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ダンジョン&ガンマン  作者: コウ
3章 厄災と3大ギルド
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11話 後始末

 その後の話をしよう。


 巨獣の討伐を終えた俺達はその場を撤収後、支援部隊と合流する事になった。


 巨獣の死体はどうするのかと聞いたら、


「巨獣の素材は貴重だし高級だ。上層部のジジイどもに高値で売りつけて今回の報酬に使う。なんなら巨獣の素材を報酬代わりに提供してもいい」


 とのこと。


 後日解体屋を総動員して、解体するそうだ。


「後始末はジジイ共にもさせる。君等が何もする必要はない」


 そう言った時のマリナの顔はめっちゃ怖かったです。




「バンー!」


 支援部隊と合流して、レンと再会した時、思いっきり抱きつかれた。


 小さいながらも胸の柔らかさと暖かさが伝わる。


「ぐす…よかったよー!」

「レン! 人が見ているから!」


 そう言うがレンは離れず、周囲から温かい目で見られた。




「どうやら、無事終わったようですね」

「無事、とは言えないけれど……」


 レアがマリナに近づき、報告を聞いていた。


「今回の『白薔薇』と『明けの明星』の被害が大きすぎたわ。ダンジョン探索の遅延は間逃れない」

「……『大増殖』ですか」


 レアが小声でマリナに言う。


「ええ……最近の特殊モンスターの遭遇情報を考えると、その可能性はあるわ。この後の始末が大変だというのに」

「……そうですか。『飛脚』の方でも調べておきます」

「お願いするわ」


 巨獣討伐で歓喜ムード中、2人の表情は暗かった。


 


 支援部隊と合流を終えた俺達は、『フォルト』に帰還した。


「バン! レン!」

「2人とも無事でよかったです!」


 防衛部隊にいたロゼとアウルムとも無事合流できた。


「そっちはなんとも無かった?」

「オレ達の方は巨獣に追い立てられた悪獣達が来た位だな」

「でもたいした被害は無かったです」


 そうか。それは良かった。


「所で巨獣はどんなやつだった!? 戦いはどんなだったんだ!?」


 ロゼは眼を輝かせながら聞いてくる。


「ロゼ……」

「バン、諦めなさい。ロゼはこういった話が大好きだから」

「……そうか」


 ロゼの意外な一面を知ったな。


「なあ、教えてくれよ!」

「そうだな……」


 これは長くなりそうだ。


 俺はロゼが満足するまで顛末を教えた。




 家に戻って、疲れかすぐに寝た翌日。


 直に巨獣討伐の報告がされて、街に残っていた人々を歓喜させた。


 そして、今回の討伐で犠牲になった冒険者の葬儀の為、冒険者全員が協会横の共同墓地に集まる。


 そこには「巨獣を倒した英霊達」と書かれた真新しい石碑が建てられ、その下に戦死者の名前が彫られていた。


「英霊達に黙祷」


 マリナの言葉に、全員その場で祈るように両手を組む。


「止め」


 数秒祈り、やめる。


 1人づつ石碑に一輪の花を置いていき、俺達は協会の大広間に向かう。用意されたテーブルに置かれた沢山の飲食物に眼を奪われる。


「今回の戦いは辛く、厳しいものでした。しかし、英霊達と、この場に集まった冒険者達は勝利し、この都市に生きる人々に明日をくれました。この都市に生きる人々の代表として、最大限の感謝を皆様に捧げます!」

「「「「おおおお!!」」」」


 マリナの感謝の礼に、盛り上がる冒険者達。


「さあ、今宵は存分に祝いましょう! 乾杯!」

「「「「乾杯!!」」」」


 冒険者達はジョッキを持ち上げ、一気に飲み干す。


 こうして、祝勝会が始まった。

 


 数日後。


「無事じゃったか」

「おかげさまでな」


 俺は『ロガ―ティア武具店』に顔を出し、ティアと会う。


「核石の件は本当に助かった。あれが無かったら死んでたよ」

「それは良かったわい。おぬし達が討伐したおかげで、ワシもこの店も無事じゃ」

「それで核石の代金だけど……」


 かなりの量だったからな。まけてくれるといいけど。


「いらんよ」

「え?」


 予想外の言葉に、俺は驚く。


「……いいのか?」

「元々失敗作の核石ばかりじゃったし。捨てるのもなんだったから持っていた物ばかりじゃ。むしろ片付けてくれて大助かりじゃったわい」


 こう言ってティアは快活に笑う。


「そうか……ありがとう」

「なに、今後も引き取ってじゅれるとありがたい」

「ああ、定期的に取りに来るよ」

「よし! これでワシに会いに来る口実が出来たのじゃ!」


 相変わらずブレないなぁ。


「所で、これから昼飯を作ろうと思っとるんじゃが、お主もどうじゃ?」

「あー好意はありたがいが、予定があってな…また今度で」

「残念じゃ。予定と言うのは?」

「家族を迎えに行くんだ」




「まだかな」

「落ち着きなさいよ」


 駅のホームでウロウロする俺を嗜めるレン。


 俺達4人は駅のホームで列車が来るのを待っていた。


「久しぶりだな」

「そうですね…元気にしていたでしょうか?」


 ポーッ!


「来た!」


 列車の汽笛が聞こえて、列車がホームに近づき、止まる。


 扉が開き、金髪の少女が飛び出して、辺りを見回す。


 そして、俺と少女の眼が会った時、


「バン!」


 少女――カナがおれの胸に飛び込んだ。


「元気だったか?」

「うん、元気だったよ。でも…寂しかったよ!」


 カナが俺の首に手を回し、抱きついた。


「…ゴメンな」


 俺は落ち着くまで頭を撫でる。


「ううん…いいよ」


 カナも満足したのか、俺から離れた。


「皆様、元気そうで」

「ワン!」


 カナの後ろからゆっくりと近づいた自称メイドとハスキー。


「ノア! グレイも久しぶり!」

「元気にしていたか?」

「無事に会えてよかったです!」

「ノアも皆様の無事な姿が見れて良かったです」

「ワン!」


 ノア達と無事合流出来、積もる話は後にして家に戻ることにした。


「しかしノアも鼻高々です。バンさんの居るパーティーに所属できて」


 ん?


「どういうことだ?」

「おや、皆様知らなかったのですか?」


 ノアが何処からか紙束――新聞を持って渡す。


 ……嫌な予感がする。


 俺達は新聞を顔を寄せて見る。


 そこにはこう書かれていた。


 ――巨獣討伐! その立役者は新しい英雄の少年。その名もバン!


 その見出しと共に、何時の間に撮られたのか俺の写真が載っており、俺達のパーティーと巨獣討伐の詳細が書かれていた。


「「「「はああああ!!?」」」」


 俺達の声が、ホームに響き渡った。

次回「暗躍するもの」

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