5話 ライフル
話の都合上、1章1話の銃弾についての説明を変更しました。
ウィンチェスターライフル。
アメリカの西部開拓時代に作られたレバーアクションライフルだ。
特徴は銃身下のマガジンチューブに銃弾を装填し、ハンドガードを兼ねたレバーを操作して、排莢、装填するレバーアクションを採用している。
かの有名なシングルアクションアーミーと並ぶ『西部を征服した銃』としても有名だ。
何故この古いライフルの製作を頼んだのかと言うと、リボルバーの銃弾と併用できるから。
今目の前にあるウィンチェスターライフルは、銃床を折り畳み式にして、マガジンチューブをヘリカルマガジンにして装弾数を増やして改造している。
……なんでこんな事は覚えてるんだろう?
「強度は最高クラスだ。そう簡単に壊れないぜ!」
フォルンは徹夜明けのテンションで自慢した。
「でもなんでこんなのが欲しいんだ?」
「今回の依頼で数が多いからな。手数を増やしておきたい」
「ふーん。ま、アタイも珍しいもんが作れて楽しかったよ」
「さよで。所で試し撃ちしたいんだが、どこか場所ある?」
「ならこっちだ」
そう言って案内したのは、工房の外れの広場だ。中央に等身大の藁人形が何体か立ててある。
「音が煩いから気をつけてな」
俺はあらかじめスピードローダーから取っていた銃弾をライフル側面の給弾口に装填する。
「何発入るんだ?」
「計算上64発だ」
俺は数えながら装填していき、レバーをコッキングして薬室に装填。
両手で構えて、的に向かって撃つ。
バンッ!
「スゲー音だ!」
フォルンは発砲音に興奮していた。
だが、ちゃんと狙ったのに狙いがはずれた。
俺はまたコッキングして排莢、装填してもう一度狙い撃つ。
バンッ!
だが、当らない。
俺は弾装内の銃弾をすべて撃ちつくしたが、1発かすっただけで、それ以外は当らなかった。
「おかしいな」
俺は試しにリボルバーを抜いて撃つ。
バンバンバンバンッ!
リボルバーは全弾、的の頭と胸に命中した。
俺の腕に問題はない。なら、ライフルの方か。
「すげーな!」
「あんがと、早速調整いいか?」
「任せとけ!」
こうして俺達は納得いくまで、調整に昼まで掛かった。
バンッ!
ライフルを撃つこと暫く、命中精度も問題なくなった。
動作も問題なく、今は耐久テスト中だ。
「ちょっと待ってろ」
フォルンはライフルを手に取り、色々見ている。
「かなり撃ったが、どうだ?」
「ああ、大丈夫だ。何処も痛んでないぜ」
すごいな。どんな素材使ってんだ?
「流石黒鋼だぜ」
「黒鋼?」
「アシト山で取れる鉱石だ。高温じゃないと製鉄できないが、柔軟性と硬度は折り紙つきだ。アタイの『操錬』で更に圧縮して硬くしているから、ちょっとやそっとじゃ割れないぜ! それに――」
流石鍛冶師というべきか、鉱物の話になると説明が長い。
「分かった…実は試したいことがあるんだ」
俺はフォルンの話を遮り、懸念している事を言う。
「ちぇっ、これからなのに……なんだ?」
「実は、これでギフトを使えないかと思って」
『貫通』ギフトは、反動で分かるとおり銃にも負担を掛ける。俺の持つリボルバーは壊れないから使えるが、ライフルでも試せるか実験したい。
「ギフトが使えるって噂、本当だったんだ…いいぜ、やってみな」
「ああ、離れてな」
フォルンの許可も貰ったので、装填してギフトを使い撃つ。
ドォン!!
赤い光弾は藁人形の胸に当たり、藁人形は四散した。
「見せてみろ」
俺はライフルをフォルンに渡す。
「こりゃあ、ダメだな」
「ダメ?」
見た目はなんとも無さそうなのに。
「一発で黒鋼の銃身が傷んでやがる。これ以上は無理だ」
フォルンは『操錬』でライフルを直して俺に渡した。
そうか。となると籠手の力も使えそうにないな。
となると基本ライフルは通常使用で、リボルバーはギフト用にして運用しよう。
「もういいか?」
流石にフォルンは眠そうで、目を擦っている。
「ああ。ありがとう」
「討伐する日取りが決まったら連絡してくれ」
そう言い残し、フォルンは工房に帰っていった。
「……さて」
俺も、ライフルを収納できるホルスターを作ってもらえる店を探さないと。
ライフルのモデルは PP-19 Bizon をレバーアクションにした見た目。
次回「提案」




