

「僕も覚悟している」

「可能なら遺品でも見つけられれば……」


 4つ子達は、それぞれ覚悟を決めてダンジョンに挑んでいるらしかった。


「……それなら言うことは無いわ」

「見つかるといいですね」

「ワン!」


 レン達も励まして応援する。


「親か……」


……()()()()()()


「……バン?」

「あ、なんでもない」


 俺の呟きにレンが反応するが、俺はどうでも良くなって誤魔化した。


 またか。どうなっているんだ、俺は?


「さて、そろそろ寝ましょう」


 4つ子は3層では戦力にならないので、俺とアイ、ロゼとマイ、アウルムとミイ、レンとグレイ、メイのコンビで見張りをする事にした。


 3層は昼夜がないので分からないが、時計は夜10時を指している。2時間事に交代して、8時に出発予定だ。


「お先」


 俺とアイが最初に見張り、残りは寝袋に入って寝る。


「……ねえ、聞いていい?」


 暫くして、アイが俺に尋ねてきた。


「なんだ?」

「記憶がないって言っていたけど、どこまで無いの?」

「全部」

「は?」


 アイが怪訝な顔をするが、俺は話を続ける。


「名前も、出自も、常識も何もかもだ」

「そんな……」


 アイは悲壮な顔をするが、俺は別に気にしてない。


「バンって名前も、カナから付けてもらった」

「……よく正気でいられたわね。私は無理」


 そこは自分でも分からん。案外メンタルが強いのか、謎の感覚の所為なのか。


「ま、運もよかった。目覚めて直ぐにカナに会ったし」

「そう……所で、誰が好きなの?」

「ぶっ!?」


 突然の恋愛話に俺は思わず吹き出す。


「な、なんでそんな事聞くんだよ!?」

「だって気になるじゃない〜。パーティーといっても男と女よ」


 そんなもんかね。


「仲間として全員好きだが、恋愛的なものは無いよ」


 あくまでライクであってラブじゃない。


「ふ〜ん……ま、いいけど」


 アイはニヤニヤしながら俺を見る。


「……なんだよ」

「あのカナって女の子。最初私達を監視してたわよ」


 監視?


「あれは恋敵か見抜く目だったわね」


 ……時々カナが怖くなるな。


「俺はカナを妹的な家族と思っている」


 俺は決してロリコンじゃない。


「そう、でも数年後はどうかしら、あの子美人になるわよ」


 数年後か……どうだろうな。


「その時はもう親離れするんじゃない?」

「さ、どうかしらね……」


 アイは俺を疑う様に見るが、そんな未来は知らん。


「俺は、今は未来より過去を知りたい。恋愛に構ってられない」

「そ……まあ、将来も考えたら?」

「……」


 そうして会話が終わり、交代の時間になったから寝袋に入った。




「……だってさ」

「……ああ」


 バンとアイの会話を聞いていたマイとロゼは空を見上げる。


「過去……か」


 ロゼとしてはバンを意志を尊重するが、それでもやりきれない感情が溢れ出る。


 ロゼはバンに好意を持っている。勿論男女としてだ。


 温泉での会話でこれが恋だと知った。カナは兎も角、おそらくレンとアウルムも同じだろう。


 まあ、他の面子に喋る気は無いが。


「どうしたもんか……」

「……一つ案がある」


 考え事をしていたロゼに、普段無口なマイが口を開く。


「なんだ?」

「既成事実を作る」


 マイは親指を立てて言った。


「なっ!?」


 マイの提案に、思わずロゼの顔が赤面する。


「出来るわけないだろ!」

「そう」

「この話はもう終わりだ!」

「わかった」


 こうして2人は交代まで黙ったままだった。


 ロゼは後日、女子会が開催され、己の心情を曝け出すことになるのは別の話。

次回「4層」

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