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ダンジョン&ガンマン  作者: コウ
2章 ダンジョン都市と仲間
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9話 勧誘

 ダンジョンを出た時は夕方で時間があった為、協会で核石を換金後、報酬を3人で山分けする。


 報酬は3人で分けてもそこそこにはなった。


「今日はありがと!」

「またな」


 協会の前で2人と別れて、宿に戻ろうと大通りを歩く。


 今日の探索は色々参考になった。


 同時に、2層からの探索は単独では困難なことも。


 となると、パーティーを組むか、ギルドに入るか、ギルドを作る……ギルドは10人以上必要だから無理か。


「とは言ってもなぁ……」


 冒険者になってまだ数日。知り合いもコネもない。


 ベアトリクスが勧誘があるかもと言っていたが、パーティーとギルド加入は慎重に考えないと。


 まあ、当分は1層の探索だな。


「あ、あの!」

「ん?」


 そんな事を歩きながら考えてると、目の前から女性が現れた。


 身長は俺より高く、肩に掛かる位の金髪に金眼の美人。同じ冒険者だろうかモデル体型の身体に革鎧を着けて片手剣と鉄製の丸い盾を持っている。


 金眼の三白眼は普段は凛々しいのだろうが、今は自信がなさげに左右に動いている。


「どうしましたか?」

「その……わ、私と付き合ってください!」

「…………はい?」


 ◇


「急にすみません……」

「いえいえ」


 立ち話もなんだしどこかでゆっくり話そうと提案し、女性も宿泊していた『木漏れ日亭』に戻り、酒場のテーブルに向かい合って座る。


「……それで、なんでカナもいるの?」


 なぜかカナが俺の隣に座って女性を睨みつけていた。


「ダメなの?」

「いや、だって……」

「ダ メ な の ?」

「…………いえ」


 カナに妙な迫力で俺も睨みつけられ、黙っていることにする。


「ひぃぃぃ」


 カナの迫力に女性も萎縮していた。


「コホン……まずは自己紹介から。俺はバン。この子はカナです」

「わ、私はアウルムといいます……」


 アウルムは小声で言った。身体に似合わずこの人から自信というものを感じない。


「それで付き合ってというのは?」


 ギロリ


 カナさんや。俺を睨みつけるのはやめて。


「あ、はい……実は冒険者になったばかりで、知り合いもおらず、単独で探索も無理なので、同じ冒険者になりたてで噂になっているバンさんにパーティーを組んでいただきたく声を掛けたんです」

「なるほど」


 パーティの勧誘だったか。


「……よかった」


 カナがホッとした様子でぼそっと何か呟いたが、なんだったんだ?


「ギルドには入らないんですか?」


 カナの様子も気になるが、取り敢えずアウルムの話を優先させよう。


「ギルドなんて無理です。人が多いし怖いし何喋っていいか分からないし」


 この人、コミュ症の類かな?


「分かっています無理ですよねバンさんお強いですし他からも引く手数多でしょうし……すみません」


 いや、何も言ってないし、諦めるの早過ぎる。


「パーティーを組んでませんし、勧誘もされてませんから」

「そ、そうですか」

「取り敢えず、パーティーを組むかはお互いの事を知ってからにしましょう」

「は、はい。改めて私はアウルムです。戦士。冒険者は1ヶ月前になりました。歳は18歳。アレド村出身。趣味は食べ歩き。恋人はいません!」


 いや、そこまで聞いてない。


「俺はバン。ガンマンです」

「すみません。ガンマンとはなんですか?」

「これで戦います」


 俺はホルスターからリボルバーを抜いてテーブルに置く。


「これはリボルバーと言って、鏃の様な物を高速で飛ばす武器です」

「なるほど……すごいですね」


 アウルムはリボルバーをまじまじと見て呟いた。


「それでギフトは持っていますか? 俺は『貫通』というギフトを持っています」

「男性でギフト持ちですか!?」


 いつも驚かれるな。


「あ、すみません。ギフトは……分からないんです。持ってはいるんですが」


 分からない?


「そんなことあるの?」


 カナに小声で聞いた。


「さあ?」


 カナも知らないか。


「よかったら見てもらいましょうか?」

「え?」

「この子のギフトでそういうのが分かるんです」


 俺はカナの頭を撫でて提案した。


「カナ、頼めるか」

「うん」

「お願いします!」

「じゃあみる」


 カナがアウルムを見つめること数秒。


「……わかった」

「本当ですか!?」

「うん。ギフトは『鉄壁』」

「『鉄壁』とはどんなものなんです!?」


 アウルムがカナに詰め寄って聞いて着て、その迫力にカナが引いている。


「落ち着いてください」


 興奮してカナに顔を近づけてきたアウルムを落ち着かせる。


「あ……す、すみません。興奮して」

「カナ。説明お願い」

「『鉄壁』は自分と触ったものを硬くするギフト」

「硬くするですか」

「使ってみたらどうですか?」


 自身を硬くするだけなら店にも迷惑掛けないだろう。


「そうですね」


 アウルムが立ち上がり、ギフトを使う。


「では……『鉄壁』」


 すると、アウルムの身体が銀色に輝いた。


「これが『鉄壁』…バンさん、攻撃してみてくれませんか?」

「いいんですか?」

「はい。何処まで硬いか確かめたくて」

「わかりました。では」


 俺はアウルムの腕を軽く手の甲で叩く。


 コンコン


 感触はまるで金属を叩くかのように硬い。


「まるで金属ですね」

「そうですか……でもなんか動きずらいですね」


 アウルムが手足を動かしながら確かめている。


 硬くなると動きが悪くなるのか。


「ありがとうございます。これでモヤモヤが取れました」


 席に座り、アウルムが礼を言う。


「それはよかったです。礼はカナにしてください」

「カナちゃん。ありがとうございました」

「ん」

「……それでパーティーの件ですが、どうです?」


 そうだった。そういう話だったな。


「そうですね……とりあえず、ダンジョンを一緒に探索してみませんか?」


 パーティーを組む前に、アウルムに提案した。


「探索ですか?」

「はい。明日1層を探索してやっていけるか確認しません?」

「……そうですね。お願いします」

「じゃあ、何時探索しますか?」

「バンさんがよければ明日にでも」

「大丈夫です」


 今日の探索は楽だったから疲労もそこまで無い。明日も大丈夫だ。


「それと……敬語はやめませんか? 明日一緒に探索する訳ですし」

「そうですか……分かった。これでいい?」

「はい」

「俺もバンでいいよ。じゃあ、明日よろしく」

「こちらこそ」


 俺とアウルムは席を立ち握手をする。


「バン」


 カナが裾を掴み引っ張る。


「どうした?」

「もう晩御飯」


 何時の間にか外も暗く、時計も7時過ぎを差していた。


「アウルムも一緒にどう?」


 意外だな。カナがアウルムに提案するなんて。


「……いいんですか?」

「ん」

「それじゃあ、ご一緒します」

「それじゃあ、明日のダンジョンについて話しながら食べるか」


 こうしてダンジョン探索について話しながら夜が更けていった。

次回「結成」

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