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幻素が漂う世界で生きる  作者: 川口黒子
トルペン編
28/105

???

「るんるんるーん♪るんるんるーん♪」



 彼女がいるのは空の上


 今日は楽しい"お茶会"の日


「るるんるるーん♪」


 "お城"の廊下をてくてく歩く


 彼女が歩いた、廊下は砂に


 彼女の鼻歌は、炎の音符を形作る


 彼女の足元には紙の兵隊が列を成し、


 腐った肉塊がヒヨコのように付いてくる


「なんだか楽しそうだなぁ!!アリス!!」


 隣の悪魔がケタケタ笑う


「何か良いことでもありましたか?アリス」


 隣の天使がニッコリ微笑む


「今日はいいことずくめだよ♪、ロム♪、ティア♪」


 廊下の先に扉が1つ


「だって今日は……」


「全員揃ったお茶会なんだから!!」



 あれ?



 扉の奥はすっからかん、ひとっこひとり見つからない


「アリス、会場はこの下ですよ」


「あ、そうだった、ごめんごめん!じゃあ……」



             転

 

             反




 彼女にとって、天井は床



「やっほーみんな元気だったー?」


「うわ!?アリス!なんで上に張り付いてんの!?」


「階間違えちゃって、面倒だったから」


「……なんでスカート落ちてこないの……」


「さっすが"ルリ"、エッチだね!」



 煌びやかな部屋の中には


 白く長いテーブルに、8つの椅子が並んでる


 そこに7人の少年少女が座っている



「おいアリス、早く席に着けよ、ノロマだなぁ」


「ごめんねロム、すぐ座るね!」



 彼女はフワッと床に着地し、"第一席"にストンと座る



「いいなぁ〜わたしもその席に座りたい〜」



 猫耳の少女は羨ましがる



「ふふん♪、いいでしょ〜ここからならみんなの顔が全員見えるんだよー」


「それよりアリス、なぜ今日遅れてきた?君が俺たちを呼びつけたんだろ」



 ツノが生えた少年は苛立つ



「トルペンランドに遊びにいってたんだよ♪とっても楽しいところだったよ!"トルペン"!」


「そ、そう……ありがとう」



 クラゲ頭の少女は照れる



「ていうか、なんで普通に遊んでんだよ!」



 バチバチお髭の少年は怒る



「えー私だってちゃんと働いるよー今日だって"ペット"を湖に放ってきたし」


「それだけは意味がありません。ちゃんと"事後処理"まで済ませてください」



 メガネが燃えてる少年は言う



「ちゃんとソレもしたよ!まったくもう、みんな私のことどう思ってるの?」



「馬鹿」


「阿保」


「ど、ドジっ子」


「ウルサイ」


「奇天烈〜」


「サボり魔」


「触りたい」



「……本当は?」






「「「「「「「救世主」」」」」」」





「あは♡」



 彼女はぴょんっと立ち上がり、


 テーブルの上をくるくる回る



「今日はみんなのためにとびっきり美味しいお菓子とお茶を用意したんだー♪」



 ポンポンポンッとお菓子とお茶が並んでいく



「今日の会議は?」


「後にまわそうー!」



「パパに報告は?」


「そんなのいらなーい!」




 回る彼女の肩からは、透明な鎖に繋がれた、

 おっきな時計がぶら下がる




「流石、"この世で最も自由な少女"」




 白黒のピナフォアに身を包ませ、

 金色の髪をたなびかせる




「それじゃあみんな、始まりの合言葉を言おうー♪」




 テーブルの端にまで来た彼女は

 虹色の、狂気の瞳をみんなに向ける




「せーの!」






  レッツオープンザファンタジー









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